五味康祐『薄桜記』新潮社(1)
あらすじ…旗本随一の遣い手と言われた丹下典膳は、はからずも左腕を失い市井の浪人となった。一方、一刀流堀内道場の同門である中山安兵衛は、高田馬場の敵討で剣名を挙げ、播州赤穂藩浅野家の家臣・堀部安兵衛となる。立場は異にしても、互いに深い友情を感じる二人。だが、浅野内匠頭の殿中刃傷は、二人の運命をさらに変転させた。(裏表紙の紹介文より引用)
人物関係図に「序盤の」と入れたのは、この後さまざまな人物が登場する上、人物関係も変わってくるからです。例えば本作は忠臣蔵異聞ということもあって、忠臣蔵の主要キャラである大石内蔵助や吉良上野介も出てくるし、本作の主人公の一人・中山安兵衛は浪人→赤穂藩士→赤穂浪士と身分がクルクルと変わりしかも途中で婿入りして堀部安兵衛となっています。
これらを一枚の人物関係図に収めるのは至難の業ですので、とりあえず序盤のものだけを作った次第。
尚、丹下典膳は左腕を失うまで、中山安兵衛は高田馬場の決闘までとしました。
それから、『薄桜記』は何度か映画化・ドラマ化されていますが、wikiの配役やあらすじをチェックすると原作の小説とは設定が異なっているところが見受けられます。ですので、『薄桜記』の映画もしくはドラマを観て、
「人物関係が違うぞコノヤロー」
などと怒らないで下さい。寧ろ違いを楽しむぐらいの心構えは欲しいものです。
長くなってきたので続きは次回。
【参考文献】
五味康祐『薄桜記』新潮社
【関連記事】
・薄桜記(1959年版)
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