ベンガルの槍騎兵(1935年、アメリカ)
監督:ヘンリー・ハサウェイ
出演:ゲイリー・クーパー、フランチョット・トーン、リチャード・クロムウェル、ガイ・スタンディング、モンテ・ブルー
原題:The Lives of a Bengal Lancer
原作:フランシス・イエーツ・ブラウン
備考:CLASSIC MOVIES COLLECTION
あらすじ…デルヒに駐在の英国の槍騎兵隊第41連隊はストーン大佐の統率下に凶暴なアフリディ族討伐の任務に当たっていた。大佐の部下で豪勇なマグレガー中尉は落ち着いた大佐の態度が気に入らず、猪突の勇を揮っては常に大佐を苦笑させていた。連隊に2人の新任将校が来た。フォーサイス中尉と大佐の令息ドナルド・ストーン中尉であった。(パッケージの紹介文より引用)
物語の中盤で連隊が猪狩りを催す場所は「ゴーバル」とされていますが、映画の中では「Gopal」と表記してあったので、ここでは「ゴーパル」とさせていただきます。
さて、物語の舞台はイギリス支配下のインドですが、エミールやモハメッド・カーンといった名前はイスラム系であり、場所も今のパキスタンに近い。そういえばインドがイギリスから独立した後、更にインドからムスリムの多いパキスタンが分離独立したから、当時あのあたりも英領インドでしたっけ。
ちなみに、人物関係図の左下に出てくる謎の美女ターニアは、簡単に言うとハニートラップです。いわば、マタ・ハリ(※)の後輩といったところでしょうか。
それから、父親のエミールがイギリスに対して友好的なのに、息子のモハメッド・カーンがイギリスに敵対している件について。愚考するに、エミールは実はタヌキオヤジで、今のところは友好を維持しているだけで、裏では…ということも考えられます。狡猾な政治家ならば、その程度の謀略に手を染めていても不思議ではあるまい。
最後に、モハメッド・カーンについて。インド独立を目指すのは結構ですが、ちょっと急ぎすぎているという感が否めない。戦いに必要なのは銃弾だけではないし、更に言えば独立戦争を仕掛けるのならば戦う相手は槍騎兵隊第41連隊のみならず、他のイギリス軍や地元の親英勢力の軍隊とも戦わねばならない。共に戦ってくれる「同志」が欲しいところです。
※第一次世界大戦中に処刑された女スパイ。
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