星新一「分工場」
あらすじ…事業家のエム氏が、自身が所有する小さな古い廃工場を見に行くと、地獄の鬼が地獄の分工場を作っていた。
地獄巡り譚の現代版(ショートバージョン)。
民間人をたらい回しにした役人、水を出すのをサボったウェイトレス、爆音をまき散らしたオートバイ狂、保険の勧誘員、などなどがそれ相応の罪を償うために責め苦を負っています。
現代版と書きましたが、本作が書かれてから数十年は経っており、時代の移ろいを感じずにはいられないこともない。そうですねえ、今の時代ならこんなものがあるかもしれません。
・ドローン騒動を起こした者
自分が巨大ドローンに縛り付けられ、迷惑をかけた人数×回数ほど墜落する。
・歩きスマホをした者
一日中ずっとスマホを見続ける。ただしスマホの画面に映るのはグロ画像。
・粘着アンチ@インターネット
鬼たちに肉体的に粘着され、コメントした回数だけ罵詈雑言を浴びせられる。
・炎上商法で儲けた者
炎上商法で稼いだ金額分、自身が燃料として燃やされる。
【参考文献】
星新一『妖精配給会社』新潮社
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