山本周五郎「死の棺桶島」
あらすじ…和木博士一行は棺桶島へ研究調査に来ていた。しかし近くの村で雇った男たちが、村に帰してほしいと言い出す。事情を訊くと、新月から7日の間は巨大な赤えいがこの島で同族を集めて禊をするので、その間は足を踏み入れてはならない、もしその禁を破れば赤えいの尻尾の毒針で突き殺されるという。和木博士は信じなかったが、とりあえず村人たちを帰す。そしてその晩、当直の加村一郎が殺される。
研究生8人の内、名前がわかっているのは殺された加村一郎と、殺人現場へ一緒に急行した横井平太のみ。あとの6名は名前すら出てきません。
又、横井平太だって「曾て相撲部の選手で鳴らした」(P132-133)とあることから、いざという時の腕っ節の強さを買われたのでしょうが、そんなものが活躍する機会もなく話を終えています。あ、でも、加村一郎の遺体を運ぶのには役立ったか。
【参考文献】
『山本周五郎探偵小説全集4 海洋冒険譚』作品社
« 山本周五郎「囮船第一号」 | トップページ | 山本周五郎「新造船の怪」 »
「書評(小説)」カテゴリの記事
- 樋口一葉「この子」(2023.05.16)
- 樋口一葉「わかれ道」(2023.05.15)
- 樋口一葉「うつせみ」(2023.05.14)
- 樋口一葉「ゆく雲」(2023.05.13)
- 樋口一葉「大つごもり」(2023.05.12)
コメント