西部戦線異状なし(1930年、アメリカ)
監督:ルイス・マイルストン
出演:リュー・エアーズ、ウィリアム・ベイクウェル、ラッセル・グリーソン
原題:All Quiet on the Western Front
原作:エーリッヒ・マリア・レマルク
備考:反戦映画、アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀監督賞
あらすじ…第一次世界大戦下のドイツで、教師に愛国精神をとうとうと説かれ、胸を熱くしながら出征を志願し、厳しい訓練の下、戦線に赴いたポール(リュー・エアーズ)。しかし、戦場の実態は想像を絶する苛酷なものであった…。(パッケージ裏の紹介文より引用)
フォルカー・ベルクハーンの『第一次世界大戦 1914-1918』を読んで第一次世界大戦の損失を数字で見ることになりましたが、この映画では映像でそれを見せてくれます。特に、戦死を。モブの兵士はもちろんのこと、主人公の友人たちまでもがあっけなく、それも次々に死にます。そして最後にはこれまたあっけなく…おっと、さすがにネタバレ防止のために結末は伏せておきましょうかね。
ところで、物語の中盤で、兵士たちが前線から一旦離れ、政治談議に花を咲かせているシーンがあります。よくよく考えてみれば、政治がクソだったら前線で戦っている自分たちが無駄死にしかねない(例えば、拙劣な外交によって、戦わなくていい国を敵に回したらどうなる?)のだから、彼らが関心を持つのは当然です。
そういえばアドルフ・ヒトラーは第一次世界大戦から帰還した際に政治家になる決意をしたと『わが闘争』に書いてあったと記憶しています(当該箇所を読んだのは数年前なので、記憶違いがあるかもしれない)。
それらを思い合わせると、若き日のヒトラーもこのような兵士たちの政治談議に加わって政治意識を高めていったんじゃないかと想像致します。
【関連記事】
フォルカー・ベルクハーン『第一次世界大戦 1914-1918』(1)
フォルカー・ベルクハーン『第一次世界大戦 1914-1918』(2)
フォルカー・ベルクハーン『第一次世界大戦 1914-1918』(3)
フォルカー・ベルクハーン『第一次世界大戦 1914-1918』(4)
アドルフ・ヒトラー『わが闘争』(目次)
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