謡曲「融」
あらすじ…東国方の僧が上京し、荒廃した六条河原院にやってくると、潮汲みの老人が現われ、源融大臣のかつての栄華を語る。
昔、源融は自邸の六条河原院に塩竈を作り、塩を焼く煙を見て楽しんだという。ただ、京都は内陸部にあるため、わざわざ海水を難波の浦から運ばせていました。
もちろん、こんなことで製塩をしても採算がとれるかどうか疑問ですが(というより、源融自身、経済活動としてではなく風流を楽しむという目的でやっていたはず)、ぶっちゃけて言うと大貴族の浪費です。とはいえ、こうして謡曲となって残っていたりしますから、文化事業に少しは貢献しているのだと言えます。
ちなみに主人公の僧が六条河原院を訪れた時には製塩事業など行われておらず、従って潮汲みの老人が働いているはずもない。ならばこの老人の正体は…? 謡曲のパターンを知っていれば予想が着くことと思いますが、ネタバレ防止のためにここでは伏せておきます。
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