泉鏡花「凱旋祭」
あらすじ…1895年、巽公園で戦争の勝利を祝う凱旋祭が開催される。
ここでいう戦争とは日清戦争(1894~1895年)のことであり、生首提灯に弁髪がついているのはそれが清国兵の首を擬しているからです。
ただし、本作の記述を真に受けてしまう読者が万に一つもいるかもしれないので念の為に言っておくと、巻末の「解説」に「全体の記述が実景に即しているとは到底考えられない」(P276)とある通り、生首提灯も泉鏡花の幻視の一つです。
そんなことを考えながら生首提灯のイラストを描いてみると、何だか妖怪の一種に見えてこなくもない。
【参考文献】
泉鏡花『外科室・海城発電 他五篇』岩波書店
【日清戦争関連記事】
献木紀念楠の碑(小動神社)
征清従軍紀念碑(喜多見氷川神社)
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