無料ブログはココログ

« 『R25 2014, No.257 9.18-10.1』リクルート | トップページ | ガルシン「四日間」 »

ガルシン「あかい花」

あらすじ…狂気の青年が癲狂院に送られる。ある時、青年は癲狂院の庭で真紅の花を見つける。

 癲狂院とは今でいう精神病院のことであり、タイトルの「あかい花」とは罌粟(けし)の花のことです。
 魯迅の「狂人日記」はカニバリズムの妄想にさいなまれていましたが、こちらの「あかい花」の狂人は「悪との戦い」に身を投じています。「あの燃えるようなあかい花に、世界のありとある悪が集まっていたのだ」(P24-25)と思い込んで戦うのですが、しかし所詮は「幻想の生んだ、現実にはない戦い」(P25)です。
 それにしても、一人の狂った青年に「悪との戦い」なんて荷が重すぎる。もしも、「神、それを命じ給う」というのならば、そんな奴に命じた神の判断こそ狂っています。命じるなら大天使ミカエルにでも、どうぞ。

【参考文献】
ガルシン『あかい花 他四篇』岩波書店

« 『R25 2014, No.257 9.18-10.1』リクルート | トップページ | ガルシン「四日間」 »

書評(小説)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ガルシン「あかい花」:

« 『R25 2014, No.257 9.18-10.1』リクルート | トップページ | ガルシン「四日間」 »

2025年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28