マイノリティ・リポート(2002年、アメリカ)
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:トム・クルーズ、サマンサ・モートン、コリン・ファレル、マックス・フォン・シドー
原題:Minority Report
原作:フィリップ・K・ディック「少数報告」
備考:SF
あらすじ…西暦2054年のワシントンD.C.。司法省のエリート班、犯罪予防局(プリ・クライム)が設置されてから6年、殺人事件はゼロ、犯罪件数も90%減少という成果が出ていた。それは未来を透視できる4人のプリコグ(予知能力者)に予知された“未来”殺人の光景を、、犯罪予防局が分析・判定し、事件が起こる前に“犯人”を逮捕し、殺人を未然に防ぐという最先端のシステムが成功を収めていたからである。
犯罪予防局のチームのトップに立つジョン・アンダートンは、愛する息子を失った事件をきっかけに、このシステムに自分の情熱のすべてを捧げてきた。しかし、ある日、ジョンは自分が36時間以内に見ず知らずの他人を殺害すると予知されたことを知る。今や追われる立場となったジョンは、最新鋭の自動化された都市の探知網をかいくぐって必死の逃走を試みる。彼が助かる道はただ一つ、自ら信じてきたシステムに隠されてきた真実、“少数報告”を暴くことであった――。(DVDパッケージ裏の紹介文より引用)
網膜スキャンによる監視システムやスパイダー、ジェット・パックなど、B級SF映画ならばそれ単独で使えそうな要素を作品のそこかしこにぜいたくに配しており、その点では大作の名に恥じないと言っていい。
ちなみに、色々と盛り込みすぎたためか、この映画は146分という長編になってしまっているのですが、テンポよく話が進むので私はあまり気になりませんでした。
さて、ここからは突っ込みどころを少々。
犯罪予防局ではプリコグの3人が殺人を予知しているのですが、いくら何でも3人じゃカバーできないんじゃないでしょうか。アメリカは広いし、人口だって多いですからねえ。
しかも、映画の説明を見る限りでは彼らは希少な存在であり、欠員が生じたからといって補充できるわけではなさそうです。だとすると、プリコグは10年後、20年後も続けられるようなシステムではありませんな。
それから、ジョンは捜査の網をかいくぐるために自分の眼球を他人のものと取り替えるのですが、摘出した自分の眼球を使って犯罪予防局の裏口から侵入します(出入口の認証システムが網膜スキャンになっている)。いや、ちょっと待てよ。この時点でジョンは指名手配犯なんだから、アカウントを停止しておかなきゃダメだろ。
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