舞の本「伊吹」
あらすじ…平治の乱に敗れた源頼朝は逃亡中に捕まり、処刑されそうになるが、池殿(池禅尼)の手により助命される。
タイトルが「伊吹」となっているのは、源頼朝を匿った庄司の住まいが伊吹山麓の草野庄にあったから。もっとも、伊吹を舞台とするのは物語の前半までで、後半は京を舞台として展開されます。
それにしても池禅尼が牛車を急がせて六条河原(処刑場)へ駆けつけるさまはアグレッシブですなあ。
【参考文献】
『舞の本 新日本古典文学大系59』岩波書店
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あらすじ…平治の乱に敗れた源頼朝は逃亡中に捕まり、処刑されそうになるが、池殿(池禅尼)の手により助命される。
タイトルが「伊吹」となっているのは、源頼朝を匿った庄司の住まいが伊吹山麓の草野庄にあったから。もっとも、伊吹を舞台とするのは物語の前半までで、後半は京を舞台として展開されます。
それにしても池禅尼が牛車を急がせて六条河原(処刑場)へ駆けつけるさまはアグレッシブですなあ。
【参考文献】
『舞の本 新日本古典文学大系59』岩波書店
あらすじ…多田満仲は末子の美女御前を寺に入れるが、それが不本意な美女御前は悪行にふける。ある時、満仲は美女御前を呼び寄せて法華経を読ませようとするが、彼は一字も読めない。満仲は激怒し、家来の仲光に美女御前を殺せと命じる。
この物語の主人公の名は美女御前といいますが、男です。でも、美女と名の付くくらいだから、男の娘くらいの容姿だったのかもしれません。わぁい!
ただし、容姿はアレでも中身はDQN。「寺一番の悪行は、此若君一人の張行なりとぞ聞えける。」(P106)
もっとも、父親の満仲だって美女御前を本気でブッ殺そうとしたところを見ると、子は親の鏡という諺が頭をよぎります。
【参考文献】
『舞の本 新日本古典文学大系59』岩波書店
あらすじ…無人島から帰還した百合若大臣は昔の面影はなく、苔丸と呼ばれて別府に召し使われる。だが、百合若大臣は密かに復讐の機会を窺っていた。
「百合若大臣」は『オデュセイアー(ユリシーズ)』の翻案とも言われています。今回はその説に従って少々考察してみたいと思います。
オデュセウスは弓を取って妻への求婚者たちを射殺しましたが、百合若大臣は弓こそ取るものの矢を放つことなく、別府を残虐な方法で処刑します(七日七夜に渡って鋸で首を引く)。
日本ではただ単に射殺するだけでは物足りなかったようです。
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舞の本「百合若大臣」(1)
【参考文献】
『舞の本 新日本古典文学大系59』岩波書店
あらすじ…百合若大臣は大軍を率いて海上で蒙古軍と戦い、大勝利を収める。だが、別府兄弟の裏切りにより、帰る途中で無人島に置き去りにされてしまう。
蒙古軍との海戦が突っ込みどころ満載なのでちょっと指摘させていただきます。
百合若大臣率いる日本軍は八万艘、蒙古軍は四万艘という、両陣営ともに大軍です。数字を盛りすぎていますけど、まあそれはいいでしょう。
で、この両軍が海上で対峙するのですが、「互ひに恐れて寄りもせで、五十余町を隔てつゝ、三年の春をぞ送られける。」(P48)…って、三年も!? 兵糧とかはどうなっているんだ!?
さすがにこの状況はまずいと思ったのか(当たり前だ)、蒙古軍にいた「きりん国の大将」(P49)が妖術で霧を発生させます。もっと早くやれよ。
で、その霧が「百日百夜ぞ降りにける」(P49)のですが、百合若大臣が神々に祈願したところ、霊験あって風が起こり、霧が晴れます。だから百日も待たないでもっと早くやれよ。
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舞の本「百合若大臣」(2)
【参考文献】
『舞の本 新日本古典文学大系59』岩波書店
監督:冬島泰三
出演:大河内傳次郎、水戸光子、本間謙太郎、羅門光三郎
原作:三村伸太郎
備考:時代劇
あらすじ…故郷恋しさに関所破りをして、とある信州の宿場にやってきたお尋ね者の渡世人・星越の瀧蔵は、身売りされようとした娘を助けた為に、自分の身も危うくなり、その危機を逃れる為身を隠すが、かくまってくれたのは、かって恩義をかけてやった板前とその女房のお吉だった。やがて今度はお吉たちを助けるために悪者達と戦った瀧蔵だが、お吉の老父が瀧蔵の召し取りに執念を燃やす目明かしと知ると…。(パッケージ裏の紹介文より引用)
この映画には上図に載っている人物の他にも、駆け落ちしてきた男女や仇敵を探す講釈師、ひょうきんな駕篭掻きの二人組など様々な人物が登場し、さながらグランドホテル形式の如き様相を呈しています。ただ、彼らは本筋とはあまり関係がないので人物関係図からはバッサリとカットさせていただきました。
さて、本作の中味についてですが、星越の瀧蔵と目明かしの伍助が酒を酌み交わすシーンで涙腺が緩んでしまいました。
ネタバレ防止のために詳細は言えませんが、話に出てきた子供とは誰のことか、察しのいい人ならすぐにわかるし、それをわかった上で二人の会話を聞いていると…おっといけねえ、これ以上は言えませんわ。
あらすじ…竜女のハニートラップに引っかかった万戸将軍は宝珠を奪われてしまう。それを知った中臣鎌足は、宝珠を取り戻すべく策を練る。
中臣鎌足は一般人に変装し、房崎の浦に行き、そこの海女と男女の関係(というより結婚か)になって子供をもうけます。「三年になるは程もなし」(P35)とあり、女を口説いて結婚し、一子をもうけるとなるとそのくらいはかかってもおかしくはありませんな。
でもちょっと待てよ。鎌足よ、お前は大織冠、つまり政府要人だろう? 政府の仕事を3年もほったらかしていいのか?
とはいえ、よくよく考えてみれば、この作品では鎌足は長女は天皇に嫁ぎ、次女は唐の皇帝に嫁いでいるというスーパー外戚だから、そのくらいのわがままをしても咎められることはないか。
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舞の本「大織冠」(1)
【参考文献】
『舞の本 新日本古典文学大系59』岩波書店
あらすじ…蘇我入鹿を殺した中臣鎌足は大織冠の位を授けられた。鎌足の次女・紅白女は唐の皇帝に嫁ぎ、紅白女は無価宝珠などの宝を興福寺に寄進しようとするが、八大竜王がその宝珠を奪おうと画策する。
この作品では鎌足の別名が不比等となっている(不比等は鎌足の息子)など、史実と食い違う点がいくつも見受けられますが、とりあえずそれには目くじらを立てないで、本書の記述に従って話を進めます。
さて、八大竜王は宝珠を乗せた船に波風を送るものの仏のパワーで鎮められ(P21)、次いで阿修羅の軍団を使って宝珠を強奪しようとします(P21-26)。「修羅は猛き者なれば、頼ふでみん」(P21)とあるので、阿修羅はこの場合、傭兵のようなものです。
尚、輸送を担当する万戸将軍と阿修羅の戦いはファンタジーの要素が強く、それはそれで面白いのですが、ここでは取り上げないことにします。
万戸将軍と兵士たちの奮戦により阿修羅軍団は撃退されたので、八大竜王は次の一手を打ちます。即ち、竜女を送って宝珠をだまし取ろうというのです(P27-33)。いわゆるハニートラップですね。
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舞の本「大織冠」(2)
【参考文献】
『舞の本 新日本古典文学大系59』岩波書店
あらすじ…中臣鎌足は蘇我入鹿を殺そうと付け狙うが、警戒が厳重で隙がない。そこで美女を嫁がせて油断させようとするが…。
この「入鹿」が物語の途中で蘇我入鹿が語るという形式で「竜王と還王」の話が挿入されています。ですので、通例作る人物関係図を二種類用意してみました。
これを見ると、蘇我入鹿は妻が鎌足の実子ではなく養女だということを知っているようです。まあ、大臣クラスの権力者ともなれば、結婚相手の身元調査くらい事前にやっているはずですからね。
【参考文献】
『舞の本 新日本古典文学大系59』岩波書店
東京23区の「おさぼり」スポットを紹介したもの。そういえば旧前田侯爵邸洋館(P154)なんて随分昔に行きましたっけ。
ちなみに、本書発行は2009年ですが、これを書いている時点(2014年)で既になくなっているスポットがあります。例えば電力館(P80)がそれで、私が把握していないものも含めて他にもあることでしょう。
そういうケースに遭遇した場合にはどうすればいいのか? 一つの回答として近くの別のおさぼりスポットへ行くことが考えられます。その際にまずは本書P157-171の地図をチェックするべし。
【参考文献】
『東京おさぼり帳』メディアバル
あらすじ…魔界<自殺者の森>に住む超絶美貌の魔王、魁偉公子シトリ。旅の道中彼が拾ったのは、魔法のリボンで体をがんじがらめにされた巨大な狼。シトリは北方の神々に封じられたその危険な魔物フェンリルを「愛玩物」として飼うことに決めたのだが!?(裏表紙の紹介文より引用)
まず最初に断わっておきます。エロ(それも男色)描写注意。
シトリが飼い主でフェンリルがペットという主従関係ならば、シトリが攻めでフェンリルが受けなのかなと思ったら違いました。エピソード1のベッドシーンを読んでみると、最初こそシトリがリードしていたものの、本番行為の段階ではフェンリルの方が挿入していました。
シトリは受けの方が好きなのか、あるいはフェンリルの尻を開発するのが面倒だったのか、ノンケの私にはよくわかりませんな。
【参考文献】
七穂美也子『悪魔様のお気に入り』集英社
あらすじ…反米デモの夜、ストックホルムの市バスで八人が銃殺された。大量殺人事件。被害者の中には、右手に拳銃を握りしめた殺人捜査課の刑事が。(中略)捜査官による被害者一人一人をめぐる、地道な聞き込み捜査が始まる――。(裏表紙の紹介文より引用)
映画「マシンガン・パニック 笑う警官」の原作小説というので読んでみました。で、読んでみると「マシンガン・パニック 笑う警官」は色々と換骨奪胎されていることがわかりました。どこがどう違うのかは列挙しませんが、この地味な作風をアメリカで映画化する際にカーチェイスのシーンを追加するなどして派手派手しく作り変えたのは確かです。
それから、人物関係図を作ろうと思いましたが、やめました。というのは、この作品では地道な捜査を重ねて数多くの人物を探り当て遂には犯人に至るという手法を取っているため、人物関係図を作ると犯人がわかってしまいかねないからです。
さすがに犯人バレは避けなければ。
いつの間にか渋谷に新しいスポットができていました。渋谷ちかみちラウンジというのだそうですが、この色遣いが何とも私には…。
まあ、地下道の方は機会があったら利用させてもらいます。特に夏場は、下手に地上に出ると熱中症になりますからな。
P27に能年玲奈(女優)のインタビュー記事が載っています。
で、この娘の顔をよく見ると、唇がちょっと分厚いのに気付きました。
え? インタビューの内容? えーと、その…あれだ、「秘密です!」。
夏休みに子供が出かけるような場所・イベントのガイドブック。もちろん博物館(P5-6)や美術館(P8)など大人だけで行ってもいい施設も紹介されています。
ところで、P16にミニペーパークラフトがあったので作ってみました。
子供向けなのでペーパークラフトとしての難易度は低いのですが、私はこういうのには慣れていないので20分くらいかかりました。
本書を読み終えた後、
「今はどうなんだろう?」
と考えました。
TPP(環太平洋パートナーシップ)交渉など、日米間に経済摩擦がないわけではないが、その重要性は当時と較べて低下しているように感じます。
何しろ、現在では中国が台頭していますからね。本書ではNICs(新興工業国)の台頭とその影響に言及した箇所がありましたが、現在の中国は経済規模からしてその比ではないし、又、中国の覇権主義も見逃してはなりません。
アメリカにしてみれば、今は日米よりも米中のほうが厄介ですぜ。
【参考文献】
船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店
【目次】
日米経済摩擦(1)
日米経済摩擦(2)
日米経済摩擦(3)
日米経済摩擦(4)
日米経済摩擦(5)
日米経済摩擦(6)
日米経済摩擦(7)
第2部の後半(2 何が議会に起こったか ――「対日報復」のダイナミックス――)ではアメリカの議会での動きを綴っています。
この部分を読んでふと気付いたことがあります。なるほど、アメリカ議会の動きはわかった、それじゃあ日本の議会(国会)は何をしてたんだ?
第1部ではプレイヤーとして国会議員の名が多数登場していましたが、少なくとも本書において彼らは国会での活動よりも自民党内での活動ばかりが描写されます。
当時の国会の重要性って、その程度にしか見られていなかったんですかねえ。
【参考文献】
船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店
【目次】
日米経済摩擦(1)
日米経済摩擦(2)
日米経済摩擦(3)
日米経済摩擦(4)
日米経済摩擦(5)
日米経済摩擦(6)
日米経済摩擦(7)
第2部の前半(1 友好と摩擦のあいだ ――日米首脳会談「成功」のシナリオ――)ではアメリカ政府内部でいかにして対日経済政策が決められて行ったのかが述べられています。
大まかに言うと、対日経済政策をめぐる米政府内の「登場人物関係」(actor relationship)は、(1)財務省対USTR、(2)商務省対USTR、(3)商務省対国務省(※)、(4)商務省・USTR対国務省・財務省、(5)大統領対官僚――に分けることができる。(P79)
これを図に表わすと以下の通り。
各省長官の縄張り争い・主導権争いが垣間見えます。
※P82では「商務省・USTR対国務省」となっており、説明文でもUSTRが出てくることから図ではP82の記述に従った。
【参考文献】
船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店
【目次】
日米経済摩擦(1)
日米経済摩擦(2)
日米経済摩擦(3)
日米経済摩擦(4)
日米経済摩擦(5)
日米経済摩擦(6)
日米経済摩擦(7)
第1部の後半(2 “火消し役”の思惑と機能 ――「江崎調査会」に見る日本的対応――)では江崎調査会(正式名称:自民党国際経済対策特別調査会、会長:江崎真澄)について述べています。
この江崎調査会の働きをまとめると以下の通り。
アメリカからの「外圧」を受け、それに「譲歩」すべく改革しようとすると、それによって既得権益を侵害されることになる業界が出てきます。そこでその業界団体の意向を受けた族議員が改革に反対します。
ここで江崎調査会の登場です。江崎調査会では彼らの反対を火消し・ガス抜きするのです。
調査会においては何よりも「和」と「全会一致のコンセンサス」が重んじられる。その際「必ず問題のある人を入れる。それをよけて通ると、疎外感を持ち反発する」(江崎氏)からである。「何でも相談がけること」(同)が大切である。貿易摩擦のイシューが変われば、「問題議員」を新たに入れ直すという形で、個人的な「相談がけ」をはかり、同時に政調会に連なる有力部会の部会長を加え、党として組織的な「相談がけ」を怠らないようにしている。そして、こうした「問題議員」の不満を爆発させる場を意識的につくり、計算された「ガス抜き」をする。(P53)
「ガス抜き」の際には灰皿が飛ぶんですね、きっと。
【参考文献】
船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店
【目次】
日米経済摩擦(1)
日米経済摩擦(2)
日米経済摩擦(3)
日米経済摩擦(4)
日米経済摩擦(5)
日米経済摩擦(6)
日米経済摩擦(7)
第1部の前半(1 複合貿易摩擦とは何か ――「総合経済対策」が決まるまで――)は、1983年10月21日に日本政府が決定した「総合経済対策」がいかにして成立したのかを述べています。
まずは中曽根首相(当時)の指示を受けて五省庁(経済企画庁、大蔵省、通産省、外務省、農林水産省)の官僚が集まって案文を作るのですが、各省庁の利害が対立してしまい「両論併記」だらけに。
P14~17にその例が引用されているのですが、それを読んでみると「お前は一体何を言ってるんだ?」と突っ込みを入れたくなります。
まあ、ちゃんとした(意見集約できるという意味での)取りまとめ役がいなければこんなものでしょうかね。
【参考文献】
船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店
【目次】
日米経済摩擦(1)
日米経済摩擦(2)
日米経済摩擦(3)
日米経済摩擦(4)
日米経済摩擦(5)
日米経済摩擦(6)
日米経済摩擦(7)
1980年代のレーガン政権時代の日米経済摩擦を取り扱った本。第1部(I 解剖―日本の政策決定)では日本、第2部(II 解剖―アメリカの政策決定)ではアメリカを描き、第3部(III 三大摩擦の構図)では自動車・コメ・通貨の問題を取り上げています。
さて、日米経済摩擦といえば、アメリカ政府が市場開放などの要求を出す「外圧」と、それに対して日本政府が「譲歩」するという構図が有名ですが、「はじめに」によると本書発行時点(1987年)で既に下記の様相を呈しています。
日米経済摩擦に伴う「外圧―譲歩」の悪循環は、すでに「外圧―譲歩」ファティーグ(疲れ)とも言うべき現象をもたらしており、このままでは双方のナショナリズムの衝突を引き起こしかねない。(P6)
この「外圧―譲歩」ってのは90年代も続くんですよねえ。クリントン政権時代にはスーパー301条なんてものがありましたっけ。
長くなってきたので続きは次回。
【参考文献】
船橋洋一『日米経済摩擦 ―その舞台裏―』岩波書店
【目次】
日米経済摩擦(1)
日米経済摩擦(2)
日米経済摩擦(3)
日米経済摩擦(4)
日米経済摩擦(5)
日米経済摩擦(6)
日米経済摩擦(7)
古代から現代に至るまで、東北は中央政権に蹂躙され、富と魂を奪われ続けてきた、と主張しています。被害者意識が強いです。
ちなみに、本書は歴史について述べたものですが、以下のようなことがサラリと書いてあったりするのでご注意を。
文明の発祥地とされるシュメールには、神様だった竜がある時点から悪魔にすり替わったという伝説がある。エイリアンの中に対立する二大勢力があったことがこの伝説から読み取れる。対立するエイリアン同士の戦いがシュメールの地で起きたので、こうした伝説が生まれたに違いない。(P28)
神話や伝説には歴史的事件が反映されているという考えは珍しくありませんが、そこにエイリアンが介在していたとなると、オカルティズムの領域です。
【参考文献】
高橋克彦『東北・蝦夷の魂』現代書館
表紙を飾るのはメタボゴジラ。映画の大ヒット及び次回作製作決定おめでとうございます。
THE KING IS BACK
(王は帰還した)
GODZILLA COMES HOME TO TERRORIZE A NEW GENERATION
(新世代に恐怖をもたらすためにゴジラは戻ってきた)
P10-11にゴジラの記事があるのですが、その記事のタイトルは"THE LIZARD KING"、トカゲの王…?
尚、記事を読むと宝田明が80歳だというのがわかりました。
あらすじ…島左近が毒殺の名手・玄斎に徳川家康の暗殺を依頼する。
島左近は武田信玄毒殺の現場に偶然居合わせ、しかも下手人(玄斎)を捕らえてみれば自分の乳母の子。何という御都合主義!
それはさておき、本作の醍醐味は玄斎が「いつ」「どうやって」徳川家康を殺すかということです。家康も玄斎が自分の命を狙っていることを知って警戒しており、それをいかにしてかいくぐるか…。
ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、心理的なトリックも駆使しておりなかなか面白いですな。
【参考文献】
井沢元彦『暗鬼』新潮社
あらすじ…大坂夏の陣後、一人の蒔絵師が高台院、つまり秀吉の糟糠の妻ねねの執念、魔性に接して驚愕する(P310, 巻末の「解説」より)
高台院の語りが実に長い。で、その長い語りを読んでいて、「あ、これは正気を失っているな」と感じました。
物語のクライマックスで高台院が豊臣秀吉の骨(と思しきもの)を使ってアレな行為をしているので、彼女が正気を失っているのは誰の目にも明らかですが、そのくだりがなくても彼女の狂気を感じ取ることができるはずです。
【参考文献】
井沢元彦『暗鬼』新潮社
あらすじ…太閤秀吉の死後十六年、家康が豊臣家の叩き潰しをはかっていた頃、大坂城内で徳川家との融和政策を打ち出した片桐且元が抜け穴をくぐって大坂城を脱出する(P309, 巻末の「解説」より)
大坂城だって抜け穴くらいあったとしてもおかしくはありません。
しかし、あのように大軍で取り囲まれていて援軍もないという状況下では、落城時に抜け穴を使って脱出しても周囲は敵だらけ。遅かれ早かれ捕まっていたんじゃないでしょうか。
【参考文献】
井沢元彦『暗鬼』新潮社
あらすじ…慶長三年(一五九八)、六十二歳を迎えた秀吉は、迫りくる死の影におびえていた。長寿を願った彼は、不老不死の秘法をきわめたとされる果心居士を探し出してくるように命じる。果心居士の弟子白童子は、若狭武田氏の重臣の子であったが、秀吉のために主家を滅ぼされ、何とか秀吉に一矢を報いたいと思っていた。(P309, 巻末の「解説」より)
某太閤立志伝では「奈良のNEET」とも呼ばれる果心居士ですが、ここでは修験者という職業に就いています。とはいえ、彼のやっていることは幻影を見せて惑わせたり若返りの薬を出したりと、修験者というより仙人に近い。
【参考文献】
井沢元彦『暗鬼』新潮社
【関連記事】
小泉八雲「果心居士のはなし」
あらすじ…豊臣秀吉が小田原城を包囲していた。その頃、伊達政宗は秀吉に恭順するか抗戦するかで迷っていた。
あらすじの段で「恭順するか抗戦するかで迷っていた」と書きましたが、その件は物語の中で早々に恭順と決まり、保春院・小次郎問題という「後顧の憂い」をいかにして断つかに頭を悩ませることになります。
ただ単に小次郎を粛清すればいいのかというと、ことはそう単純ではないからです。
「考えてもみよ、わしが何の理由もなく小次郎を殺せば、母上が黙っておらぬ」
政宗は溜息をついた。(P159)
具体的にどこがどう厄介なのかは面倒くさいので省略。説明するのも厄介です。
【参考文献】
井沢元彦『暗鬼』新潮社
あらすじ…本能寺の変を起こした明智光秀は密書を持たせた密使を毛利方へ送ろうとするが、そのミッシは羽柴秀吉方に捕えられてしまう。密書は暗号文で書かれており、黒田官兵衛が解読に取り組む。
黒田官兵衛は暗号の解読に取り組むものの、うまく行きません。そんな時に…。
「そうじゃ、安国寺に相談してみてはどうか」 秀吉は膝を叩いて言った。 「それはよき御思案」 官兵衛は救われた思いだった。(P106)
ちょっと待て。安国寺恵瓊は毛利の外交官だぞ。そんな人物に暗号文を見せてしまえば、それが毛利方へ伝わってしまいますぞ。
【参考文献】
井沢元彦『暗鬼』新潮社
あらすじ…徳川家康の妻が、子を生んだ。今川義元の人質だった幼少のころに、家康は子種を絶たれており、生まれるはずのない子だった。しかも、妻は義元の情人だったことがある、という噂も囁かれている――家康のわが子への憎しみは、年月とともに大きく膨れあがり、遂には、見事な若武者に育った信康を自刃に追い込むのだが……。(裏表紙の紹介文より引用)
徳川家康が幼少期に子種を絶たれたのなら、後年の子沢山は一体どうやって説明するのだろうか…と思ったら、最後にどんでん返しがありました。それなら筋は通るか。
【参考文献】
井沢元彦『暗鬼』新潮社
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