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川上弘美「河童玉」

あらすじ…「わたし」と友人のウテナさんは精進料理を食べてウトウトと眠ってしまう。とそこへ河童がやってきて、ウテナさんに相談したいことがあると言う。わたしたちは請われるままに水中の河童世界に赴く。

 この後、二人は河童から歓待を受けます。

 ウテナさんはやけのように皿の上のものをばりばりとたいらげている。食べてしまったら人間界に戻れないかも、とわたしが言っても、ウテナさんは、(P14)

 いわゆるヨモツヘグイというやつですな。異界のものを食べたらその異界の住人になってしまい、元の世界に戻れなくなる、という考えです。

 精進料理を食べたばかりだったのに、いくらでも食べられる。帰ったら百年たってたりして、とわたしがウテナさんにささやくと、ウテナさんは、(P15)

 これは浦島効果というもので、異界ではわずかな時間を過ごしただけだったのに元の世界に戻ってみると長い年月が経っていた、というものです。そういえば浦島効果の元ネタの昔話『浦島太郎』でも主人公が水中世界で歓待を受けていましたっけ。
 ともあれ、こういった会話が咄嗟にできる二人は、その方面の教養を共有している間柄なのだということがわかります。

【参考文献】
小川洋子編著『小川洋子の陶酔短篇箱』河出書房新社

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