横溝正史『白と黒』角川書店
あらすじ…金田一耕助は偶然再会した緒方順子から相談を持ちかけられる。怪文書が来て、夫が失踪したというのだ。そんな時、凄惨な殺人事件が…!
S・Y先生は…横溝正史だな。それから、事件現場となった日の出団地は世田谷区にあり、小田急線沿線で近くに映画スタジオがあるとなると、大体あのあたりだろうなあ…などと思っていたら、巻末の解説にこんな文章がありました。
プロローグに登場する詩人のS・Y先生は、とりもなおさず著者の姿であり、その目に映じた白昼の蜃気楼は、著者の成城のお宅の近くにそそり立っている団地に他ならない。(P531)
やっぱりそうでしたか。
ところで、人物関係図についてですが、物語が進むにつれてさらに色々な人物が登場してきます。例えば宮本タマキの両親とか、根津伍市に会いに来た謎の女性とか、代議士とか…。まあ、それらは読者諸氏が読み進めながら適宜書き足して下さい。
それから、殺害された女性の顔が潰されていたことから、ひょっとしてすり替えのトリックが使われたんじゃないかということが作中で言及されています。ですので、殺害されたとされる片桐恒子に×を付けると共に、そのそばに「?」を付けておきました。
最後に、タイトルの「白と黒」ですが、これは事件を解くキーワードになっています。ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、今はその意味が通じなさそうではある。
現在ならば寧ろ、ある種の花を持ち出した方がいいでしょうな。
【参考文献】
横溝正史『白と黒』角川書店
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