大江賢次「煙草密耕作」
あらすじ…村の小作人・森下伊作は、助けた遍路から謎の種子を貰う。これを栽培すると、なんと煙草だった。そのうち伊作は他の村人にも種子を分け与え…。
村中で煙草の密耕作をやり始めますが、所詮は狭い世界ですので、やがて露見して官憲の取り締まりを受けます。
尚、P151の著者略歴によると著者の大江賢次は「マルクス主義に傾倒」とあり、この物語の結末部分、殊に女房の最後のセリフにマルクス主義の香りを感じずにはいられません。具体的にどこがどうマルクス主義的なのかはネタバレになりかねないので割愛しますが、マルクスの言葉「万国の労働者よ、団結せよ!」の労働者の中には伊作ら小作人も含まれる、とだけ申し添えておきます。
【参考文献】
『三田文学 創刊一〇〇年名作選』三田文学会
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