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大塚楠緒子「上下」

 「夏の日盛りに重い荷馬車を引き、松の木陰に束の間の涼をとる貧しい夫婦者と、彼らが見上げる西洋館の華美な一室で反目する若い男爵夫婦」(P45)を描いたもの。
 貧乏だけど幸福な夫婦と、裕福だけど不幸な夫婦を対照的に描き出しているのが特徴です。あまりにも対照的なのでかえって不自然な感じがしないでもないと思ってしまうのは、複雑な人間関係が出てくる小説(例えば長篇推理小説)を読んできたせいでしょうかねえ。私も擦れたものだ。

【参考文献】
『日本近代短篇小説選 明治篇2』岩波書店

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