イワン雷帝 第二部(1946年、ソ連)
監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン
出演:ニコライ・チェルカーソフ、パヴェル・カドチニコフ、セラフィマ・ビルマン
備考:プロパガンダ映画、歴史劇
あらすじ…皇妃アナスタシヤを失ったイワン雷帝は孤独感を一層強めていた。そんな中、宮廷では雷帝暗殺の陰謀が進められていった…。
第二部は粛清のくだりがスターリン政権を暗に批判しているとして、ソ連では12年間公開されなかったという、いわくつきの作品。映画を観ながら「この程度のことで上映禁止にしなくても…」と思いましたが、それは私が言論の自由が保障された世界にいるからであって、あのスターリン政権下ではこの程度ですら許されなかったということなのでしょう。
さて、第二部ではイワン雷帝主宰の宴会のシーンのみがカラーとなっていて、歌ありダンスありでかなり華やかです。しかも、この宴会の前後が陰惨でドス黒いだけに、宴会の華やかさがより一層きわ立って見えます。
ところで、この宴会で雷帝はウラジミルを異様にかわいがっています。これまでの経緯及び雷帝の性格を考慮すれば異常であり、これを素直に受け取るのはよっぽど頭の弱い人間だけでしょうな。
実はこの宴会の直前に雷帝はエフロシニヤにウォッカの盃を贈っているのですが、その盃は空でした。エフロシニヤは不審に思っていましたが、私はこの空の盃を見て、「あっ、雷帝はここで殺る気だな」と察しました。
もしも私の察知が正しいとするならば(※)、雷帝のかわいがりっぷりはとんでもなくグロテスクな様相を呈してきます。おそロシア…。
※実際のところどうだったのかは、ご自分の目でお確かめ下さい。
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