ロバート・ファン・ヒューリック『紫雲の怪』早川書房
あらすじ…西の辺境の地・蘭坊の知事をつとめるディー判事のもとに、またもや奇怪な事件が持ち込まれた。町の郊外にある荒れ寺で、無残に断首された男の死体が発見されたのだ。被害者の男は地元のやくざ者で、境内で寝込んでいた男の友人が捕縛された。(中略)自ら死体を検分した判事は、首と胴体が別々の人間のものであることを発見する。(裏表紙の紹介文より引用)
人物関係図を見ると、坊主や多羅など他者とのつながりを示す線を引いていない人物がいますが、彼らの関係性は中盤以降に明らかになるので、ネタバレ防止のためにあえて伏せておきました。
さて、少々補足説明をしておくと、殺人事件の現場となった荒れ寺は紫雲寺といい、邦題の「紫雲」はここから来ているものと思われます。尚、原題は"The Phantom of the Temple"で、直訳すれば「寺の亡霊」であり、作中で亡霊っぽいものが登場します。とはいえ、怪奇小説ならばともかく、推理小説でそういった類のものが出てくるとなると生身の人間が化けているか、何らかの装置を使ったトリックと相場が決まっています。
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