カレル・チャペック「小鳥ちゃんの童話」
あらすじ…早朝、小鳥たちがおしゃべりする。
話中話の構成になっています。話中話を大まかに分類すると、以下の通り。
(1)南の国へ行こうとした雀の話
(2)アメリカへ渡って帰ってきたツバメの話
(3)天使の卵をみんなでかえした話
この内、(1)と(2)は何やら諷刺めいたところが感じられます。例えば(1)ではスズメの村長が放浪者のスズメに対して、まるで浮浪者対策を施しているようだし、(2)では先進技術を後進地域に導入しようとして失敗したという事例です。作者が小鳥たちの世界に人間社会を投影させているようです。
更に深読みしようと思えばできないこともないし、(3)については触れてもいないのですが、長くなるのでとりあえずこれくらいにしておきます。
【参考文献】
田才益夫訳『カレル・チャペック 童話全集』青土社
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