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星新一「宇宙のネロ」

あらすじ…ある時、空飛ぶ円盤がやってきて、地球人に娯楽を提供しろと要求する。地球人はテレビ番組を提供することにしたが…。

 空飛ぶ円盤が飛来する前の地球人同士の会話の中で、こんなセリフがあります。

「なんとこのごろのテレビ番組のつまらないこと。出演者は変りばえがしないし、ストーリーもマンネリだ。少しは知恵をしぼったらどうなんだ」(P141)

 なんだ、テレビ番組がつまらなくなったと言われるようになったのは最近のことだけじゃなくて、星新一の時代にも言われていたのか。

宇宙のネロ

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「転機」

あらすじ…ある男が宇宙人にアブダクションされる。

 主人公の男の正体についてはネタバレ防止のために伏せておきますが、一体どうやってそんな奴を捕まえたんだ? 地球人より遥かに優れた技術の賜物でしょうかねえ。

転機

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「囚人」

あらすじ…刑務所の屋上で囚人と看守が会話する。

 冒頭の会話からして何か妙なところがありますが、その理由は物語の後半で明らかになります。
 それにしても、二人の会話はどこかのどかな感じを受けます。後半の凄惨な展開と対比すると、それが一層きわ立ちます。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「乾燥時代」

あらすじ…酒が禁止された未来社会。老人が密かに地下のバーへ行き、酒を飲む。

 老人は自宅でタバコを吸っています。酒はダメなのにタバコはいいのかよ。
 それはさておき、もしもこんなディストピア社会が出現したら、ロシア人にとっては地獄でしょうな。いや、ロシア人ならサマゴン(密造酒)があるか。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「むだな時間」

あらすじ…隠退生活を送るエル博士のもとへ、広告業を営む息子のアール氏が訪ねる。エル博士はアール氏に、テレビのコマーシャルを消す装置を見せる。

 エル博士はテレビのコマーシャルをムダと断じていますが、これは使いようによっては有効です。例えば、コマーシャルの時間になったらトイレに行ったり、冷蔵庫へ飲み物を取りに行ったり、あるいは他のチャンネルへザッピングしたりといったことです。

むだな時間

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「健康の販売員」

あらすじ…2062年、薬売りの男が一軒の家を訪問する。

 ここに登場する「腕時計用注射装置」(P86)というのが凄い。時間の経過に伴って様々な薬を静脈注射(しかも無痛)で注入してくれるのですが…。

 たとえば、朝、起きるべき時間になると覚醒剤が、それに続いてヒゲの抜ける薬品が、朝食のための食欲増進剤が、食事がすむと胃腸の働きを活発にする薬が、という順に注入される。(P86)

 朝から覚醒剤! 田代まさしも真っ青のクスリ漬け生活です。
 そんなクスリの数々を扱うのが「健康の販売員」というのだから何とも皮肉な話ですな。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「友を失った夜」

あらすじ…2030年、夜。ゾウが絶滅する。

 幸いなことに、現実世界では2030年までにゾウは絶滅しそうにありません。この記事を書いている2014年時点でもゾウの生息域はまだ残っているし、動物園にだってゾウはいます。
 もしもゾウが絶滅するとしたら…核戦争で地球が滅茶苦茶になった場合ですかね。まあ、そうなったら人類の存続も危ういのですが。

友を失った夜

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「不運」

あらすじ…K氏は自殺しようとして船から夜の海に身を投げた。だが、気が付くと別の船にいた。

 P51のイラストを見ると、船の舳先にドクロマークが付いています。

P51のイラスト (P51, カット:真鍋博)

 ドクロマークの船といえば海賊船というイメージがありますが、K氏を救出した船にはバーやルーレット台があり、海賊船ではありません。
 他にドクロマークが似合いそうな船といえば…。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「夢の男」

あらすじ…経営者のエヌ氏は毎晩同じ悪夢に悩まされていた。無表情な男が自分を荒涼とした野原へ引き回すのだという。

 エヌ氏は病院へ行っても問題を解決できず、

「世の中には金で解決できぬことはないはずだ」(P38)

 と言い捨てています。
 いやいや、ちょっと待て。金で解決できないことなんて世の中にはいくらでもありますよ。例えば不老不死や永久機関などです。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「夜の道で」

あらすじ…夜の道を歩きながら、一年前に死んだ友人のことを思い出す。

 そもそも主人公の男は、「会社の仕事が意外にてまどり、やっと私鉄の終電に乗ることができた」(P32)とあることから疲労は相当なものだったはずです。しかもその時彼は友人のことを考えていた。
 そんな状態で死んだ友人の声が聞こえたとしても、それは幻聴だとみなしてもおかしくはありますまい。

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

星新一「椅子」

あらすじ…社長が落ちぶれた親友を訪ねると、彼は大きな椅子に座っていた。

 この椅子は座った者の労働意欲を喪失させる呪いの椅子のような気がします。
 というわけで、とりあえずこの椅子を「ニート椅子」と名付けておきましょうかね。

ニート椅子

【参考文献】
星新一『ボンボンと悪夢』新潮社

『UT THE NEW MODEL T -Vol.2-』ユニクロ

 Tシャツやトレーナーにプリントされた英文の意味を知らずに着ている、なんてことはよくあります。別に知らなくても困らないのでわざわざ調べるまでもないのですが、せっかくなので少々調べてみました。
 調べるのはこちら。

UT THE NEW MODEL T

THE SAME IS LAME(同じなのはマズイ)
Think Other.(他のこと考えろ。)

 訳が合っているか否かはご自分でお確かめ下さい。ちなみに私は英検四級です。

星新一「ああ祖国よ」

あらすじ…アフリカの小国・パギジア共和国が突如として日本に宣戦布告。小さな船が2隻、日本へ向かう。

 日本政府がたった2隻に何もできずにオロオロするさまは、「平和国家・日本」を皮肉っているようです。
 ただ、念の為に言っておくと、これは「平和主義の呪縛」が強かった頃に書かれた作品です。海上保安庁が北朝鮮の不審船を撃沈するような今のご時世なら、ここまで迷走しない…はず。

【参考文献】
星新一『おみそれ社会』講談社

星新一「手紙」

あらすじ…政治家の男が自分の部屋で手紙が来るのを今か今かと待ち構えていた。彼は人生の岐路に立つ度に謎の手紙を受け取り、それに従って成功を収めてきたのだ。

 もしも手紙を受け取った人物が、口の軽い人物で手紙のことをすぐに口外したり、あるいは手紙の指示通りに動かないような人物だったとしたら…。いや、送り手は事前調査くらい済ませていて、彼のように指示通りに動いてくれる人にしか手紙を送らないのかもしれません。

【参考文献】
星新一『おみそれ社会』講談社

星新一「はだかの部屋」

あらすじ…三郎が叔母夫婦の高級マンションで留守番をしていると、男女が次々と訪れ、そのたびに三郎は彼らを物置部屋へ放り込む。

 どんな結末を迎えるのかと思いきや…ブン投げやがりました。ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、収拾がつかない状態で話が終わっています。
 なるほど、こういう話の終わらせ方もあったのか…。

はだかの部屋

【参考文献】
星新一『おみそれ社会』講談社

星新一「ねずみ小僧六世」

あらすじ…銀行の支店長のところへ、機械関係の商事会社の社長がやってきて、ねずみ小僧六世に狙われていると相談する。

 ねずみ小僧に子孫がいたのか? あるいは、落語家などのように弟子筋が「ねずみ小僧」を襲名しているのかもしれませんし、もっとうがった見方をすれば「我こそはねずみ小僧六世なり」と勝手に名乗っているだけかもしれません。

【参考文献】
星新一『おみそれ社会』講談社

星新一「女難の季節」

あらすじ…社長令嬢との縁談が進んでいる青年のところへ、彼と結婚の約束をしたと言う女・京子が訪ねてくる。だが、彼にはそんな記憶は全くなかった。

 なるほど、リア充はこうして爆発するわけですね。
 ちなみに今現在なら京子のつきまとい行為はストーカーのそれですな。

【参考文献】
星新一『おみそれ社会』講談社

星新一「おみそれ社会」

あらすじ…若く美しいバーのマダムが本妻で、奥様然としたばあさんが二号。模範警官これはギャング団のあとつぎ息子で作者の私も実は……(裏表紙の紹介文より引用)

 「おみそれしました」というシチュエーションがこれでもかとばかりに出てきます。そのため、最後の方で主人公の正体が明かされても意外に思わなくなっていたりします。

【参考文献】
星新一『おみそれ社会』講談社

『第4回 ビデオ屋さん大賞』

 第4回ビデオ屋さん大賞TOP10作品の内、私が観たのは…ゼロ。ノミネート作品(30作)や部門賞に範囲を拡大してもやはりゼロ。(※)
 ええ、わかってますよ。私はビデオ屋さんがおすすめするようなものはあまり借りないという、ひねくれ者です。いいんです、それで。

※いずれも平成26年4月時点。

第4回ビデオ屋さん大賞

第4回ビデオ屋さん大賞

カミュ「背教者」

あらすじ…原住民に舌を切り取られた元宣教師が、自分の代わりにやって来る新任の宣教師を砂漠で待ち受ける。

 タイトルの「背教者」とは主人公の元宣教師を指します。当初彼はキリスト教を布教しにやってきたのに今では現地の物神に仕えていることから「背教者」という次第。
 さて、本作はこの背教者の独白で物語が進むのですが、読んでみると彼は明らかに正気を失っていることがわかります。
 拷問によって正気を失ったのだとも考えられますが、彼は原住民に捕えられる前に、その危険な地で布教しようとして「会計係の金庫を盗み、法衣を脱ぎすててから、アトラス山塊と高原地帯と砂漠とを渡った」(P199)とあります。とすると、彼は既に狂信者だったようです。

【参考文献】
カミュ『転落・追放と王国』新潮社

カミュ「不貞」

あらすじ…ジャニーヌは夫マルセルの商用につき従って北アフリカの高原を旅する。

 ジャニーヌ、あなた疲れているのよ。
 読んでいるこっちの方も疲れを感じてしまいました。

【参考文献】
カミュ『転落・追放と王国』新潮社

津原泰水「枯れ蟷螂」

 猿渡の子供時代、猿渡と謎の女性ガラさんとの交流を描いたもの。
 怪異に遭遇してしまうという猿渡の体質は天性のものらしく、子供時代からそういう「もの」に遭っているということを示しています。
 ただ、冒頭の伯父のエピソードを読んでいると、その伯父もそういう体質を持っているのかもしれない、もしそうだとすれば…。

 伯父の遺品を整理していたら日記が出てきて、そこにはあの時の謎に迫るこんな不思議な話があった…ということで短篇が一本書けるかもしれませんな。

【参考文献】
津原泰水『ピカルディの薔薇』筑摩書房

【関連記事】
津原泰水(目次)

津原泰水「甘い風」

あらすじ…小説家の猿渡は古道具屋の南國堂に入り浸っていた。そんなある日、南國堂は猿渡に、ウクレレにまつわる不思議な話をする。

 南國堂の話を聞いた後に猿渡が見た悪夢は、イザナキが黄泉国を訪れて蛆のわいたイザナミを見たくだりをモデルにしているような気がします。
 だとすれば、あそこは冥界であると(少なくとも猿渡の潜在意識は)告げているわけですな。

憂苦霊霊

【参考文献】
津原泰水『ピカルディの薔薇』筑摩書房

【関連記事】
津原泰水(目次)

津原泰水「フルーツ白玉」

あらすじ…猿渡と伯爵と白鳥飛鳥が食べ物の話をする。

 「籠中花」で語られなかった1エピソード。
 尚、ここで語られた食べ物は以下の通り。

(1)キビャック(イヌイットの発酵食品)
(2)雀の丸焼き
(3)牡丹肉
(4)ザリガニ
(5)蛭詰めのソーセージ
(6)フルーツ白玉

 最後の(6)を除けば動物ばかりですな。怪奇な話をする上では、こと食べ物に関しては植物よりも動物の方がやりやすいのかもしれません。

【参考文献】
津原泰水『ピカルディの薔薇』筑摩書房

【関連記事】
津原泰水(目次)

津原泰水「籠中花」

あらすじ…主鵺島にリゾートホテルを開業しようとしている女社長・白鳥飛鳥は小説家の伯爵を島に招待し、猿渡はそれについて行く。その島にはくれなゐ伝説と巨大な榕樹(がじゅまる)と、陸寄居蟲(おかやどかり)の大群があった。

 まずは人物関係図をご覧下さい。…と言っても、大して複雑ではないので別に作らなくてもよかったような気がします。

「籠中花」人物関係図

 ところで、タイトル「籠中花」の籠は榕樹を指し、花は伝説のヒロイン「くれなゐ」と白鳥飛鳥を指すものと思われます。美女のくれなゐはともかく、白鳥飛鳥が花とはいかがなものかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、あれでも花のうちです。そういうことにしておきましょう。

【参考文献】
津原泰水『ピカルディの薔薇』筑摩書房

【関連記事】
津原泰水(目次)

津原泰水「夕化粧」

 先妻の晶子が自殺し、後妻の春代が餓死したという小説家の独白で物語が展開されます。
 私の見るところ、この男は明らかに正気を失っており、独白がどこまで信用できるか疑問です。例えば春代の餓死だって、春代本人が飲食を拒否したと彼は述べていますが、実際のところはどうだか…。
 そう考えると、それはそれで怖い。

【参考文献】
津原泰水『ピカルディの薔薇』筑摩書房

【関連記事】
津原泰水(目次)

劉文兵『中国抗日映画・ドラマの世界』祥伝社

 中国の抗日映画(およびテレビドラマ)の歴史的変遷を述べたもの。
 本書によると国民党政権時代から抗日映画が存在しており、抗日映画が政治体制や時代を超えて中国人に受容されていることがわかります。
 それにしても、と思うのは、近所のレンタルビデオ店で中国の抗日映画なんか見かけないから鑑賞のしようがないということです(※)。そもそも抗日映画は中国国内向けに作られたプロパガンダ作品だから、日本では流通しにくいものです。

※おすすめはできないが、非合法な手段ならば、著作権意識の低い「某国」の違法動画サイトにある抗日映画の映像ファイルを観るという方法もあるにはあるだろう。ただし、日本語字幕があるとは思えない。

【後日談】
 後日調べてみたら、近所のレンタルビデオ点に抗日映画があるのを発見しました。本書P127にも登場する『鬼が来た!』です。

【参考文献】
劉文兵『中国抗日映画・ドラマの世界』祥伝社

町山智浩・松嶋尚美『松嶋×町山 未公開映画を観る本』集英社

 TOKYO MXの深夜番組「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」を書籍化したもの。
 本書で紹介されているドキュメンタリー映画の中で、私は「ビン・ラディンを探せ!」(P29)と「ステロイド合衆国」(P52)を観たことがあります。
 …え? たった2本じゃ少ない? すいませんねえ、ドキュメンタリーは元々あまり観ないもので。
 でも、本書を読んでいたらレンタルしたくなってきたものが1~2本はありました(ただし借りるとは言っていない)。

【参考文献】
町山智浩・松嶋尚美『松嶋×町山 未公開映画を観る本』集英社

ピラミッド 5000年の嘘(2010年、フランス)

監督:パトリス・プーヤール
出演:ピエール・ルイジ=コパ、クリス・ワイズ、エリック・ゴンティエ、ジャン・ルクラン、ギュメ・アンドリュー=ラノエ
原題:The Revelation of the Pyramids
原作:ジャック・グリモー
備考:ドキュメンタリー

あらすじ…ギザのピラミッドの謎に迫る!

 ピラミッドの謎に迫る。ただしピラミッドの謎を解明するとは言ってません。
 例えばクフ王のピラミッドは20年で建てられたという「定説」に反論しているものの、それじゃあ何年かかって建てられたのかという「答え」は提示されないし、巨石を精密に積む技術も不明のままです。
 謎は依然として謎のまま、というわけですな。

 ちなみにこの映画の中で、ピラミッド王墓説(ピラミッドは王の墓であるとする説)が定説として出てくることにちょっと驚きました。ピラミッド王墓説はとうの昔に否定されていたものと思っていたのに、まだ「定説」として残っていたとは…。この説はよっぽど根強いのかもしれません。

 それから、最後に一つ注意点を。この映画の中盤以降、円周率(Π)や黄金数(Φ)などの数学用語がガンガン出てきます。数学が苦手な方はご注意下さい。

ピラミッド 5000年の嘘

ピラミッド 5000年の嘘

張込み(1978年、日本)

出演:吉永小百合、萩島真一、森本レオ、佐野浅夫
原作:松本清張「張込み」
備考:松本清張おんなシリーズ

あらすじ…柚木刑事は強盗殺人犯の玉井を逮捕するべく、玉井の元恋人で今は他の男性と結婚している横川さだ子を張込む。

 私事で恐縮ですが、風邪で寝込みました。ようやく外出できるようになったものの体の具合がまだ悪く、映画のような長いものは視聴できない、そこで短いものを…ということでレンタルビデオ店で見つけたのがこれです。このシリーズの作品は他にもありましたが、つい最近原作の短篇小説を読んだのが「張込み」だったのでこれにしました。

 次に、人物関係図をご覧下さい。

「張込み」人物関係図

 原作や他のドラマ・映画版では設定や名前が微妙に異なっているのでご注意を。例えば原作では犯人の名前は石井ですが、こちらでは玉井になっています。

 さて、このドラマの内容についてですが、原作に較べて後半の追跡パートがやけにあっさりとした形で描かれています。
 寧ろ力を入れて描かれるのはヒロイン(さだ子)です。何しろ彼女を演じているのが吉永小百合ですからね。

【松本清張原作の映画】
霧の旗(1977年)
点と線(1958年)
無宿人別帳

ファンタジア(1940年、アメリカ)

監督:ベン・シャープスティーン
出演:レオポルド・ストコフスキー、フィラデルフィア管弦楽団、ミッキーマウス
原題:Fantasia
備考:アニメ

あらすじ…クラシックの名曲に合わせてアニメが展開される。

 この映画はおよそ8つのパートに分かれます。
(1)J.S.バッハ「トッカータとフーガ ニ短調」
(2)チャイコフスキー「組曲:くるみ割り人形」
(3)デュカース「魔法使いの弟子」
(4)ストラヴィンスキー「春の祭典」
(5)ベートーヴェン「交響曲第6番 田園」
(6)ポンキエッリ「時の踊り」
(7)ムソルグスキー「禿山の一夜」
(8)シューベルト「アヴェ・マリア」

 魔法使いの格好をしたミッキーマウスが登場するのは(3)デュカース「魔法使いの弟子」で、これが一番ストーリーらしいストーリーを持っています。
 ここではミッキーは魔法使いの弟子となっていて、水汲みの雑用をこなしています。ところがミッキーは師匠の魔法使いが眠りに着いた隙に師匠の帽子をかぶって箒に魔法をかけて動かし…。
 もちろんミッキーは未熟な弟子ですから、後でしっぺ返しを食らうことになるのですが、ミッキーの気持ちも少しはわかります。水汲みという大変な作業を誰かに肩代わりしてもらいたいものだし、何より魔法を(使えるものなら)使ってみたいという誘惑には抗いがたいものがあります。
 とはいえ、魔法にせよ呪術にせよ、素人がおいそれと手を出していいものじゃないということをお忘れなく。

ファンタジア

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