新・平家物語(1955年、日本)
監督:溝口健二
出演:市川雷蔵、久我美子、木暮実千代、林成年、大矢市次郎
原作:吉川英治『新・平家物語』
備考:歴史劇
あらすじ…平安時代末期。平清盛はひょんなことから自分の「出生の秘密」を知り、苦悩する。
まず人物関係図について少々。
この時代の歴史をある程度知っている人ならわかると思いますが、史実ではもっと複雑です。原作の小説ではどうなっているのかは未読なのでわかりませんが、おそらくは映画化に際して簡略化されているものと思われます。
そういえば源氏(もちろん武士の方です)は出てきませんでしたな。
さて、本作の主人公・平太清盛(平清盛)を演じているのは市川雷蔵なのですが、この映画では吊り上がった太い眉毛が特徴的です。市川雷蔵の細面(ほそおもて)にあの眉毛を配するというのは妙な感じがしてなりません。まあ、おそらくあの眉毛は平清盛のキャラクターを表現しているのでしょう。
それから、清盛の「出生の秘密」についても少々。有名な話なので言ってもネタバレにはならないと思いますが、清盛は実は白河院の御落胤らしい、という噂があります。実際のところどうだったのかについては歴史家の考証に委ねますが、ともかくもこの映画においてその「出生の秘密」は長く尾を引きます。それだけ重要な要因だってことです。
尚、この映画では合戦のシーンはありません。というのは、瀬戸内海の海賊討伐が終わったところから物語が始まり、保元・平治の乱が始まる前に話が終わっているからです。
その代わり、比叡山の僧兵軍団が大量に登場します。これは圧巻です。ただし、もう一度言いますが、合戦のシーンはありません。
最後に一つ。中村玉緒がヒロインの妹(滋子)というチョイ役で出演しています。この時はまだ若手女優だったんですね。
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