古山高麗雄「北朝鮮を訪ねた」
あらすじ…北朝鮮を訪ねた。
1995年の北朝鮮訪問を綴ったエッセイ。著者は出生地の新義州へどうにかして行こうとしています。
それはさておき、1995年といえば日本では阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が起こった年です。
さすがにこの頃には「北朝鮮は地上の楽園」だと本気で信じている人はいなくなっており(信じているフリをしている人ならいるかもしれませんが)、本作でも楽園だと描写してはいません。
ただし、著者はこのように書いて「逃げ」を打っています。
なにしろ、この国では、見せたいものと見られてもいいものしか見せないのだから、私たちには何もわからないのである。北朝鮮に関する本が、いろいろと出ているが、それらを読んでも、どこまでが悪意なのか、誇張なのか、あるいは嘘なのか、私にはよくわからないのである。(P317)
公開されている情報を分析すればわかることだってあるし(※)、現地に赴けば北朝鮮が隠そうとしても隠しきれない部分だって(見ようと思えば)見えてくるんじゃないでしょうか。
※例えば葬儀の参列者名簿をチェックして、権力者たちの序列を確認したりできます。
【参考文献】
古山高麗雄『妻の部屋 遺作十二篇』文藝春秋
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