舞の本「大織冠」(2)
あらすじ…竜女のハニートラップに引っかかった万戸将軍は宝珠を奪われてしまう。それを知った中臣鎌足は、宝珠を取り戻すべく策を練る。
中臣鎌足は一般人に変装し、房崎の浦に行き、そこの海女と男女の関係(というより結婚か)になって子供をもうけます。「三年になるは程もなし」(P35)とあり、女を口説いて結婚し、一子をもうけるとなるとそのくらいはかかってもおかしくはありませんな。
でもちょっと待てよ。鎌足よ、お前は大織冠、つまり政府要人だろう? 政府の仕事を3年もほったらかしていいのか?
とはいえ、よくよく考えてみれば、この作品では鎌足は長女は天皇に嫁ぎ、次女は唐の皇帝に嫁いでいるというスーパー外戚だから、そのくらいのわがままをしても咎められることはないか。
【関連記事】
舞の本「大織冠」(1)
【参考文献】
『舞の本 新日本古典文学大系59』岩波書店
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