五味康祐『薄桜記』新潮社(3)
序盤の人物関係図と見較べてみると、プレイヤーが大きく入れ替わっていることがわかります。二人の主人公(丹下典膳と堀部安兵衛)とヒロインは残っているものの、物語の途中で死んだり遠方へ行ってしまったりして「退場」した人物が多く存在します。話が長いから仕方ないといえば仕方ない。
ところで、上掲の人物関係図の中で千坂兵部が丹下典膳を「吉良の付け人にする」とありますが、人物関係図ではアッサリ書いているものの小説では数十ページを費やしてようやく典膳に引き受けさせています。武士の面目や込み入った事情もあるのでしょうが、それにしても面倒臭いですわ。
【参考文献】
五味康祐『薄桜記』新潮社
【関連記事】
・薄桜記(1959年版)
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