アガサ・クリスティー『第三の女』早川書房
あらすじ…自分が犯したらしい殺人についてご相談したい。そういってポアロを訪ねてきた若い娘は、結局何も告げないまま立ち去ってしまった。その午後、事情通のオリヴァ夫人から事情を聞いたポアロは、俄然興味を示し、夫人とともに調査を始める。だがその娘の周囲に殺人の匂いはなかった……死体なき殺人の謎をポアロが追う。(裏表紙の紹介文より引用)
あらすじの項で出てくるオリヴァ夫人とは、ポアロシリーズに度々登場する小説家アリアドニ・オリヴァです。そして「夫人とともに」なんて書いてあると彼女が助手役を務めるのかというとさにあらず、勝手に行動してひどい目に遭います。まあ、それがオリヴァ夫人らしいといえばらしいのですが…。
ちなみに、タイトル『第三の女』(原題:Third Girl)は、ポアロを訪ねてきた若い娘(ノーマ・レスタリック)のことで、オリヴァ夫人の説明によると「第三の女」とは以下の通り。
主になる娘がまず家具つきのマンションを借りて、それから何人かの仲間で家賃を分担する。セカンド・ガール(二番目)はたいてい友だちね。サード・ガールは心あたりがなければ広告をだして探すわけ。(P33)
いわゆるルームシェアというやつですか。作品中ではルームシェアとは書いていませんが、ルームシェアと解釈してさしつかえないでしょう。
それにしても、『第三の女』なんてタイトルを付けられると、ダブルミーニングが込められているような気がしてならなかったのですが、最後まで読んでみると…おっと、ここから先はネタバレ防止のために伏せておくことにします。
【参考文献】
アガサ・クリスティー『第三の女』早川書房
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