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ハムレット(1996年版、英米)

監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー、ケイト・ウィンスレット、リチャード・ブライアーズ、ジュリー・クリスティ、デレク・ジャコビ
原題:Hamlet
原作:シェイクスピア『ハムレット』

あらすじ…19世紀デンマーク。国王が死去して王の弟クローディアスが即位し、先代の王の妃ガートルードと結婚する。先代の王の息子ハムレットは鬱々とした日々を送っていたが、亡父の霊が出没すると聞き、会いに行く。

 まず最初に断わっておきます。ネタバレ注意。
 というのも、シェイクスピアの「ハムレット」は、日本における「忠臣蔵」の如く、結末を含むストーリーを知っていて当たり前の古典であり、今回ばかりは私も読者に知っていることを前提として執筆したいからです。賢明なる読者諸氏よ、ご了承願いたい。

 さて、まずは人物関係図をご覧下さい。

「ハムレット」人物関係図

 これを見て、ポローニアスの肩書きに「おや?」と思った方がいるとしたら、その人は「ハムレット」をよくご存知なのではと推察致します。
 ポローニアスは原作では侍従長(※)、本編の字幕では大臣、ケネス・ブラナーによる解説では首相となっています。ここでは本編の字幕に従って「大臣」と表記することにしました。
 尚、ポローニアスの肩書きを侍従長から大臣へ、そして時代を中世から19世紀へ移すことによって、ポローニアスの娘オフィーリアと王子ハムレットとの関係は、「身分違いの恋」という要素が(まだ幾分か残っているにせよ)薄らいでいます。ただし、ハムレットがポローニアスを殺した政治的意味合いは重くなっていますが。

 それから、映画の中で「ここでこんな人を出しちゃっていいのかよ(歓喜)」という人物がいます。劇中劇の王を演じるチャールトン・へストンと、フェンシングの審判を務めるロビン・ウィリアムズ(原作ではオズリックという役名)です。
 特にチャールトン・へストンがトロイア滅亡を浪々と語るくだりは見事で、私は彼が名優であることをこの時初めて痛感しました(「十戒」を観ているはずなのに!)。

 又、物語の中盤でハムレットがクローディアスを殺す絶好の機会が訪れるのですが、その時にハムレットは短剣をクローディアスの首に突き付け、あまつさえ空想の中では突き刺してさえいます。
 この演出は「絶好の機会」感を強調していると言えるでしょう。と同時に、ハムレットの「行動しない人」という側面もより強調されているようです。

 嗚呼、この242分という超大作についてはまだまだ他にも筆を走らせるべき箇所、言及するべき人物がたくさん存在するのですが、さすがに書き切れない!
 ともかくも、ケネス・ブラナー版「ハムレット」は重厚長大で贅沢な作品です。それはそれで好みが分かれるかもしれませんが、一生に一度は味わってみるといいんじゃないでしょうか。

※原作の典拠には岩波文庫版『ハムレット』を使用。理由は自宅の本棚にあったから。

【参考文献】
市川三喜・松浦嘉一『ハムレット』岩波書店

【関連記事】
シェイクスピア(目次)

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