悪霊喰(2003年、独米)
監督:ブライアン・ヘルゲランド
出演:ヒース・レジャー、シャニン・ソサモン、ベン・ファーマン、マーク・アディ、ピーター・ウェラー
独題:The Sin Eater
英題:The Order
備考:ホラー
あらすじ…ニューヨークの司祭アレックスのもとに、枢機卿ドリスコルが訃報を携えてきた。ローマに住む恩師が不審な死を遂げたのだった。アレックスは死の真相を探るため、かつて自分が悪霊払いを施した女性マーラを従えローマへと飛んだ。検分された遺体の胸には奇妙なアザが、そして部屋には儀式の跡が残されていた。古来より異端とされてきた“罪喰い”の存在を確信したアレックス。だがそのときはまだ、“悪霊喰”の魔の手が己の身に忍び寄ろうとは知る由もなかった…。(DVDパッケージ裏の紹介文より引用)
この映画ではキリスト教、殊にカトリックの教義についてある程度は知っていなければわからないところがあるため、日本人にはとっつきにくい部分があるんじゃないかと思います。そこで、つたないですが解説を少々加えさせていただきます。
まず最初に原題の"The Sin Eater"について。邦題は「悪霊喰(あくりょうぐい)」ですが、原題を直訳すると「罪を喰う者」です。sinは罪、殊に宗教上の罪を意味します。尚、キリスト教では自殺は罪(sin)であるとして禁じられており、この映画の中でもその考えが出てきます。
愚考するに、邦題が「悪霊喰」になっているのは、日本ではsinの概念になじみがないからでしょうか。
次に、「最後の秘蹟(The last rite)」について。カトリックの伝統的な教えでは、人は死ぬ前に聖職者から最後の秘蹟を受けて罪を赦してもらわないと天国へ行けないとされています。
破門されていたり、あるいは自殺という罪(sin)を犯すことで最後の秘蹟を受けられない場合、天国へ行くにはどうすればいいのか? この映画ではその方法として「罪喰い」が登場するわけです(罪喰い自体の解説は省略)。
さて、長々と解説してきましたが、最後に感想を少々。
カトリックの教義云々を差し引いてもまだ分かりにくいところがありますが、そこはDVDに収録されている「監督による音声解説」を参照していただくしかない。
そう考えると、少々しんどいですな。「薔薇の名前」くらい面白ければ苦にならないのですが…。
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