ジェラルド・カーシュ「破滅の種子」
あらすじ…古物商のジスカ氏は、口から出まかせの由来譚を客に話しては骨董品を売り付けていた。そんなある日、ジスカ氏は主人公(カーシュ氏)に、「破滅の種子」という指輪を売ろうとする。
落語の世界にもこういう人がいますわ。新田義貞(源頼朝だったかも)の子供の頃のしゃれこうべを売り付けようとしてましたっけ。
それはさておき、主人公はインチキだと承知しつつもついつい話に引き込まれて商品を買っています。ジスカ氏の口上が商品価値になっているわけですな。
もちろんジスカ氏が話す「破滅の種子」のストーリーも「与太を飛ばしていることは明らかだった」(P31)のですが、世の中にはビリーバーがいるもので…おっと、ここから先はネタバレ防止のために伏せておきます。
ともかくも、その程度の与太話でも信じちゃう人がいるし、話に尾ひれが付くことだってあります。都市伝説の本なんかを読んでいると、そういうケースに遭遇することもあります(例:口裂け女にポマード)。
【参考文献】
米澤穂信『世界堂書店』文藝春秋
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