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ミヒャエル・エンデ「単純」

 短いので全文引用します。

 真実は単純だと、よく耳にする。それは正しい。しかし、なにか誤ったことを言いたいのではないかと、それだけが気にかかる。単純なことは簡単にわかるはずだと言いたいのではないか。しかしこれほどむずかしいことはない。(P98)

 これを私なりに整理すると、大体以下の通り。

(1)真実は単純である。
(2)単純なことは簡単にわかるはずである。
(3)従って真実は簡単にわかるはずである。
 という論法に対して作者は、(2)は誤りであり、従って(3)も誤りではないかと異議を唱えています。そしてその根拠として真実がわかることの難しさを挙げています。

 愚考するに、もしも真実が簡単にわかるとしたら、真実を追求する哲学者たちはさほど苦闘しないでしょうし、哲学書だってあんなに分厚くはならないでしょうな。

【参考文献】
ミヒャエル・エンデ『エンデのメモ箱』岩波書店

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