舞の本「百合若大臣」(1)
あらすじ…百合若大臣は大軍を率いて海上で蒙古軍と戦い、大勝利を収める。だが、別府兄弟の裏切りにより、帰る途中で無人島に置き去りにされてしまう。
蒙古軍との海戦が突っ込みどころ満載なのでちょっと指摘させていただきます。
百合若大臣率いる日本軍は八万艘、蒙古軍は四万艘という、両陣営ともに大軍です。数字を盛りすぎていますけど、まあそれはいいでしょう。
で、この両軍が海上で対峙するのですが、「互ひに恐れて寄りもせで、五十余町を隔てつゝ、三年の春をぞ送られける。」(P48)…って、三年も!? 兵糧とかはどうなっているんだ!?
さすがにこの状況はまずいと思ったのか(当たり前だ)、蒙古軍にいた「きりん国の大将」(P49)が妖術で霧を発生させます。もっと早くやれよ。
で、その霧が「百日百夜ぞ降りにける」(P49)のですが、百合若大臣が神々に祈願したところ、霊験あって風が起こり、霧が晴れます。だから百日も待たないでもっと早くやれよ。
【参考文献】
『舞の本 新日本古典文学大系59』岩波書店
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