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松岡和子訳『リチャード二世 シェイクスピア全集26』筑摩書房(5)

第五幕あらすじ…ヘンリー四世を暗殺してリチャード二世を復位させるという陰謀が露見し、叩き潰される。そして、リチャード二世が暗殺される。

 やはりリチャード二世にも支持基盤はあったようで、リチャード二世復権の陰謀が出てきます。とはいえ、本作で描かれる陰謀の露見の仕方はいささかマヌケですが…。

 それはさておき、この物語ではサー・ピアス・エクストンなる者がヘンリー四世の意向を「忖度」してリチャード二世を暗殺しに行きます。

エクストン 王の言葉を聞いただろう、
 「私には、この生きた恐怖を取り除いてくれる友はいないのか?」
 そうだったよな?
(P194, 第五幕 第四場)

 「生きた恐怖」とは、ポンフレット城(ポンティクラフト城)に幽閉しているリチャード二世のことです。彼が生きている限り、彼の支持者やヘンリー四世に反感を持つ者が彼を担いで自分の王座を脅かすかもしれない、という疑心暗鬼に陥っていることを示しています。

エクストン 「友はいないのか?」 そうおっしゃった。しかも二度も、
 続けて二度、急き立てるように、な、そうだろう?
(P194-195, 第五幕 第四場)

 大事なことなので二度言いました。

エクストン そう言いながら俺をじっと見つめ、
 まるで「お前が、俺の心からこの恐怖を切り離す
 男であってほしい」と言ってるようだった。
 ポンフレットの王のことだ。さあ、行こう。
 俺は王の友だ、王の敵を始末してやる。
(P195, 第五幕 第四場)

 言ってるようだった、ということは、ヘンリー四世が直接言ったわけではなく、エクストンが(勝手に)そう解釈したということです。
 なるほど、汚れ仕事はこうやって押しつけるものなんですね。

【参考文献】
松岡和子訳『リチャード二世 シェイクスピア全集26』筑摩書房

【目次】
リチャード二世(1)
リチャード二世(2)
リチャード二世(3)
リチャード二世(4)
リチャード二世(5)

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