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華麗なるギャツビー(2013年、アメリカ)

監督:バズ・ラーマン
出演:レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア、キャリー・マリガン、ジョエル・エドガートン
原題:The Great Gatsby
原作:フィッツジェラルド『華麗なるギャツビー』
備考:恋愛映画

あらすじ…1922年、ニューヨーク。正体不明の富豪ジェイ・ギャツビーは、毎週末に自宅で豪勢なパーティーを開いていた。

 1974年版の「華麗なるギャツビー」でギャツビーを演じていたのはロバート・レッドフォードですが、彼の顔はギャツビーにしては優しすぎるような気がしていました。そもそもギャツビーは自らの才覚と努力(そこには非合法な手段も含む)で下層民から大金持ちに成り上がった人物ですから、野心・野望でギラついたところがあるはずだと思ったからです。
 その点では、今回の映画でギャツビーを演じているディカプリオはかなりいい線を行っている。あのギラギラした感じは狂爛の時代を体現していると言ってよいかもしれません。

【関連記事】
フィッツジェラルド『華麗なるギャツビー』
華麗なるギャツビー(1974年版)

華麗なるギャツビー公式サイト

ヒッチコック(2012年、アメリカ)

監督:サーシャ・ガヴァシ
出演:アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレン、スカーレット・ヨハンソン、ジェシカ・ビール
原題:Hitchcock
原作:スティーヴン・レベロ『アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ』

あらすじ…アルフレッド・ヒッチコックが映画『サイコ』を撮る。

 ヒッチコック作品は「サボタージュ」と「汚名」を観たことがあり、「サイコ」は観賞していないものの犯人の正体については少し知っているという程度でこの映画を観ました。事前に「サイコ」を観ておけばよかったかなと鑑賞中に思いましたが、別に「サイコ」を観ていなくても楽しめる作りになっていたので少し安心しました。

 ところで、映画の中でヒッチコックが窓のブラインドの隙間から覗いたり、夜の寝室で妻の後ろ姿を眺める時の眼差しが、「殺る気満々」に見えて仕方がありませんでした。
 アンソニー・ホプキンスはヒッチコックの持つ「狂気」をうまく表現しているようです。

ヒッチコック

【関連記事】
汚名

ヒッチコック公式サイト

【追記】
 その後、レンタルビデオにて映画「サイコ」を視聴しました。

深沢七郎「東京のプリンスたち」

 男子高校生たちの青春群像劇。尚、彼らは夜中に喫茶店に入り浸ってエルヴィス・プレスリーの曲を聴きまくっており、素行はあんまりよろしくない。
 まあ、「プリンス」にも色々いますからねえ。

【参考文献】
深沢七郎『楢山節考』新潮社

深沢七郎「月のアペニン山」

あらすじ…妻の静江が発狂して精神病院へ入った。やがて彼女は病気が治って退院するが、夫の「私」は離婚の手続きを進める。

 この話のどこに「月のアペニン山」が出るのかというと、以下の通り。

私はドアを隙間のようにあけてその間から、遠い天体を眺めるように、月の光の中のアペニン山脈を見つめるように見る。あの女には愛も抱いていないけれども憎しみもないのである。生きている静江を前にして死んだ人の写真でも見るような冷い目で私は眺めているのだ。(P30)

 主人公は「冷い目」をしている割には何とかして妻とは会わずに済ませようとしていて、「頼みますよ頼みますよ」(P31)などと頭を下げているところを見ると、こいつアペニン山脈などと格好つけてはいるが、小心者のビビリだな、と思えてきます。
 あるいは、小心者ゆえに心の平衡を保とうとして敢えて「冷い目」にしたのかもしれません。

【参考文献】
深沢七郎『楢山節考』新潮社

深沢七郎「白鳥の死」

あらすじ…正宗白鳥が死んだ。

 交流のあった人物(正宗白鳥)の死に際して、この小説家(深沢七郎)は「白鳥の死」を書くことで彼なりの弔いをしています。
 小説家がこのような弔い方をするのであれば、マンガ家はマンガを、詩人は詩を、画家は絵を以て弔いと為すのをよしとせねばなりますまい。

【参考文献】
深沢七郎『楢山節考』新潮社

岡野友彦『院政とは何だったか 「権門体制論」を見直す』PHP

 中世の日本で院政がなぜ続いたのかというと、本書によると上皇(もしくは法皇)が莫大な荘園という経済基盤を持っていたためだとのこと。
 上記の点から愚考するに、現代の政治家や経営者で「院政」を行ないたいと思っていらっしゃる方は「荘園」に相当するものを確保すればいいし、あるいは老害の院政を停止したいと思っていらっしゃる方は「荘園の不行知化」をやればいいんじゃないでしょうか。
 …え? 何を言ってるのかよくわからない? それでしたらまずは本書をお読み下さい。

【参考文献】
岡野友彦『院政とは何だったか 「権門体制論」を見直す』PHP

アガサ・クリスティー「イタリア貴族殺害事件」

あらすじ…フォスカティーニ伯爵が殺された。現場に駆け付けたポアロは推理する。

「イタリア貴族殺害事件」人物関係図

 ホーカー博士がポアロ宅に滞在している時に家政婦のライダー嬢が急を知らせ、ホーカーとポアロが一緒にフォスカティーニ伯爵のもとへ急行すると彼は殺されていたという次第。
 うまい具合に犯罪が転がり込んできた格好ですが(あと数時間ずれていたらこうはならなかったろう!)、この程度のご都合主義ならばポアロにはよくあることです。何しろ彼は、飛行機に乗れば殺人事件に遭遇し(『雲をつかむ死』)、急行列車に乗れば殺人事件に遭遇し(『オリエント急行の殺人』)、ナイル川を旅行すれば殺人事件に遭遇する(『ナイルに死す』)という、「凶運」の持ち主なのですから。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『ポアロ登場』早川書房

アガサ・クリスティー「ダヴンハイム失踪事件」

あらすじ…ダヴンハイム・サモン銀行の頭取ダヴンハイム氏が失踪した。ポアロはジャップ警部から捜査状況を聞きながら推理する。

「ダヴンハイム失踪事件」人物関係図

 人物関係図を作ってみると、登場人物が意外と少ないことがわかります。いえね、少ない方が犯人を当てやすくてありがたいですよ。
 あ、ちなみに園丁やメイドは名前がなく、いわばモブキャラです。彼らは容疑者リストから外してもいいでしょう。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『ポアロ登場』早川書房

虎ノ門ヒルズ

虎ノ門ヒルズ

 現段階では訪れる人が多く混雑しており、飲食店では大行列ができています。ここでメシを食うのは…私なら諦めます。

アガサ・クリスティー「エジプト墳墓の謎」

あらすじ…古代エジプト王国の古墳の発掘調査に関わっていた人物が次々と死に、世間では呪いではないかと囁かれた。ポアロが一連の死の謎に挑む。

「エジプト墳墓の謎」人物関係図

 短編作品にしては登場人物が多いような気がしますが、発掘調査チームにしては人数が少ないような気もします。例えばウィラード卿やトスウィル博士に助手あるいは秘書がいてもいい。
 まあ、短篇作品だから枝葉末節は削られたのかもしれませんな。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『ポアロ登場』早川書房

アガサ・クリスティー「猟人荘の怪事件」

あらすじ…ポアロがインフルエンザで寝込んでいると、ロジャー・ヘイヴァリングが訪ねてきて同居している叔父が殺された件を調査してほしいと言ってくる。そこでポアロは自分の代わりにヘイスティングスを彼に同行させることにする。

「猟人荘の怪事件」人物関係図

 「猟人」と聞くと何やら猟奇的な感じがしないでもないですが、「猟人荘の怪事件」の原題は"The Mystery of Hunter's Lodge"であり、「猟人」とは"Hunter"(狩人)を和訳したものです。
 なんだ、ハンターだったか。あ、でも、「ハンター荘の怪事件」よりはおどろおどろしくていいか。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『ポアロ登場』早川書房

アガサ・クリスティー「百万ドル債権盗難事件」

あらすじ…ニューヨークへ輸送中の自由公債が船の中から消えた事件の謎をポアロが調査する。

「百万ドル債権盗難事件」人物関係図

 人物関係図を見ると登場人物が少ないことがわかります。そのため、犯人を当てやすいものと思われます(かく言う私も、犯人の予想は当たりました)。
 ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、ヒントとしては特注のトランクを開けることができて、なおかつアリバイのない者と言えば…。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『ポアロ登場』早川書房

アガサ・クリスティー「安アパート事件」

あらすじ…ヘイスティングス大尉はロビンスン夫人からアパートを相場よりもかなり安く借りることができたという話を聞く。翌朝、ヘイスティングスはポアロにその話をする。

 物語の中盤でスパイ事件の様相を呈してきます。少々長くなりますが、ポアロのセリフを一部引用します。

半年ちょっと前のことだが、アメリカ政府のある省から、海軍の軍計画に関する重要書類が盗まれた。これには最も重要な港湾防備施設の位置が示されてあって、外国政府……たとえば、日本政府などにとっては、相当な金を出しても手に入れたいものなんだ。(P83)

 第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に展開された日米のスパイ戦争が、ロンドンに飛び火した格好です。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『ポアロ登場』早川書房

アガサ・クリスティー「マースドン荘の惨劇」

あらすじ…エルキュール・ポアロは保険会社からモールトレイヴァーズ氏の死因を調査するよう依頼を受け、ヘイスティングスと共にマースドン荘へ赴く。

「マースドン荘の惨劇」人物関係図

 モールトレイヴァーズ氏は病死(内出血)と診断されましたが、保険会社は自殺ではないかと疑い、ポアロに調査を依頼した次第です。
 しかしながら、ポアロ級の名探偵が乗り出してくるとなると、ただの病死やただの自殺でカタがつくわけがありません。そう、名探偵が対処するにふさわしい謎と推理がなければならないし、読者だってそれを求めているのです。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『ポアロ登場』早川書房

アガサ・クリスティー「<西部の星>盗難事件」

あらすじ…有名な女優マーヴェルは、自分の買い求めたダイヤモンドにまつわるロマンティックな物語を知り、しかもそれが何者かに狙われているとの手紙を受け取った。依頼を受けたポアロの灰色の脳細胞は、ダイヤにまつわる因縁話の裏に潜む秘密をみごとに看破する。(裏表紙の紹介文より引用)

「<西部の星>盗難事件」人物関係図

 この作品の冒頭で、ヘイスティングスとポアロが外の人物を観察して推理するくだりは、シャーロック・ホームズをほうふつとさせます。
 とはいえ、ヘイスティングスの(観察はともかく)推理は大外れであり、ポアロのかませ犬じゃないかと思うくらいひどい。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『ポアロ登場』早川書房

小林泰三『日本の国宝、最初はこんな色だった』光文社

 国宝作品をデジタル復元しています。
 例えば東大寺大仏殿の四天王の復元図(P40)を見ると…この中に黒人がいるぞ(持国天の肌が黒く塗られている)。

 ところで、私もデジタル復元に挑戦してみました。といっても、カラフルな仏像や絵画ではなく、モノクロの古文書にしました(私には色彩まで手が回りません)。
 「東寺国宝展」図録に掲載されていた「弘法大師請来目録 伝教大師筆」をスキャンし、最初の三行だけをトリミングしてこれを「復元」しました。

弘法大師請来目録 伝教大師筆(部分)
↑復元前

↓復元後
弘法大師請来目録 伝教大師筆(部分)

 やってみると結構大変で、根気がいる作業が延々続きました。これだけで10時間はかかったんじゃないでしょうか。
 著者(小林泰三氏)のデジタル復元の苦労が少しはわかったような気がします。
 さて、復元作品を改めて見ると、字が上手だということがわかります。空海も能筆ならば最澄も能筆です。

【参考文献】
小林泰三『日本の国宝、最初はこんな色だった』光文社

日本郵便切手商協同組合編『日本切手カタログ2007』

 最初に断わっておくと、私は切手を収集する趣味はないし、その方面の知識さえありません。
 ですので、このカタログに掲載された切手の数々を見ても、「図柄がきれい」「ここ行ったことある」「これを持ってきたか」程度のことしか思い付きません。切手マニアならば製作秘話の一つや二つは出てくるのかもしれませんが、私には無理ですな。

 それはさておき、カタログの巻末に「日本郵便切手商協同組合加盟店一覧」(P276-280)が掲載されており、地域別に数えると以下の通り。

北海道・東北 3
関東 12
東京 54
東海 14
北陸・信越 2
近畿 24
中国 2
四国 3
九州 2

 円グラフにするとこうなります。

円グラフ

 東京が圧倒的すぎることがわかります。日本経済における東京の巨大さが、切手商の世界にも影響してるんじゃないかと思えてきました。

【参考文献】
日本郵便切手商協同組合編『日本切手カタログ2007』

アドルフ・ヒトラー『わが闘争(下)』角川書店(14)

 「第十四章 東方路線か東方政策か」(P340-375)では第十三章に引き続き外交政策について述べていますが、この第十四章をものすごく簡単に要約すると、
「ドイツ民族が繁栄するには新しい土地が必要だ。だから東へ領土を拡大しようぜ!」
 というものです。ここで言う東とは、本章を読む限りでは「ロシアとそれに従属する周辺国家」(P358)を指すものと思われます。
 もちろんヒトラーが力説する領土拡大には武力行使を伴うわけで、後のポーランド侵攻やバルバロッサ作戦を思い起こさずにはいられません。

【参考文献】
アドルフ・ヒトラー『わが闘争(下)』角川書店

『わが闘争』(目次)

アドルフ・ヒトラー『わが闘争(下)』角川書店(13)

 「第十三章 戦後のドイツ同盟政策」(P296-339)ではドイツの外交政策について長々と述べています。南ティロル問題や日英同盟など色々と触れられているし、例によって例の如くユダヤ陰謀論も相変わらず出てきます。
 今回ここで取り上げるのは、外交政策のエッセンスと思しき部分についてです。

 この問題を判断する際われわれがつねに忘れてはならない本質的な原則、主旨は、外交政策もまたただ目的に対する手段に過ぎないこと、そして目的はもっぱらわれわれ自身の民族を振興させるものであること、この二点である。現在あるいは将来においてわが民族に役立つものであるか、あるいは害をもたらすものだろうか? という観点以外のどのような見地からも、けっして外交政策的考慮を行なってはならないのである。(P299)

 外交政策が手段であるとの認識には同意します。
 例えば、北朝鮮が行なっている瀬戸際外交だって、経済援助や経済制裁の緩和を引き出すための手段ですからね、一応。一応、と書いたのは、それがどのくらい有効なのか私には判断しかねるところがあるからです。
 話を戻すと、外交政策が手段であることには同意するけれども、次に述べられた点には疑問符を付けざるをえないのです。
 別に自分が所属する民族が大損こくような政策を行なえと言うつもりはないし、国際社会では実際にそういう観点で外交政策が行なわれていると思われる事例が見受けられます(どこの国とは言いませんが)。
 でも、それっぽっちの観点だけでは、視野狭窄になりはしませんか? 国際協調や地域のパワーバランス、価値観の共有など様々な観点があることをお忘れなく。

【参考文献】
アドルフ・ヒトラー『わが闘争(下)』角川書店

『わが闘争』(目次)

内藤明宏『なぜ中国はこんなにも世界で嫌われるのか』幻冬社(3)

 最後に「なぜ」についても触れておきたいと思います。
 なぜ中国はこんなにも世界で嫌われるのか?
 本書では様々な理由を挙げていますが、ここでは一つだけ取り上げてみることにします。

 多くの中国人が、お話にもならない矛盾だらけの「5秒でばれる嘘(筆者命名)」を平然とつき、おかげで会話に進展が見られず時間と労力を無駄にさせられてきたことは、物事の本質を知ることに執着する筆者が最も軽蔑してきた特徴である。(P39)

 5秒でばれる嘘で想起したのが、天洋食品の毒餃子事件での中国当局の対応ですが、本書P43-44に5秒でばれる嘘の事例としてそのことが載っていました。
 まあ、物事の本質を知ることに執着する人でなくても、商取引などで嘘をつかれたら、嘘をついたやつのことを嫌いになります。

【参考文献】
内藤明宏『なぜ中国はこんなにも世界で嫌われるのか』幻冬社

内藤明宏『なぜ中国はこんなにも世界で嫌われるのか』幻冬社(2)

 前回の記事では「なぜ」について掘り下げませんでしたが(今回も掘り下げません)、その「なぜ」の「回答」は本書の「第一章 中国人の評判」(P15-48)の後半に述べられており、続く「第二章 中国人とは誰のことか?」(P49-96)、「第三章 中国の正体、中国人の本性」(P97-154)では中国および中国人について分析し、「終章 友好論と嫌中論を超えて 新しい日中関係」(P155-199)では中国対策の提言を行なっています。
 その提言では「永遠の隣国とは『大人の関係』を」(P197)と述べています。つまり日中関係はまだガキのレベルってことですか。

【参考文献】
内藤明宏『なぜ中国はこんなにも世界で嫌われるのか』幻冬社

白山神社あじさいまつり

あじさいまつり

 6月7日~6月15日まで開催中。

内藤明宏『なぜ中国はこんなにも世界で嫌われるのか』幻冬社(1)

 中国および中国人は世界でどれほど嫌われているのでしょうか? 本書によると以下の通り。

「モンゴルでは街を歩くこともできない中国人」(P21)
「ベトナムで静かに燃える反中感情」(P22)
「インドネシアで発生した華人虐殺事件」(P23)
「南洋諸国から追い出されてゆく中国人」(P24)
「ニュージーランド人は中国人に土地を売りたくない」(P25)
「イタリアの街が中国人に乗っ取られる?」(P26)
「中国人の排斥に動くロシア」(P28)
「チャイナバッシングを進めるアメリカ」(P28)
「中国移民を拒否するようになったカナダ」(P29)
「アフリカで反中大統領が当選」(P30)
「日本人と中国人はお互いに大嫌い」(P31)

 「なぜ」について踏み込む前にとりあえず現状確認をしておこうと思って書き連ねてみたら、出るわ出るわ…。ひどい嫌われようです。
 もっとも、本書の言葉を借りれば、「そもそも中国人は他人に嫌われることを恐れていない」(P41-42)そうなので、当の中国人はこの程度ではへこたれないものと思われます。

 長くなってきたので次回へ続く。

【参考文献】
内藤明宏『なぜ中国はこんなにも世界で嫌われるのか』幻冬社

苫米地英人『テレビは見てはいけない 脱・奴隷の行き方』PHP

 なぜ「テレビは見てはいけない」のかというと、本書によればテレビは視聴者を「洗脳」してくるからだそうです。メディアリテラシーの心得のある人ならばそんなことは百も承知かもしれませんが…。

 もちろん、「テレビが最高の洗脳装置」(P28)だとわかっていて敢えてテレビを視聴する、という生き方もあります。例えば、韓流ゴリ押しの某テレビ局の番組に潜むステマをいちいちあばいてみせる、といったようにです。

【参考文献】
苫米地英人『テレビは見てはいけない 脱・奴隷の行き方』PHP

星新一「雪の夜」

あらすじ…雪の夜、老夫婦が住む家に強盗が押し入る。強盗は2階に老夫婦の息子がいると聞き…。

 ちょっとしたホラー作品。
 「息子」の正体については伏せておきますが、…いや、作品中では明白に述べられていないので伏せようがないか。
 2階のあの部屋には「何か」がいて、老夫婦はそれを息子だと思っている、だがそれが息子だと保証するものは老夫婦の証言以外にない。そして警察はその正体を見極めることなく話を終えているのです(現場検証はちゃんとやったのか?)。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「年間最悪の日」

あらすじ…懸賞で特等が当たったとの知らせを受けた男が、今日はエイプリルフールではないかと疑う。彼は毎年エイプリルフールになると友人たちにだまされていたのだ。

 疑心暗鬼がそんなにひどいものになっているならば、4月1日は人里離れた山奥に籠もってエイプリルフールをやり過ごした方がいいでしょうな(もちろん友人たちにはそのことは伏せておくべし)。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「老後の仕事」

あらすじ…密輸の指揮をしていた男が引退し、「老後の仕事」を得るため喫茶店で待ち合わせをする。

 危険な仕事から手を引いてカタギになるのかと思いきや、新しい仕事も非合法なものとなっています。それでよくも、「息子だけは、まともな勤めについてもらいたいものだ」(P223)と言えたものだ。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「専門家」

あらすじ…死体処理の専門家が自分の仕事について語る。

 殺人事件で問題になるのが死体の処分です。ロード・ダンセイニの「二壜の調味料」のように特異な処理方法もあったりします。
 ちなみに、この専門家は自信満々に語っていますが、顧客(殺人犯)の心が折れて一切を白状したら、彼も捕まってしまうことでしょう。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

シルクロード/中国編

 クローゼットを整理していたら、こんなものが出てきました。

シルクロード/中国編

 中にはカードが47枚入っており、カードの表には写真、裏には解説文が掲載されています。

酒泉の鐘楼

 酒泉という地名は三国志のゲームでも登場することがありますな。

 それはさておき、箱の裏側には「監修 NHKサービスセンター」とあり、その線から調べてみたら、どうやら「NHK特集 シルクロード」というドキュメンタリー番組にまつわるもののようです。

 ちなみに、どういう経緯でこれを入手したのかサッパリ記憶がありません。おそらく、フリーマーケットで入手したのでしょう。

星新一「報告」

あらすじ…お金持ちのエス夫人が興信所の青年に夫の素行調査を依頼する。

 エス夫人は夫の仕事について訊かれると、「でも、どんな仕事かはっきりしないのよ」(P206)と、述べています。
 つまり、彼女は夫の仕事が何であるか知らないのです。ぼんやりしているにも程があるぞ。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「夜の侵入者」

あらすじ…夜、映画会社のメーキャップ係の家に逃亡犯が押し入り、自分の顔を変えるよう要求する。

 逃亡犯の青年がどうやって押し入ったのかというと…。

「もしもし、電報です……」(P178)

 電報とは時代を感じさせますなあ。
 又、逃亡犯はメーキャップ係の自宅の住所を知っていましたが、個人情報の保護がやかましい現代ではちょっとありそうにないことです。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「上流階級」

あらすじ…お金持ちのアール夫人は殺し屋の青年に夫殺しを依頼する。一方その頃、その夫のアール氏は別の殺し屋に、妻の間男を殺すよう依頼する。

 ピカレスクもの。この作品には悪人しか登場しません。
 まあ、せいぜい潰し合って下さいとしか言いようがありませんな。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「宇宙の指導員」

あらすじ…地球の進んだ文明を、遅れた文明の星に教導するべく、若い隊員がロケットに乗って旅立った。

 作品を読んでみると、ロケットに乗って旅立ったのは若い隊員一人だけのようです。…たった一人だけ?
 宇宙空間の航行だけでもロケットの操縦や機体のメンテナンス、周辺宙域の観測など仕事は色々あるし、現地に着いたら着いたで現地調査や原住民との交渉・指導などやることはたくさんあります。
 それをたった一人でやれというのはとんでもない無茶振りではないでしょうか。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

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