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井上文則『軍人皇帝のローマ 変貌する元老院と帝国の衰亡』講談社

共和政期以来、七〇〇年にわたり、ローマ帝国を支えてきた元老院。
しかし、軍事情勢が悪化し、貧富の差が拡大した三世紀以降、
支配権はバルカン半島出身で下層民からのぼりつめた軍人皇帝の手に移る。
アウレリアヌス帝、ディオクレティアヌス帝、コンスタンティヌス帝など、
じつに七七人中二四人が、バルカン半島出身の軍人皇帝である。
ローマ文明を担うエリートの元老院の失墜と武人支配への変化を描き、
ローマ帝国衰亡の世界史的意味をとらえなおす。
(裏表紙の紹介文より引用)

 バルカン半島がそんなに皇帝を輩出し続けるとは、バルカン半島も昔は人材豊富だったわけですな。今のバルカン半島は多くの小国に分裂していて、しかも紛争やら民族浄化やらで仲が悪いから、古代ローマの皇帝のような「大物」が出現することは考えにくい。

 一方、元老院はというと…。
 軍の支持を集めた者が皇帝になることができる、というのが内乱から得られた教訓にもかかわらず、この時代の元老院議員たちはそういうことはせず、逆に「元老院議員たちが帝国統治の重要ポスト、とりわけ軍事にかかわるそれから外されていった」(P143-144)という有様。
 これでは軍人に勝てませんな。平和な時代なら、奥の院の陰謀で葬ることもできるんでしょうけれど。

【参考文献】
井上文則『軍人皇帝のローマ 変貌する元老院と帝国の衰亡』講談社

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