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『G get press MAR.2014 VOL.146』ゲオ

 「2013年ゲオ年間ベストランキング レンタルDVD編」(P56)をチェックしてみると、上位30位(+次点)のうち、今まで私が視聴したのは

2位 アベンジャーズ
9位 エクスペンダブルズ2

 の2作品のみでした。いくら何でもこれでは寂しすぎる…。
 いえね、そのうち観ようと思っている作品だってこの中にはあるんですよ。「のぼうの城」とか「007/スカイフォール」とかね。

G get press MAR.2014 VOL.146

【関連記事】
アベンジャーズ
エクスペンダブルズ2
007 スカイフォール

夜桜

夜桜
 近所にて撮影。

春香クリスティーン『永田町大好き! 春香クリスティーンのおもしろい政治ジャパン』マガジンハウス

 若者、とりわけ若い女性向けの政治啓発書。100ページにも満たない薄さと基本的な解説の多さとで読みやすい作りになっています。
 ところで、本書掲載の対談相手の中に小沢一郎(P92-95)がいました。よく対談できたものだと私なんかは感心してしまいます。そこはやはり春香クリスティーンの人徳のなせるわざ(?)でしょうかねえ。
【参考文献】

シャーリイ・ジャクスン「くじ」

あらすじ…村民が集まってくじ引きが行われる。

 のどかな村のイベントかと思いきや、実は…というもの。
 これを読んで私は映画「ホットファズ」を思い出しました。「ホットファズ」にはコメディ要素があるからまだしも、「くじ」はそんなのがないからしんどいですな。

【参考文献】
A・クリスティー『厭な物語』文藝春秋

ジョー・R・ランズデール「ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ」

あらすじ…夜、不良高校生のレナードとファートは退屈を持て余していたが、犬の死骸を鎖でつないで引っ張り回すことにする。

 この後、色々あってレナードとファートはロクでもない死に方をするのですが、ロクでもないこいつらに同情する気は起きませんでした(彼らのロクデナシっぷりを示すエピソードは胸糞悪いものなのでここでは紹介はしません)。
 黒人のスコットはかわいそうでしたが。

【参考文献】
A・クリスティー『厭な物語』文藝春秋

アガサ・クリスティー「崖っぷち」

あらすじ…誰にも好かれ、まっとうに生きている自分をさしおいて彼と結婚するなんて。クレアは村の富豪の心を射止めた美女ヴィヴィアンを憎悪していた。だがある日ヴィヴィアンの不貞の証拠が……。(巻末の紹介文より引用)

「崖っぷち」人物関係図

 クレアがヴィヴィアンを裏でネチネチといたぶるさまは、読んでいて居たたまれなくなりました。女って怖いわー。
 ところで、本作のタイトル「崖っぷち」ですが、これはダブルミーニングならぬトリプルミーニングがあります。一つはクライマックスの場面での地形、二つ目はヴィヴィアンの人生が崖っぷちに立たされていたということ、そして三つ目はクレアの精神が崖っぷちに立っていたということです。
 だとすると、ヴィヴィアンを追い詰めているクレア自身も、そうとう追い込まれていたってことですか。

【参考文献】
A・クリスティー『厭な物語』文藝春秋

内田百閒「件」

あらすじ…気が付いたら件(くだん)になっていた。そこへ人々が集まって、件の予言を聞こうとする。

 カフカの『変身』を思わせるくらい不条理な変身を遂げていますが、『変身』の主人公グレゴール・ザムザと違って、この主人公は多くの人間に存在意義を認められて一応は大事にされています。
 とはいえ、彼とグレゴールと、どっちがマシなのかはちょっと判断がつきかねます。

【件の関連記事】
「くだんのはは」

【参考文献】
彩図社文芸部編纂『文豪たちが書いた怖い名作短編集』彩図社

夢野久作「卵」

あらすじ…夜、幽体離脱して隣家の露子さんと逢瀬を重ねていた三太郎君は、露子がどこかへ転居した後、逢引していた場所で大きな卵を見つける。それは露子からの贈り物だった。

 露子は人間ではなく、化生の者であろうと私の直感が告げています。もしそうならば、これは現代の異類婚姻譚ということになります。
 尚、日本の異類婚姻譚は猿聟入にせよ何にせよ、結局は破局してしまうのですが、こちらの話も破局を迎えています。まあ、この話でハッピーエンドは想像が着かないので、当然のような気がしないでもない。

【参考文献】
彩図社文芸部編纂『文豪たちが書いた怖い名作短編集』彩図社

火野葦平「紅皿」

あらすじ…二匹の河童が酒を酌み交わす。

紅皿

 過去に、一方の河童がもう一方の河童を殺そうとしたとのこと。そのため、二匹の会話は不穏な空気が漂っており、ミステリの予感がします。ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、その予感は当たったと言えるでしょう。どっちがどっちを殺すことになるのか、考えながら読み進めるといいかもしれません。

【参考文献】
彩図社文芸部編纂『文豪たちが書いた怖い名作短編集』彩図社

久生十蘭「骨仏」

あらすじ…病床に伏す梶井のもとへ、陶芸家の伊良が見舞いにやってきて、白い磁器を見せる。亡き妻の骨を使って白くしたのだという。

伊良の細君は肌の白い美しいひとで、その肌なら、ある意味で伊良よりもよく知っているわけですが、(P107)

 この部分を読んで梶井と伊良の細君が姦通していたなと気付きました。
 それでは伊良はそのことを知っていたのでしょうか? もしも知っていたとしたら、彼が頻繁に見舞いに来るのは…剣呑剣呑。

【参考文献】
彩図社文芸部編纂『文豪たちが書いた怖い名作短編集』彩図社

久生十蘭「昆虫図」

あらすじ…貧乏画家の伴鬼六のもとを訪ねると、細君がいない。病気で郷里へ帰っているのだという。しばらくして再訪すると、部屋に蠅の大群がいた。

 夫が妻を殺してその死体を埋める。これはミステリ小説ではたまに見かける光景ですので、病気で郷里へ云々のくだりでピンと来ました。

【夫が妻を殺して埋める話】
クラーク・アシュトン・スミス「マンドラゴラ」

【参考文献】
彩図社文芸部編纂『文豪たちが書いた怖い名作短編集』彩図社

山本弘『名被害者・一条(仮名)の事件簿』講談社

 殺人未遂事件に頻繁に遭遇するという特異体質を持った少女・一条(仮名)の物語。

 とまあ、上記のように一冊の本の内容を簡単に説明してしまいましたが、もしも一条(仮名)がこれを読んだならば、こんな感想を述べるかもしれません。
「たった一文でまとめてしまうなんてさすがですね。でも、こうした方がいいんじゃないですか。
『殺人未遂事件に頻繁に遭遇するという特異体質を持った少女・一条(仮名)の物語。』
 どうです、こっちの方が正確でしょう?」
 本作の主人公はそんなキャラです。多分。

 それはさておき、「第1話 麗子さん(仮名)と血染めのノコギリ」でブン投げた謎と、「第3話 ダチイエローさん(仮名)と大きな冷凍庫」で放置された死体を、「第5話 カマンザドオリさん(仮名)と第九次侵略計画」で見事(?)に回収しています。回収の手法ではSFを用いているのですが、それまでのゆる~い展開に慣れてきた読者には比較的すんなり受け入れられるんじゃないでしょうか。

【参考文献】
山本弘『名被害者・一条(仮名)の事件簿』講談社

赤江瀑「春の寵児」

あらすじ…中学生くらいの少年がとある路地へ入り込んでスケッチを始めるが、うまくいかない。そんな時、少年は一組の男女の性交を目撃する。

 男子中学生に青姦は刺激が強すぎる。とはいえ、作品を読み進めて行くと青姦カップルはどうやら○○(ネタバレ防止のために伏せておきます)らしいので、だとすれば少年の抑えがたい性欲の噴出を表現しているのだと見ることもできます。

【参考文献】
東雅夫編『日本幻想文学大全 幻視の系譜』筑摩書房

島尾敏雄「摩天楼」

あらすじ…NANGASAKUと呼ぶ市街で天高くそびえる塔を見つけ、上ってみることにする。

 「一回の夢でその市街の全貌を見ることはないのだが」(P447-448)云々と書かれていることから、NANGASAKUは作者の夢の中にあるようです。
 ちなみに摩天楼と形容されるその塔を上る時、「私は飛行の神通力を得ていた」(P451)とありますが、そういえば私も夢の中で空を飛ぶことができる時も(甚だ稀であるにせよ)ありましたっけ。

【参考文献】
東雅夫編『日本幻想文学大全 幻視の系譜』筑摩書房

記事・リンクの削除依頼について

 記事・リンクの削除依頼について長らく放置していて申し訳ありませんでした。ただいまメールをチェックしながら一つ一つ削除しているところです。

 尚、ブログ左サイドの一番下にメールリンクを貼っておきました。お急ぎの方はそちらからご連絡下さい。あるいは、当該記事の方に削除希望の旨のコメントを書き込んでいただいても構いません。

吉田健一「百鬼の会」

あらすじ…終戦からまだ間もない頃。スミス君と一緒にフラリと入った麹町のバーで不思議な体験をする。

 このスミス君というのはどこの国の人かというと、作中では明らかにされていません。

スミス君の国がどこなのか、英国だろうと見当を付けているのだが、案外、アメリカかもしれない。(P430)

 ちなみにスミス君の職業は「文化役人」(P429)だそうです。何だそれ。
 …スミス君にはスパイの匂いがしますな。もしも彼がスパイだとすると、作者はこのスパイの協力者(情報提供者)で、作者は意図的に彼についての情報をボカして書いているんじゃないか…という憶測ができないこともない。

【参考文献】
東雅夫編『日本幻想文学大全 幻視の系譜』筑摩書房

谷崎潤一郎「魔術師」

あらすじ…恋人と一緒に公園の見世物小屋の魔術師を見に行く。

 耽美主義的な作品。
 公園が随分といかがわしく猥雑で混沌とした場所になっています。ハッテン場よりひどいかもしれません。
 でも、そういう場所だからこそ「魔術師」が活躍できるのかもしれませんな。

【参考文献】
東雅夫編『日本幻想文学大全 幻視の系譜』筑摩書房

山本周五郎「恐怖のQ」

あらすじ…マッドサイエンティストが霊魂を集めて透明の人造人間「Q」を造ったら暴れだして手が付けられなくなった。

 マッドサイエンティストの「研究成果」が恐怖と惨劇をもたらす、というのはSFではよくあることです(※)。ですので、この作品は探偵小説というよりSF作品の色合いが強い。

※そのテの映画を観た記憶があるな…と思い返してみたところ、ありました。
インビジブル

【参考文献】
『山本周五郎探偵小説全集3 怪奇探偵小説』作品社

山本周五郎「新戦場の怪」

あらすじ…中支戦線の杏花屯では、通信部員7人と軍属が27人の中国兵捕虜を檻禁していた。だが、捕虜の中で将校だけが次々に惨殺される事件が起きる。

 捕虜たちの話では犯人は蛇身魔(蛇身の魔)とのこと。
 蛇身魔とは初耳のモンスターですな。巻末の解説を読む限りではこの作品のオリジナルキャラのようです。
 というわけで描いてみました。

蛇身魔

【参考文献】
『山本周五郎探偵小説全集3 怪奇探偵小説』作品社

山本周五郎「荒野の怪獣」

あらすじ…荒野を開墾しようとしたら、怪獣(らしきもの)が出てきて頓挫しそうになる。

 怪獣が出現する荒野といっても遠い異国の地ではなく、静岡県。まあ、ヒバゴンとかイッシーの類ならば日本のそこかしこに(伝説として)存在するから、静岡に怪獣がいてもいいでしょう。
 さて、それじゃあこの怪獣を何と呼べばいいのかな? 本作品では最後の最後まで名前は付きません。
 そこでちょっと考えてみました。開墾予定地の地名が「陣場ヶ原」で、怪獣は「どくろの森」からやってくるらしいから…「陣場ヶ原どくろ」と名付けておきます。『化物語』の戦場ヶ原ひたぎみたいな名前になってしまったけど、まあいいか。

陣場ヶ原どくろ

追伸:ネタバレ防止のため、怪獣(陣場ヶ原どくろ)の真の正体についてはここでは伏せておきます。

【参考文献】
『山本周五郎探偵小説全集3 怪奇探偵小説』作品社

山本周五郎「謎の紅独楽」

あらすじ…波多野子爵が匿っていた郭王子が帰国することになったが、暗殺団が郭王子を狙う!

 波多野子爵の息子(乙彦)と娘(桂子)が郭王子を護送するのですが、…隙だらけじゃないか。護衛というレベルじゃないなと呆れていたら、やはり裏がありましたか。

謎の紅独楽

【参考文献】
『山本周五郎探偵小説全集3 怪奇探偵小説』作品社

山本周五郎「化け広告人形」

あらすじ…百貨店の広告人形(マネキン)が動き回るという噂を聞いた副社長・山本五朗は、秘書・島村勇吉に調査を命じる。島村は調査に乗り出すが…。

 副社長の名前が山本五朗…? 作者の名前(山本周五郎)によく似ていますね。ひょっとして作者は山本五朗に自分を色濃く投影させているのかな?
 だとすると、クライマックスでの彼の意外な活躍も、うなずけないこともない。

【参考文献】
『山本周五郎探偵小説全集3 怪奇探偵小説』作品社

山本周五郎「甦える死骸」

あらすじ…科学記者・兼松春夫は、死体を蘇生させる実験を取材する。

 ロクなことにならないだろうなと思っていたら、案の定そうなりました。詳細はネタバレになるので伏せますが、閉鎖された空間で長期間、死体をいじくり回していて神経は大丈夫なのかと思ってしまいます。

【参考文献】
『山本周五郎探偵小説全集3 怪奇探偵小説』作品社

山本周五郎「南方十字星」

あらすじ…大河内士郎は、大金鉱があるとの伝説が残る無人島を探している父・信之を手伝うため、伯父で日露海戦の英雄でもある忠地伯爵と南洋に向かっていた。やがて士郎は、同じように無人島を探す秘密結社「南方十字星」との壮絶な戦いに巻き込まれていく。(P354,巻末の解説より引用)

 敵味方あわせて200人以上が死にます。そのうち数十人は主人公の大河内士郎(17)がブッ殺しています。お前は本当に17歳か?
 これはもう国家間の戦争に発展してもおかしくない規模の戦いです。南方十字星は秘密結社というレベルじゃない。

【参考文献】
『山本周五郎探偵小説全集3 怪奇探偵小説』作品社

萩原朔太郎「猫町」

あらすじ…北越地方のKという温泉地に滞留していた時、山中で道に迷ってしまう。そしてどうにかこうにか辿り着いた町は、猫ばかりが住んでいる町だった!

 少々長ったらしい前置きで、作者はモルヒネやコカインを使って「不思議な旅行」(P65)、即ちクスリによるトリップをやり続けていたことを述べています(よい子のみんなはマネしないでね!)。
 そして「もしそれを着想し得ないとするならば、私の現実に経験した次の事実も、所詮はモルヒネ中毒に中枢を冒された一詩人の、取りとめもないデカダンスの幻覚にしか過ぎないだろう」(P70)と予防線を張っています。たしかに、合理的な解釈するならば猫町はヤク中の幻覚でしょうな。
 まあ、宇宙のどこかにそんな猫町があってもいい。更に言うならばクスリの力を使わずに猫町へ行ければなおさらいい。

【参考文献】
東雅夫編『日本幻想文学大全 幻視の系譜』筑摩書房

世阿彌/野上豊一郎編訳「松風」

あらすじ…旅の僧が須磨の浦へやってきて、松の木に短冊がかかっているのを見つけ、土地の者に由来を訊ねる。昔、在原行平に愛された海女姉妹の松風・時雨の旧跡なのだという。夜、旅の僧が一夜の宿を乞うと、なんとそこには…。

 観阿弥原作で世阿弥が改作したものを更に野上豊一郎が編訳したもの。編訳したといっても古文のまま(しかも旧字体)ですので、慣れていない方はご注意を。

 さて、能のパターンを知っている人ならば、旅の僧が遭遇した相手の正体は予想が付くと思いますが、ぶっちゃけていうと松風と村雨です。
 松風は松を見て行平だと思い込んでしまうという正気の失いっぷりを見せて、執着がいまだ強いことを示しています。又、松風のみならず村雨もかしこに留まっているところを見ると、村雨の執着も相当なものではないでしょうか。

【参考文献】
東雅夫編『日本幻想文学大全 幻視の系譜』筑摩書房

松本清張「張込み」

あらすじ…柚木刑事は強盗殺人犯の石井を追って、石井の昔の女が住む家を張り込む。

 前半は張込みで、後半は石井と女の逃避行を柚木刑事が追跡するというスリリングな展開を見せています。前半が静的なら後半は動的といったところでしょうか。

【参考文献】
松本清張『佐藤優オリジナルセレクション 黒い手帖からのサイン』新潮社

松本清張「殺意」

あらすじ…営業部長の磯野が殺され、容疑者として友人の稲井厚生課長が浮上する。だが、証拠は薄弱で動機は不明だった。判事の古瀬嘉一は検事の調書を読みながら推理する。

 動機についてはネタバレ防止のために伏せておきますが、クライマックスで語られる動機の部分を読んでいて、田中角栄の箴言を想起しました。
「男の嫉妬ほど怖いものはない」

【参考文献】
松本清張『佐藤優オリジナルセレクション 黒い手帖からのサイン』新潮社

松本清張「山師」

あらすじ…「金銀が欲しい」と言った徳川家康に、猿楽役者の大蔵藤十郎が鉱山の再開発を申し出る。

 大蔵藤十郎、後の大久保長安の栄光と破滅を描いた作品。
 大久保長安についてはあまりいいイメージがなかったなと思っていましたが、これを読んでまあまあ納得。贅沢しすぎだ。
 でも、前半部分では技術屋として優秀な様子が描かれているから、多少はイメージアップになっているんじゃないでしょうか。

【参考文献】
松本清張『佐藤優オリジナルセレクション 黒い手帖からのサイン』新潮社

松本清張「群疑」

あらすじ…徳川家康の使者として羽柴秀吉のもとへ赴いた石川数正は、秀吉に厚遇される。そして次第に徳川家中で数正は秀吉に内通していると疑われるようになる。

 この作品は石川数正の視点から描かれていますが、豊臣秀吉が何らかの工作を裏でやってたんだろうなあと想像しながら読みました。

【参考文献】
松本清張『佐藤優オリジナルセレクション 黒い手帖からのサイン』新潮社

ミヒャエル・エンデ「クリスマスの夢」

あらすじ…キリスト降誕に立ち会う夢を見る。

 クリスマスと言っても、サンタやクリスマスツリーなどが出てくるクリスマスではなく、本来の意味のイエス・キリスト降誕を指します。
 だから、「リア充爆発しろ」なんて思わなくていいし、「クリスマス中止のお知らせ」も気にしなくていい。

【参考文献】
ミヒャエル・エンデ『エンデのメモ箱』岩波書店

ミヒャエル・エンデ「単純」

 短いので全文引用します。

 真実は単純だと、よく耳にする。それは正しい。しかし、なにか誤ったことを言いたいのではないかと、それだけが気にかかる。単純なことは簡単にわかるはずだと言いたいのではないか。しかしこれほどむずかしいことはない。(P98)

 これを私なりに整理すると、大体以下の通り。

(1)真実は単純である。
(2)単純なことは簡単にわかるはずである。
(3)従って真実は簡単にわかるはずである。
 という論法に対して作者は、(2)は誤りであり、従って(3)も誤りではないかと異議を唱えています。そしてその根拠として真実がわかることの難しさを挙げています。

 愚考するに、もしも真実が簡単にわかるとしたら、真実を追求する哲学者たちはさほど苦闘しないでしょうし、哲学書だってあんなに分厚くはならないでしょうな。

【参考文献】
ミヒャエル・エンデ『エンデのメモ箱』岩波書店

ミヒャエル・エンデ「アンルラ」

 アンルラという「もの」について説明しようとしたもの。アンルラが存在する場所があまりに遠く離れすぎているために説明は困難を極め、最後は「それなら、何なのだろうか?」(P62)と締めくくっています。
 作者よ、お前もわかっていないのかよ。

【参考文献】
ミヒャエル・エンデ『エンデのメモ箱』岩波書店

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