バリー・ユアグロー「漁師の小舟で見た夢」(柴田元幸訳)
あらすじ…男が漁師の小舟をレンタルして乗り、神奈川県沖で震災にまつわる諸々の夢を見る。
文中では注釈を付けないとわからないような人物などが登場します。パッと見てわかるものもあれば、調べてみないとわからないものもあります。そこでちょっと調べてみました。
「ゴリラとクジラ」(P203)→ゴジラのイメージか。ゴジラはゴリラとクジラの合成語。
「永遠の詩人の幽霊」(P203)→松尾芭蕉。『奥の細道』の作者。ちなみに「奥」とは陸奥(みちのく)のこと。
「暴力と破壊を演じて定評のある俳優」(P204)→菅原文太。映画『仁義なき戦い』で広能昌三を演じた。
「大家の老絵師」(P205)→葛飾北斎。『富嶽三十六景』の作者。
「幼年期の詩人、幼年期の痛みと試練と悲哀の詩人たる偉大なアニメ映画監督」(P207)→宮崎駿。少女を主人公にしたアニメ作品を数多く手がけている。
と、ここまで書いてきて、作者の知的遊戯(読者よ、これがわかるかい?)にすっかり乗せられたような気がしないでもない。
【参考文献】
『それでも三月は、また』講談社
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