三島由紀夫『仮面の告白』新潮社(3)
第3章あらすじ…戦況がますます悪化する中、主人公は園子と出会う。
第3章に至ってようやく本作のヒロインともいうべき存在の園子が登場します。園子について少々説明しておくと、彼女は主人公の友人(草野)の妹で、その友人が出征した頃から急速に接近し、遂には園子の疎開先で二人はキスをします。
主人公はホモですが、ノンケの仮面をかぶった、いわば隠れホモです。ノンケの仮面をかぶった自分が園子と「恋愛」をし、そのくせホモだから園子に欲情しない(男には欲情する)のだからややこしい。
隠れホモがノンケの仮面をかぶったまま女性と結婚し、夫としての役割を果たす例はありますが、この主人公にはそれができず苦悶しています。ハッピーエンドは無理そうですな。
【参考文献】
三島由紀夫『仮面の告白』新潮社
« 三島由紀夫『仮面の告白』新潮社(2) | トップページ | 三島由紀夫『仮面の告白』新潮社(4) »
「書評(小説)」カテゴリの記事
- 浅田次郎「ひなまつり」(2018.07.14)
- コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』新潮社(2011.11.30)
- 浅田次郎「薔薇盗人」(2018.07.15)
- 浅田次郎「佳人」(2018.07.13)
- 浅田次郎「奈落」(2018.07.12)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/277935/58005020
この記事へのトラックバック一覧です: 三島由紀夫『仮面の告白』新潮社(3):
コメント