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亀田俊和『高師直 室町新秩序の創造者』吉川弘文館

 高師直の伝記。
 本書表紙を飾る騎馬武者像は、長らく足利尊氏とされてきましたが、現在では高師直とする説が有力で、著者(亀田俊和)も高師直説を支持しています(P217)。
 それはさておき、高師直といえば日本史上の悪役として有名ですし、私が以前取り上げた『碁盤太平記』でも悪役として描かれていました。
 弓削道鏡、梶原景時、松永久秀、吉良上野介といった「悪役」たちはそれなりに再評価されていますが、本書では高師直に再評価の光を当てています。
 詳細は本書に譲りますが、執事執行状というものが「政治家としての高師直の最大の発明であった」(P206)とのこと。ただ、残念なことに後世の人間にはその制度がいかに優れているのかわかりにくいという欠点があります。執事執行状の内容についてはこれまた本書の説明に譲りますが、少なくとも当時の領地分配システムを知っていないと理解できない、ということは指摘しておきます。

【参考文献】
亀田俊和『高師直 室町新秩序の創造者』吉川弘文館

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