ひとごろし(1976年、日本)
監督:大洲齊
出演:松田優作、高橋洋子、五十嵐淳子、丹波哲郎
原作:山本周五郎「ひとごろし」(新潮文庫版)
備考:時代劇
あらすじ…江戸時代、福井藩。お抱え武芸者の仁藤昂軒は家中の恨みを買い闇討ちに遭うが、かえってこれを返り討ちにし、藩士の加納平兵衛らを殺して江戸へ向けて出奔する。藩主は激怒し上意討ちを命じるが、相手は剣と槍の達人であるため人選が難航する。とそこへ、家中一の臆病者・双子六兵衛が名乗り出て昂軒を討つことになる。
山本周五郎の作品は探偵小説を中心に色々と読んできましたが、「ひとごろし」は未読。又、「ひとごろし」はコント55号主演で映画化されています(※)がそちらも未見です。
臆病者の双子六兵衛が、剣と槍の達人である仁藤昂軒とまともに戦って勝ち目があるわけではない。闇討ちも無理。
そこで六兵衛が取った戦術はというと(予告篇にも出てくるのでここで言ってもネタバレにならないと思いますが)、彼にストーカーの如くつきまとい、「ひとごろしー!」と叫んで嫌がらせするというもの。いわゆる「弱者の戦術」というやつですな。
これはこれで痛快ではあります。まあ、「強者」にとっては不愉快千万の卑怯な振る舞いにしか見えないのでしょうけどね。
ところで、双子六兵衛を演じているのは松田優作ですが、「なんじゃこりゃー!」の人とは同一人物とは思えないほど臆病な侍になりきっています。演技が巧いんでしょうな、きっと。尚、声は相変わらずよく通るいい声です。
それにしても、おようの行動原理がよくわかりません。仁藤昂軒を泊めたかと思えば、いきなり旅籠を放り出して双子六兵衛に同行して一緒に嫌がらせをする。原作の小説を読めば何かわかるかもしれませんが、別にわからなくてもいいか。
※「初笑いびっくり武士道」というタイトルらしい。
【追記】
後日、原作小説を読みました。小説の感想はこちら。
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