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Metro Walker[メトロウォーカー]2014 Summer 夏号

 何!? 太田記念美術館で江戸妖怪大図鑑(7/1~9/25)だと!?(P07)
 この催しを発見した時に、他の記事は吹っ飛んでしまいました。すいませんねえ、妖怪好きなもので…。
 そういえば太田記念美術館には今まで行ったことがありませんでしたな。いい機会だから行ってみるか。

Metro Walke 2014 Summer 夏号

はとバス 2014.6→9

 はとバスのパンフレット。
 P37-43に東京スカイツリーのコーナーが設けられており、現段階では東京スカイツリーがそれだけ大きな観光スポットになっていることがわかります。そういえば表紙を飾るのも東京スカイツリーですな。
 かく言う私も東京スカイツリーへは行ったことがあります。展望台へは上らなかったものの、すみだ水族館でチンアナゴを見てきましたっけ。

はとバス

林不忘「雪の初午」

あらすじ…雪の夜、釘抜藤吉と勘弁勘次が江戸中の目ぼしい稲荷社を参拝し、自宅へ帰ろうとすると死体を発見する。

 藤吉と勘次が巡った稲荷社を少しばかり調べてみたら、数もさることながら結構広範であることが分かりました。

地図

 赤で囲った区が、作品中に出てくる稲荷社のあるところです。夜中、それも雪道という悪条件下で、たった一晩で巡るとは驚きです。
 念の為に言っておきますが、よい子のみんなはマネしないように。江戸時代の、殊に頑丈な人たちだからこそできたことです。

【補足】
 作品中に出てくる稲荷社は以下の通り。

・日本橋四日市の翁稲荷:中央区日本橋
・王子金輪寺の稲荷:北区岸町
・烏森稲荷:目黒区上目黒
・八官町の穀豊稲荷:大田区大森北
・杉の森稲荷:中央区日本橋堀留町
・鉄砲州の隅の稲荷(鉄砲洲稲荷神社?):中央区湊
・浮世小路の福徳稲荷:中央区日本橋室町
・本銀町一丁目の白旗稲荷:中央区日本橋石町
・柳原の柳稲荷(柳原稲荷神社?):足立区柳原
・駿河台の太田姫稲荷:千代田区神田駿河台
・湯島の妻恋稲荷(妻恋神社):文京区湯島
・上野下の穴の稲荷(花園稲荷神社):台東区上野公園
・八軒寺本法寺の熊が谷稲荷(熊谷稲荷):台東区寿町
・浅草寺の地主神で西の宮稲荷(西宮稲荷):台東区浅草
・田町の袖すり稲荷(浅草旧町の袖摺稲荷)台東区浅草
・谷中の三崎稲荷(三崎稲荷神社):千代田区三崎町
・三囲り稲荷(三囲神社):墨田区向島
・真崎稲荷:荒川区南千住
・玉姫稲荷(玉姫稲荷神社):台東区清川
・新吉原の九郎助稲荷(九郎助稲荷社):台東区千束

 

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「怨霊首人形」

あらすじ…桔梗屋の軒先の竹に男の生首が突き刺さっているのが発見された。釘抜藤吉が捜査に乗り出す。

「怨霊首人形」人物関係図

 人物関係図を見ると被害者の見当がついてしまいますが、それでもまだ犯人探しが残っています。とはいえ、犯人も結構わかりやすいんですよねえ…。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「お茶漬け音頭」

あらすじ…不思議な小唄を歌う狂女・お艶が江戸の評判となっていた。小唄でネタにされた近江屋は困ってしまい…。

「お茶漬け音頭」人物関係図

「あれ見しゃんせ。この近江屋さんは妾の店で御座んす――」
 言いかけたお艶の顔を、藤吉は笠を撥ね上げて凝然と見据えた。
(P152)

 さすがは釘抜藤吉、犯罪の臭いを嗅ぎ取っているようです。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「宇治の茶箱」

あらすじ…早朝、釘抜藤吉のもとへ仙太郎という男が駆け込んでくる。葉茶屋徳撰こと徳村撰十が首を吊ったのだという。

「宇治の茶箱」人物関係図

 「のの字の刀痕」と同様、一見すると自殺のようだが実は…というもの。
 そりゃあ、ただの自殺でカタが着いたのでは捕物帳に入るわけがありませんからな。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「影人形」

あらすじ…芸人の大石武右衛門が殺された。その時たまたま居合わせた釘抜藤吉が捜査に乗り出す。

「影人形」人物関係図

 物語を読み進める上で注意しなければならない点を二つ挙げておきます。
 一つは席主の幸七が途中でなぜか幸吉に改名されているということです。紛らわしいですが幸七と幸吉は同一人物です。
 もう一つは釘抜藤吉と同名の人物(藤吉)が登場するということです。ですので、ここでは目明かしの藤吉を釘抜藤吉、色物席の藤吉を出方の藤吉と表記します。

 さて、出方の藤吉は障子に映った怪しい人影を目撃するわけですが、本作品のタイトル(「影人形」)がこの影の正体をネタバラシしてくれています。又、それにより犯人を当てるのも容易になっています。
 さすがにこのタイトルはまずいということですな。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「悲願百両」

あらすじ…風の強い夜、石揚げ場の番小屋へ久住希十郎が「竜の手」を持って訪れる。竜の手は三つの願い事をかなえてくれるのだという。

「悲願百両」人物関係図

 W・W・ジェイコブズ「猿の手」の翻案。そのためかあらぬか、釘抜藤吉は空気キャラになっています(「猿の手」には釘抜藤吉に相当する人物は出てこない)。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「宙に浮く屍骸」

あらすじ…旅籠「鍋屋」の女主人・お美野が殺された。宿泊客で第一発見者の初太郎によると、お美野の死体が吊るされて、しかも引き上げられていたという。

「宙に浮く屍骸」人物関係図

 犯行のトリックがわかる前から犯人がわかってしまいました。又、トリック自体もそれほど難しいものではないので、犯人の目星がついてしまえばそっちの方もわかってしまうのではないでしょうか。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「無明の夜」

あらすじ…嵐の夜、釘抜藤吉らが土佐犬に連れられて駆けつけると、高利貸しの老人が殺されていた。

「無明の夜」人物関係図

 土佐犬の甚右衛門が大活躍しますが、実は…というどんでん返しが妙味の作品。推理モノはこれくらいヒネリが利いていた方が面白い。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「巷説蒲鉾供養」

あらすじ…江戸では女性が神隠しに遭う事件が続発していた。そんなある日、葬式彦兵衛は人間の肉片を拾う。

 物語の途中で蒲鉾(かまぼこ)の老舗・磯屋平兵衛が登場し、「他でもない、あれからめっきり蒲鉾の味が好くなって」(P182)の一文を読んだ時に、私は映画「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」を想起しました。
 ともあれ、釘抜藤吉シリーズの中でも猟奇趣味の強い作品となっています。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「三つの足跡」

あらすじ…味噌問屋の八州屋の女隠居が失踪していたが、今度は主人の孫右衛門が惨殺された。知らせを受けた釘抜藤吉は現場へ駆け付ける。

 シャーロック・ホームズばりに足跡を探ります。
 雨が降った直後という、足跡の着きやすい状態だからできたことですな。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「梅雨に咲く雨」

あらすじ…下っ引きの葬式彦兵衛は森の中で女性の惨殺死体を見つける。親分の釘抜藤吉が捜査に乗り出す。

 当初は被害者の女性を中心に据えた人物関係図でも作ろうかと思ったのですが、犯人がわかりやすくなってしまうので作成を諦めました。
 ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、動機の線は難しいものではありません。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「怪談抜地獄」

あらすじ…ある日、釘抜藤吉は髪床の甚八から、蔵前人形問屋の若主人・清水屋伝二郎が体験した怪事件の話を聞く。

「怪談抜地獄」人物関係図

 甚八の話では怪談仕立てになっていますが、探偵(ここでは藤吉)の手にかかれば怪談を装った犯罪だと証明されます。
 尚、伝二郎から財布を掏った女と大須賀源内がグルだってことは感付きました。偶然の出会いに見せかけて実は周到に仕組んだ罠だった…というのは詐欺でよく使われる手口ですからね。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

林不忘「のの字の刀痕」

あらすじ…長屋で死体が発見される。状況から自殺と判断されるが、不審を抱いた勘弁勘次は親分の釘抜藤吉に相談する。

「のの字の刀痕」人物関係図

 死体の身許は服装からお御輿栄太と判断されます。というのは、死体の顔面は熱湯を浴びていて判別が付かなかったからです。
 …ん? 顔が判別できない? そういう場合、すり替えのトリックが行われたと見るのが妥当です。

【参考文献】
林不忘『林不忘探偵小説選』論争社

カミュ「転落」

あらすじ…パリでの弁護士生活を捨て、暗い運河の町・アムステルダムに堕ちてきた男、クラマンス。彼の告白を通して、現代における「裁き」の是非を問う(裏表紙の紹介文より引用)

カミュ「転落」

 クラマンスの話を読んでいて、こいつの話はどこまで信じてよいものやら…と、ある種の胡散臭さを感じずにはいられませんでした。
 ただしクラマンス自身も聞き手(あるいは読者)がそう思うのは心得ているらしく、こんなセリフを述べています。

あなたはこう思っていらっしゃるんでしょう。どうもこの男の話すことは本当か嘘か見分けがつかないってね。白状すれば、おっしゃる通りですよ。(引用頁亡失)

 告白者がこのような有様ですので、読み手としては彼の告白を素直に受け取るわけにはいかない。だから読み進めるのは結構疲れます。
 ところで、「裁き」の是非についてですが、本記事では取り上げるのを避けます。これについて云々するとなると、キリスト教の神学や現代性について長広舌を振るわないといけないからです。
 ただ、少しだけ触れておくとすれば、ニーチェは「神は死んだ」と言いましたが、この「転落」はそれより更に進んで神が不在である世界のようです。
 聖書に書かれている神が存在するのならば神こそが裁き手になりますが、神が不在ならば誰が裁くのか? …おっと、神学論争に入り込みそうなのでこれくらいで止めておきます。

【参考文献】
カミュ『転落・追放と王国』新潮社

遊星からの物体X ファーストコンタクト(2011年、米加)

監督:マティス・ヴァン・ヘイニンゲンJr.
出演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョエル・エドガートン、ウルリク・トムセン
原作:J・W・キャンベルJr.「遊星からの物体X」
原題:The Thing
備考:SFホラー

あらすじ…1982年、ノルウェーの南極観測隊が宇宙船と氷漬けのエイリアンを発見する。だが、エイリアンは実は生きていて…。

 原作の小説を読んだことがあったからこそ観賞してみる気になった作品。
 何というか…その…すごくB級テイストです。
 閉ざされた空間の中で誰がエイリアンの擬態なのかわからないという恐怖感はこの映画でも描かれてはいますが、正体を現わしたエイリアンが怪物の如く暴れ回るさまを見せつけられるとB級臭さを感じずにはいられないのです。

遊星からの物体X ファーストコンタクト

サイコ(1960年、アメリカ)

監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー、ヴェラ・マイルズ、ジョン・ギャビン
原作:ロバート・ブロック
原題:Psycho
備考:サスペンス

あらすじ…会社の金を持ち逃げしたマリオンは、逃亡中に泊まったモーテルで殺される。

「サイコ」人物関係図

 ジャネット・リーがシャワールームで惨殺されるシーンがあまりにも有名な映画。
 そのシーンはそれはそれで面白いのですが、既に色々なところで言及されているので、私は別のシーンについて少々述べさせていただきます。

 車で逃走中のマリオン(ジャネット・リー)は警官に職質を受けるのですが、職質を終えて車を発進させると、なんとパトカーがついてくる!
 あのおどろおどろしいBGMが流れる中、マリオンが
(ヤダ…! 私、尾行されてる!?)
 という表情で運転するさまはスリリングです。
 その後、パトカーは別の道へ行き、尾行じゃないとわかってホッとするものの、中古車ディーラーのところで車を買い替えようとすると…。観ているこっちの方もなかなか緊張感を緩めることができない展開が続きます。
 犯罪者としては素人ともいうべきマリオンならば、この展開には神経をすりへらしてしまい、モーテルに着く頃には精神的にボロボロになっていたとしてもおかしくはないでしょう。

【関連記事】
ヒッチコック

サイコ(1960年版)

山村美紗「乳房のない死体」

あらすじ…乳房を鋭利な刃物でえぐられた死体が、宇治川で発見された。被害者の人妻は情事でも、なぜか乳房に触れられるのを拒んでいたという……。(裏表紙の紹介文より引用)

「乳房のない死体」人物関係図

 人物関係図を作ってみると、ドロドロしているという感じがしないでもない。江木は「由美とは、割り切った大人のつきあい」(P226)と言っていますが、それを鵜呑みにはできませんな。
 ちなみに、この事件では乳房が重大な鍵を握るわけですが、それについてはネタバレになりかねないのでこれ以上述べるのはやめておきます。

【参考文献】
山村美紗『乳房のない死体』集英社

山村美紗「甘美な罠」

あらすじ…由加子は正月に一人で平安神宮にお参りしていると、大学の先輩で有名な女性評論家の早川かおりに声をかけられ、そのまま彼女の家へホイホイついて行く。

「甘美な罠」人物関係図

 由加子は早川かおりの家でワインを飲み、つい眠ってしまう。そして目が覚めると自分は裸にされていて、かおりに襲われる…。
 ん? どこかで聞いたような話だな…と思ったら、ゲイビデオ「真夏の夜の淫夢」で野獣先輩が同じような手口を使っていましたな。共通点は以下の通り。
(1)同性の後輩を家に誘い入れる。
(2)同性の後輩に飲み物を与えて眠らせる。
(3)その隙に同性の後輩をレ○プする。

【参考文献】
山村美紗『乳房のない死体』集英社

山村美紗「麻美のB地点」

あらすじ…トルコ嬢のユリが殺され、現金が奪われた。ユリの友人で同じくトルコ嬢の麻美は、刑事から容疑者の身体的特徴を聞く。

「麻美のB地点」人物関係図

 野田は一回目のデートで麻美にプロポーズしています。その時点で「あっ…(察し)」と思いました。その後、野田は新居を購入するという名目で麻美にお金を出させようとしており、こうなると典型的な結婚詐欺の手口ですな。

 それはさておき、最近の若い人は知らないかもしれませんが、本作品に登場する「トルコ風呂」とは今のソープランドのことであり、トルコ嬢とはソープ嬢のことです。

【参考文献】
山村美紗『乳房のない死体』集英社

山村美紗「新幹線プレイ」

あらすじ…とある女性が新幹線で行きずりの男とのセックスを楽しんでいた。だが、その男は実は…。

 映画「エマニエル夫人」ではエマニエル夫人は飛行機の中でズッコンバッコンしていますが、こちらのルネ子(偽名)は新幹線の中でズッコンバッコンしています。
 で、そのセックス描写が物語の前半に長々と綴られるのですが、それを手紙に書いて贈りつけた相手が警察の捜査一課長。それは一体どういう種類の変態プレイなのでしょうか…? う~ん、変態の世界は奥が深いなあ。

【参考文献】
山村美紗『乳房のない死体』集英社

『真説 幕末最強は誰だ!?』一水社

 「幕末という動乱期を駆け抜けた男たちの中から、特に活躍の目立った50名」(P11)を取り上げています。ちなみに表紙を飾っている坂本竜馬はP110-115に登場。
 尚、50名も取り上げるとなると、私もロクに知らないようなマイナーな人物も見受けられます。例えば来島又兵衛(P36)や田中新兵衛(P78)などです。

【追記】
 本書巻末に「幕末『最強の男』は誰だったのか?」(P242-247)と題して考察がなされています。私はその考察に対して色々と突っ込みを入れようかと思ったものの結局やめました。ブログ記事では収まらないくらいの文量になりそうだからです。

【幕末を舞台にした映画】
桜田門外ノ変
半次郎

【参考文献】
『真説 幕末最強は誰だ!?』一水社

カミュ「生い出ずる石」

あらすじ…ヨーロッパ人の技師ダラストはブラジルの森林地帯へとやってきて、そこで原住民の男(コック)と出会う。彼は自らの信仰のために重い石を運ぶのだという。

 ダラストがコックに連れられて、とある大きな家へ行くのですが、そこで行われる宗教的な儀式の描写を読んでいて、映画「黒いオルフェ」にも似たようなシーンがあったのを思い出しました。そういえばどっちも舞台はブラジルでしたな。

 ところで、物語の途中でダラストはコックの代わりに石を運ぶのですが、そのくだりを読んでいて「イエスがゴルゴダの丘へと引き立てられてゆく時に彼の代わりに十字架を運んだ者がいたな」と思い出しました。
 聖書(新旧共同訳)から該当箇所を引用します。

 人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。(「ルカ福音書」第二十三章第二十六節)

 さて、私は本作を読んで二つのことを思い出しましたが、これらを深く掘り下げる気はありません。深入りするにはその方面の宗教の知識が今よりも遥かに必要になってくると感じるからです。

【参考文献】
カミュ『転落・追放と王国』新潮社

カミュ「ヨナ」

あらすじ…画家のジルベール・ヨナは若くして成功を収めるが、それが彼を苦しめる。

「ヨナ」人物関係図

 ヨナといえば『旧約聖書』に登場する預言者ヨナが有名ですが、この短篇作品の冒頭に「ヨナ書」の引用があります。

われを取りて海に投げ入れよ……そはこの大いなる颶風の汝らにのぞめるはわがゆえなるを知ればなり。  ヨナ書第一章第十二節(P266)

 この部分を手許の聖書(新旧共同訳)から引用してみます。

ヨナは彼らに言った。
「わたしの手足を捕らえて海にほうり込むがよい。そうすれば、海は穏やかになる。わたしのせいで、この大嵐があなたたちを見舞ったことは、わたしが知っている。」
(「ヨナ書」第一章第十二節)

 どういう状況でこうなったのか簡単に説明すると、ある時、神がヨナに「ニネベへ行って彼らを悔い改めさせよ」と命じるが、ヨナはいやがって逃げ出す。ヨナは逃亡中に船に乗り込むが、その船が嵐に見舞われてしまう。船に乗っている者たちが「誰のせいでこうなったんだ?」ということでくじ引きをしてみたらヨナが当たってしまう。こういった次第です。
 で、海に放り投げられたヨナはその後も様々な苦難を味わうのですが、それらの詳細については「ヨナ書」およびその注釈書等をお読み下さい。

 ともあれ、預言者ヨナは逃れられぬ運命に翻弄されるのですが、ジルベール・ヨナもある意味で運命に翻弄されているようです。ただしこちらは神の命令ではなく「自分の星」(P266)に導かれてですが。

カミュのヨナ

【参考文献】
カミュ『転落・追放と王国』新潮社

カミュ「客」

あらすじ…小学校の教師ダリュのところへ、老憲兵のバルデュッシがアラビア人の男を連れてやってくる。彼は従弟を殺したのだという。バルデュッシはダリュにこのアラビア人をタンギーの役所へ送り届けるよう命じるが、ダリュは拒否する。しかしそれでもバルデュッシは彼を置いて帰ってしまう。

 なんで小学校の教師に殺人犯の護送をやらせるんだと思ったら、人がいない。バルデュッシ曰く、「エル・アムールに仲間は一ダースしかいない」(P247)、ついでに言えばその小学校にはダリュしかいません。
 過疎ってレベルじゃねーぞ。

【参考文献】
カミュ『転落・追放と王国』新潮社

カミュ「唖者」

あらすじ…樽工場で労働者がストライキを起こすが失敗する。労働者のイヴァールは工場に出勤する。

 タイトルの「唖者」とは、労働者たちが工場主に口をきかないところを指しています。
 賃上げ、もしくは待遇の改善などの成果があればまだしも、イヴァールたちは何も手に入れてはいないのです。
 それじゃあ気まずくもなりますな。工場主のラサール氏と労働者たちの間の気まずい雰囲気を読んでいると、なんだかこっちも気まずくなるようです。

カミュの唖者

【参考文献】
カミュ『転落・追放と王国』新潮社

松本清張「逃亡者」

 作者が松本清張でタイトルが「逃亡者」と来ると、時刻表を駆使したクライムサスペンスか推理小説じゃないかと思うかもしれませんが、あにはからんや、時代小説です。

「逃亡者」人物関係図

 さて、それではこの中でだれが逃亡者なのかというと、細川忠興のもとから逃げ出した稲富直家のことです。又、最後にこんな一文があります。

 技術という特殊な立場に立った直家は、その技術のなかに逃亡して果てたといえる。(P234)

 ちょっと補足しておくと、ここでいう技術とは砲術のことで、直家は鉄砲の名手(稲富流砲術の祖)です。
 ちなみに、上記の登場人物の中で逃亡した者は彼以外にもいます。

 以後の藤孝は隠居して、戦争は子の忠興に殆ど任せきりであった。(中略)ここに藤孝の忠興からの逃鼠があった。(P224)

 彼(引用者註:細川忠興)は於玉の死ではじめて己れがこの女房から逃亡するのを得たのを悟った。しかし、於玉もまたその生涯、性格の合わぬ夫から逃避しつづけていたのであった。(P231)

 だとすると、「逃亡者」は合計で4名になりますな。

【補足】
とう・ざん【逃鼠】にげかくれること。(広辞苑)

【参考文献】
松本清張『軍師の境遇』角川書店

バッド・アス(2012年、アメリカ)

監督:クレイグ・モス
出演:ダニー・トレホ、ロン・パールマン、チャールズ・S・ダットン、ジョイフル・ドレーク、シャリム・オルティス
原題:Bad Ass
備考:アクション、個人的にR15指定

あらすじ…ベトナム戦争の帰還兵で貧しい生活を送るフランク・ベガ。彼はある日、バスで老人にからんでいたチンピラ2人をボコボコにした。その様子が動画共有サイトに投稿され、彼は「バッド・アス」として一躍有名になる。だが、友人のクロンダイクが何者かに殺され…。

 ディスポーザーを使った拷問シーンなどの残虐描写があるため、個人的にR15指定とさせていただきます。「マチェーテ」ほどひどくはありませんが、グロ注意。

 それから、この映画の元ネタになった動画ですが、探してみたらどうやらこちらのようです。
http://youtu.be/z4OnhnvczTk
Epic Beard Man(伝説のヒゲオヤジ)

 本記事は「バッド・アス」をテーマにしているものなので、"Epic Beard Man"について詳しくは述べませんが、このジジイよく見ると結構ガタイがいいぞ。
 体格の良さはダニー・トレホも負けてはいませんし、おまけにあの顔ですからね。いくらショボくれた老人を演じていても、凄味は隠しきれません。

「バッド・アス」人物関係図

 最後に突っ込みどころを一つ。
 友人のクロンダイクを殺されたフランク・ベガは、警察が頼りにならないと見るや独自に捜査を開始し、事件現場で犯人につながる有力な証拠を発見します。
 ちょっと待て。警察はその程度の証拠すら見つけられなかったのか!? いや、そもそも捜そうとすらしなかったのかもしれませんな。

バッド・アス

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座頭市 Remaster(1989年、日本)

監督:勝新太郎
出演:勝新太郎、奥村雄大(鴈龍)、内田裕也、緒方拳、樋口可南子、陣内孝則
原作:子母沢寛
備考:時代劇、2004年デジタルリマスター

あらすじ…座頭市は賭場で荒稼ぎし、そのために五右衛門一家に命を狙われるようになる。ヤクザの親分・赤兵衛はそれを利用して五右衛門を潰そうと企むが…。

「座頭市 Remaster」人物関係図

 五右衛門一家は座頭市に刺客を度々送っていますが、例によって例の如く全て返り討ちに遭っています。
 でもちょっと待てよ。一体どうやってあれだけの戦闘員を短期間で集めたんだ? しかも五右衛門は、宴席で他の親分衆を何人かブッ殺しており、その方面からの出入り(抗争)にも備えなければならないはずなのに…。
 まあ、その辺はあまり深く考えずにアクションシーン(殺陣)を楽しめばいいってことでしょうかね。

公式サイト

ザ・レイド(2011年、インドネシア)

監督:ギャレス・エヴァンス
出演:イコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアン、ジョー・タスリム、ドニー・アラムシャー、レイ・サヘタピー
英題:The Raid
備考:アクション、R-15

あらすじ…麻薬王が根城とするマンションに警察のSWAT部隊が急襲をかける。だが、制圧途中で閉じ込められ、住民たちが部隊に襲いかかる。

 戦闘(グロ描写注意)がこれでもかこれでもかと続きます。戦っていないシーンでも、敵がいつ現われるか(あるいは発見されるか)わからないという緊迫した状況であるため、観ている方もなかなか気を抜けません。
 で、観終わった後はグッタリと疲れてしまいました。連続する緊張感に耐えられるだけの太い神経がないと厳しいです。

ザ・レイド公式サイト

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