『R25 2013 10.3 No.337』リクルート
P8に伊集院光のイラストが掲載されているのですが、悪人面に描かれているようです。
この伊集院光は、深夜ラジオの伊集院光こと「黒伊集院」じゃないかと思います。服装も黒系統が入っていますしね。
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P8に伊集院光のイラストが掲載されているのですが、悪人面に描かれているようです。
この伊集院光は、深夜ラジオの伊集院光こと「黒伊集院」じゃないかと思います。服装も黒系統が入っていますしね。
『シオンの議定書』には、日本に言及した箇所があります。
要するに、欧州のゴイム政府征服策を一言でいえば、ある一国を暗殺し、恐怖させることで我々の力を示すことである。各国が結束して我々に対して蜂起するならば、我々は米国、支那または日本の大砲を欧州に向けて応酬するであろう。(P53, 第七議定)
いつの間にか日本は、アメリカや中国と共に「ユダヤの手先」になってしまっているようです。勝手に戦力としてアテにされてもねえ…。
そもそも、外国の軍隊はその国の都合で動くものですし、ましてや日本は欧州から遠く離れているから、いざという時に来援してくれると期待するのは無理な話です。
さて、これまで三回に渡って『シオンの議定書』をレビューしてきましたが、いかがわしい文書であるだけに突っ込みどころはまだまだあります。メディアリテラシーのある方は、他の突っ込みどころを探してみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
四王天延孝原訳/天童竺丸補訳・解説『【定本】シオンの議定書』成甲書房
『シオンの議定書』はユダヤ陰謀論を語る際に言及される文書ですが、本書で語られる「ユダヤの陰謀」も気宇壮大なものとなっています。
ゴイムが世界的に同盟すれば、一時は我々の構想を失敗させることが出来るかもしれない。だが彼らの間には古くからの軋轢が深く根を張っていて、到底これを除き得ないようになっているから、我々はそれによって保障されるのである。我々はゴイムの国民的利益も対立するようにしておいた。我々は二千年も前から宗教的、人種的反目を彼らの間に拵え、これをなくならないようにしてきた。(P43, 第五議定)
尚、引用文中にあるゴイムとはゴイ(非ユダヤ教徒)の複数形であり、本書ではよく用いられる用語です。
それにしても二千年も前から世界各地に不和の種を蒔き続けるとは、大変な労苦ですな。もしもユダヤ人が本当にそんなことをやり続けていたとしたら、その能力を駆使してディアスポラやポグロムを防ごうとはしなかったんですかねえ。
【参考文献】
四王天延孝原訳/天童竺丸補訳・解説『【定本】シオンの議定書』成甲書房
あらすじ…男が漁師の小舟をレンタルして乗り、神奈川県沖で震災にまつわる諸々の夢を見る。
文中では注釈を付けないとわからないような人物などが登場します。パッと見てわかるものもあれば、調べてみないとわからないものもあります。そこでちょっと調べてみました。
「ゴリラとクジラ」(P203)→ゴジラのイメージか。ゴジラはゴリラとクジラの合成語。
「永遠の詩人の幽霊」(P203)→松尾芭蕉。『奥の細道』の作者。ちなみに「奥」とは陸奥(みちのく)のこと。
「暴力と破壊を演じて定評のある俳優」(P204)→菅原文太。映画『仁義なき戦い』で広能昌三を演じた。
「大家の老絵師」(P205)→葛飾北斎。『富嶽三十六景』の作者。
「幼年期の詩人、幼年期の痛みと試練と悲哀の詩人たる偉大なアニメ映画監督」(P207)→宮崎駿。少女を主人公にしたアニメ作品を数多く手がけている。
と、ここまで書いてきて、作者の知的遊戯(読者よ、これがわかるかい?)にすっかり乗せられたような気がしないでもない。
【参考文献】
『それでも三月は、また』講談社
監督:ウォン・カーウァイ
出演:トニー・レオン、木村拓哉、チャン・ツィー、フェイ・ウォン、コン・リー
原題:2046
あらすじ…60年代の香港。作家のチャウは頽廃的な生活を送りながらSF小説を書く。
この映画は「花様年華」の続篇らしいのですが、あいにくそちらは観ていません。近所のレンタルビデオ店を覗いたら「花様年華」はありましたが、借りる気は起きませんでした。そもそも恋愛映画はあまり観ないし、他にも観たい映画がたくさんありますからね。
さて、「2046(ニーゼロヨンロク)」ですが、作家のチャウが恋愛遍歴を重ねながら、時折チャウが書くSF小説を挿入する形で物語は進みます。チャウが主でSFは従です。
恋愛映画よりもSF映画を多く観ている私にとっては、もっとSF部分が欲しかったですな。
…え? キムタクですか? 現実世界では日本人ビジネスマンを、SF小説では旅人を演じていますよ。さすがに「ちょ待てよ」とは言わないものの、どっちもキムタクキムタクしてますけどね。
監督・ジョナサン・イングリッシュ
出演:ジェームズ・ピュアフォイ、ブライアン・コックス、デレク・ジャコビ、ケイト・マーラ、ポール・ジアマッティ
原題:Ironclad
備考:R-15, 歴史劇
あらすじ…たった20人でロチェスター城に立てこもり、ジョン欠地王の傭兵部隊1000人と戦う。
この映画のおよそ3分の2をロチェスター城の攻防に割いているのですが、そこでは様々な攻城兵器が用いられており、さながら攻城戦の見本ともいうべき作りになっています。
最初は梯子と遠投投石機で次は攻城塔、破城槌、そして最後は豚です。豚をどう使うのかは観てのお楽しみということで伏せておきますが、この豚を使う戦法は正直知りませんでした。
それから、主人公のトーマスはテンプル騎士なのですが、作品内では(テンプル)騎士の「誓い」がヒロインとの間に立ちはだかっています。とはいえ、その方面の予備知識がないとよくわからないと思うので、ちょっと解説しておきます。
そもそもテンプル騎士はただの騎士ではなく、戦士であると同時に修道僧でもあり、「清貧・貞潔・服従」の誓いをするなど諸々の厳しい戒律が課せられています。もちろん女性と付き合うことなど厳禁です。
つまり、トーマスとヒロインがキャッキャウフフしたら破戒になるわけです。ついでに言えばヒロインは人妻なので不倫ということにもなり、いわば二重の不道徳を犯すことになります。
最後に、このブログにて取り上げた映画の中で、この近辺の時代を扱った作品を時系列で紹介します。
「冬のライオン」
↓
「獅子王リチャード」
↓
「ロビン・フッド」(1922年版・2010年版)
↓
「アイアンクラッド」
毛糸の帽子の話。
タイトルは「夜泣き帽子」とありますが、この帽子が付喪神にでもなって夜泣きするわけではありません。「それをかぶれば、夜、泣かずに眠れる」(P50)とあるので、これは夜泣きを防止する帽子です。
…え? 駄洒落かよって? 偶然ですよ、偶然。
【参考文献】
『それでも三月は、また』講談社
あらすじ…独身女性のサトが箱を養殖することになる。その水色の箱はどんどん大きくなっていき…。
作者の明川哲也は一般的にはドリアン助川として知られていますが、ドリアン助川といえば私は15年以上前にテレビで見かけたと記憶しています。たしか金髪のオッサンでしたな(うろ覚え)。
さて、本作では、箱が不足したので(不足した理由は不明)、国民一人一人が箱の養殖をすることになるという…。これは何かのメタファーですか?
本作品が収録されている『それでも三月は、また』は、東日本大震災に対して文学者たちはどう答えたのかを表わした本ですから、メタファーであるとするならば東日本大震災に関連するメタファーであるはずです。
東日本大震災で不足したものとして思い浮かぶのが電力ですな。震災で原発が停止したため、電力不足に陥って計画停電なんてものをやりましたっけ。とすると、箱とは電気のメタファーであり、養殖とは節電のメタファーじゃないかと思えてきました。
【参考文献】
『それでも三月は、また』講談社
東日本大震災によって言葉というものが変わった、と詠んだ詩。
言い古された言葉が
苦しみゆえに甦る
哀しみゆえに深まる
新たな意味へと
沈黙に裏打ちされて(P9)
この一説を読んで、私は「絆」という言葉を想起しました。東日本大震災を語る際に「絆」が盛んに使われて、寧ろ使われすぎて今では陳腐な語にさえなっていなくもないのですが、そんな「絆」は、3・11前と後とでは意味合いに違いが出ているようです。
では、どう変化したのか? 「絆」の場合で言うならば、家族の絆・チームの絆から、社会の絆・日本の絆へと、絆の適用範囲が広がったように感じます。
話をちょっと詩の方へ戻すと、そもそも作者はこの詩の中でその「言葉」は「絆」だと述べていないし、この短い詩の中に「絆」の語は一つも入っていません。ただ単にわかりやすい例として持ち出してみただけです。
【参考文献】
『それでも三月は、また』講談社
戦争映画を通じて第二次世界大戦を、ユダヤ人問題を軸に読み解いたもの。本書を読むと、映画の世界ではいかにユダヤ系が多いかがわかります。
ところで、私のブログでも戦争映画は何本も取り上げており、本書でも紹介されているものとして、ロンメル元帥を描いた「砂漠の鬼将軍」(P102)、そして第二次世界大戦を描いたものではありませんが「大いなる幻影」(P36,P65,P74)の二つが挙げられます。
又、これ以外にも探してみると戦争映画は色々あって、第二次世界大戦に限っただけでも結構あります。
まず、独ソ戦を描いた「バトル・フォー・スターリングラード 前篇・後編」、「レニングラード 900日の大包囲戦」、北アフリカ戦線を舞台にした「戦闘機対戦車」と「ジョン・レノンの僕の戦争」(こちらはヨーロッパ戦線もあり)、アメコミヒーローも参戦した「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」、フランスのレジスタンスを描いたノワール「女猫 La Chatte」、ヒトラー暗殺未遂事件を描いた「ワルキューレ」、南米でCIAとナチスがスパイ合戦を繰り広げる「汚名」があります。
又、本書では主にヨーロッパを取り上げていて、東アジア・太平洋方面はなおざりにしていますが、この方面を扱ったものとしては、日本軍の捕虜収容所を舞台にした「エンド・オブ・オール・ウォーズ」、終戦前後の昭和天皇を描いた「太陽」、山田洋次監督の「母べえ」があります。
それから、アニメではスーパーマンが横浜にやってきて日本軍と戦う「Eleventh Hour」や、夢オチのプロパガンダ作品「ナチになったドナルドダック――総統の顔」があります。
そして最後に、「イングロリアス・バスターズ」(※)も挙げておかねばなりません。これはユダヤ人が映画ならではの手法でヒトラーに復讐するものです。
※まさに本書が取り上げるべき作品ですが、「イングロリアス・バスターズ」の公開年は2009年で、本書の発行は2007年2月20日と、本書の発行が先。
あらすじ…汽車に乗って当てどのない孤独な旅をしていたアルプレヒト・デル・クワアレンは、ふと降り立った町の貸間に住むことにした。
この短篇作品の原題は「Der Kleiderschrank」で、これはワードローブのことであり、衣裳戸棚とか洋服ダンスとも訳されます。
主人公が住み着いた部屋のワードローブに女がいたのですが、この女性は生身の人間などではなく、どうやら妖怪あるいは幽霊の類らしい。
もしも妖怪だとしたら、私は彼女を「ワードローブ女」と名付けることにしましょうかね。
【参考文献】
実吉捷郎訳『改訳 トオマス・マン短篇集II』岩波書店(※絶版)
今回取り上げるのは「レコメンダー's EYE」(P58-161)。椎名誠や竹中直人など18人が独自のテーマで映画作品を紹介するというものです。
18人もいるので一々述べることは差し控えますが、このコーナーの読み方の一つとして、「自分に近い(と思われる)人物の記事から読んでみる」というものが考えられます。例えば、「俺、昔は格闘技やってたよ」という人はガッツ石松(P66-68)を、というふうにです。
自分から全くかけ離れた人間が勧めてくる作品はフィーリングが合わないことが多いでしょうが、自分に近い(と思われる)人間が勧めてくる作品ならフィーリングが合う可能性が高いからです。
今回取り上げるのは「『TSUTAYAだけ!』の世界へご招待」(P54-57)について。これはレンタル業界の中でTSUTAYAだけがレンタルしている作品のことです。この記事ではそういった作品を紹介しています。
チェックしてみると、『マリリン 7日間の恋』(P56)もあり、これには驚きました。こんな有名なものを、よく独占できたものだ。いや、買い付けたものがヒットして有名になったのか。
「2012ランキング洋画トップ100」(P6-29)をチェックしてみると、このブログにてレビューしたことのある作品が見つかりました。「猿の惑星:創世記」(第4位)や「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」(第5位)、「カウボーイ&エイリアン」(第16位)など12作品です。
上位100作品中12本、これはメジャーどころを押さえておきたい人にとっては少ないかもしれませんが、このブログではマイナーな作品も取り上げているので、この程度の数になるのでしょう。
ちなみに、「2012ランキング邦画トップ20」(P32-37)ではゼロでした。そういえば邦画はあんまり観ていませんでしたな。
監督:ジャン=ジャック・アノー
出演:ショーン・コネリー、クリスチャン・スレイター、F・マーリー・エイブラハム、ロン・パールマン、フェオドール・シャリアピンJr.、ヴァレンティナ・ヴァルガス
原題:The Name of the Rose (Le Nom de la Rose)
原作:ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』
備考:ゴシック・ミステリー
あらすじ…1327年、北イタリアの修道院に、神学論争に参加するために修道士ウィリアム・オブ・バスカヴィルが若い修道士アドソ・オブ・メルクを連れてやってくる。修道院長はウィリアムに、若い修道士が不可解な死を遂げたと告げ、事件の解明を依頼する。
原作の小説はベストセラーになったし、この映画自体もヒットしたので、犯行のトリックや犯人を知っている方も多いかもしれません。かく言う私も、犯行のトリックについては大学時代に聞いたことがありましたし、つい最近もポール・アルテの短篇小説「コニャック殺人事件」にて言及されているのを読んだばかりです。トリックがわかれば、犯人もおおよそ見当が付くな…と思って観ていたら、真犯人の予想が当たりました。
尚、この映画をまだ観ていない、もしくは原作を読んでいない、という人のために、トリックと真犯人は伏せておきます。ただ一つ言わせてもらえば、作品中にちりばめられた布石を注意深く観察していればそれほど難しくはないものと思われます。
それから、DVD化に際して監督のコメンタリーが付けられているのですが、DVDで視聴する人は本編を観終わった後に一度はこれを聴いておくことをおすすめします。
撮影の裏話を披露してくれるのみならず、作品の歴史的・宗教的背景について解説もしているので、ちょっとした教養番組の代わりになります。
例えば、物語の後半に出てくる、「キリストが身に着けていた衣服はキリストのものか?」という神学論争は、現代人の目から見れば馬鹿馬鹿しいものに映るし、私も最初に見た時はそう思いました。しかし監督によるとこれはメタファー(暗喩)で、実は教会の財産所有の問題を論じているのであり、現代の資本主義と社会主義の論争にも通じる問題だそうです(うろ覚え)。
そう考えると、「何をバカなことを」と言い切ることはできなくなります。う~ん、考えさせるなあ。
【おまけ】
・中世ヨーロッパの修道院を舞台にした映画→「マンク ~破戒僧~」
・キリスト教の異端を取り扱った映画→「銀河」
・異端審問が登場する映画→「宮廷画家ゴヤは見た」
・僧侶が探偵となって活躍するミステリ小説
→『ブラウン神父物語』(G・K・チェスタートン)
→『毒杯の囀り』(ポール・ドハティー)
→『赤き死の訪れ』(ポール・ドハティー)
新宿のファッションビル「フラッグス」が15周年を記念して特別アイテムを用意しました、というパンフレット。
私はファッションには疎いので、取り扱っている商品がカジュアルだということはかろうじてわかるものの、どこがスペシャルなのかはよくわかりません。しかし、デザイナーやバイヤーなどがそれぞれの商品にコメントを寄せているのを読むと、「完成度の高い一品です」(P05)、「レアアイテム」(P09)、「フラッグスの15周年を記念した限定カラーも登場」(P11)などとあり、気合が入っているのがうかがえます。
対象商品3枚を買ったら20タイトルの内の1枚を貰えるという、FOXサーチライト・ピクチャーズ20周年記念キャンペーンのパンフレット。
私はキャンペーン自体に興味はありませんが、ここに掲載されている映画情報には興味があります。「ヒッチコック」(2012年)は主演がアンソニー・ホプキンスか…こいつは面白そうだな。それから「サンシャイン2057」(2007年)って、B級SF映画みたいだけど真田広之出てたの!? …などなど。
タワーレコード新宿店で入手しました。
表紙を飾るのはアイドルグループ「モーニング娘。」(以下、モー娘と表記)。本誌P24-25に現在のモー娘のメンバー10人の写真が掲載されているのですが、それを見ると私の記憶の中のモー娘とは全く違っていて驚きました。
私の記憶の中にあったのは、「伊豆の踊子」・「はいからさんが通る」・「時をかける少女」に登場したメンバーたちで、別にモー娘を観続けてきたわけじゃなかったからなあ…。
…え? お前は古いって? どーもすいませんねえ、私はアイドル業界には疎いもので。
追記:本誌によると、現在のモー娘のメンバーは、鈴木香音、石田亜佑美、飯窪春菜、小田さくら、道重さゆみ、鞘師里保、譜久村聖、佐藤優樹、生田衣梨奈、工藤遥。表紙を飾っているのはそのうちの5人で、左から石田、譜久村、鞘師、小田、道重(だと思う)。
2010年に日米安全保障条約50周年を記念してアメリカ大使館から発行された、日米友好を謳ったプロパガンダ本。私はこの本を近所の図書館で見つけたのですが、裏表紙や奥付を調べても値段が書いていないことから非売品だと思われます。
さて、本書は左側に英文、そして右側にそれに対応する日本語の文章が書かれています。国際ジャーナリストの小西克哉氏のように英語が堪能で国際政治に詳しい人物ならば、両方をチェックして微妙なニュアンスの違いから細かい政治的メッセージを読み解くのでしょうが、あいにく私はそんな出来た人間じゃありません。右側だけ読みました。
ただ一つだけ指摘しておくと、本書は日米関係史を主にアメリカ政府の立場から記述しているので、アメリカの日本に対する公的な見方はどんなものであるかを、ある程度は知ることができるということです。
【参考文献】
『不朽のパートナーシップ/ENDURING PARTNERSHIP』在日米国大使館
あらすじ…パーティー会場。デトレフは、リリイと画家が一緒にいるのを遠くから見て嫉妬する。
この文庫本では12ページほどの短い作品なのですが、半分以上をデトレフが嫉妬でウジウジ苦しむ場面に費やしています。
芸術家肌のデトレフは、自分の内的世界を展開しすぎるきらいがあるようです。
【参考文献】
実吉捷郎訳『改訳 トオマス・マン短篇集II』岩波書店(※絶版)
あらすじ…フランスで休暇を満喫しているツイスト博士のもとへ、ロンドン警視庁のハースト警部が訪ねてくる。
ハースト警部によると、ある人物が脅迫を受けていて、殺されるかもしれないという。
すわ、ツイスト博士がついに殺人防御に動くのか!? 思えば、「赤髯王の呪い」のエヴァ・ミュラーにせよ、「死者は真夜中に踊る」のヘンリー・シモンズにせよ、「ローレライの呼び声」のハンス・ゲオルクにせよ、いずれもツイスト博士が話を聞いた段階では既に死んでいました。
今回のミシェル・スダールは殺されずに済むのだろうか…と思いきや、電話がかかってきてスダールは殺されたとの知らせが。手遅れでしたか。
追記:P207で言及されている、「不気味な修道院」(P207)を舞台にしたミステリ小説とは、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』のことで、ショーン・コネリー主演で映画化されています。私はその映画をつい最近観ましたので、近日中にその映画のレビュー記事を投稿したいと思います。
【参考文献】
ポール・アルテ『赤髯王の呪い』早川書房
【関連記事】
薔薇の名前(映画)
あらすじ…アラン・ツイスト博士は、旅の途中で出会った男から、ローレライにまつわる不可解な事件を聞く。
ローレライとはドイツのライン川に棲む水の妖精で、舟人を魅了して船を難破させ、水中に引きずり込むという。
ちなみに「ローレライ(Die Lorelei)」という歌も存在し、作品中にもちょっとだけ出てきます。有名な曲なので知っている方もいるかもしれませんが、念のためYouTubeのリンクを幾つか貼っておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=3m9LwyFoBaE
http://www.youtube.com/watch?v=hetnkSpgFjg
http://www.youtube.com/watch?v=0lQyXCGRNj4
「ローレライ」を聴きながら「ローレライの呼び声」を読む。ちょっとした趣向かもしれませんな。
【参考文献】
ポール・アルテ『赤髯王の呪い』早川書房
あらすじ…アラン・ツイスト博士は田舎道をドライブしていたが、車が故障して立ち往生してしまう。そこで近くの古屋敷へ助けを求めに行くと、何とそこは不可解な事件が起きたところだった。
名探偵が偶然立ち寄った場所で難解な事件が…。このテの小説ではよくあることです。事件が探偵を呼ぶのか、探偵が事件を無意識に察知するのかわかりませんが…。
それはさておき、ツイスト博士はせっかく屋敷まで来ているわけですから、事件のあった地下納骨堂へ行ってみてもよかったのに、そこへは行かずに謎解きをしています。博士よ、アンタは行かなくても充分わかるかもしれませんが、こっちはそこまでじゃないんだから、せめて現場に連れて行って下さいよ。
【参考文献】
ポール・アルテ『赤髯王の呪い』早川書房
あらすじ…1948年ロンドン。エチエンヌは故郷アルザス在住の兄から届いた手紙に驚愕する。ある晩、兄が密室状態の物置小屋の中を窓から覗いてみると、16年前“赤髯王ごっこ”をしたため呪いで刺殺されたドイツ人少女エヴァの姿があったというのだ。エチエンヌは友人から紹介された犯罪学者ツイスト博士に、当時の状況を語り始めるが……。(裏表紙の紹介文より引用)
ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、気になった点を一つ。
エヴァの死体が発見された時、その現場に居合わせた人たち全員の持ち物検査を、警察はやらなかったのでしょうか? もし事件発生直後に警察が○○の××を調べていれば、そこには犯罪の証拠がベッタリ付着していたから、エヴァ殺害事件の迷宮入りは避けられたでしょうに。
【参考文献】
ポール・アルテ『赤髯王の呪い』早川書房
監督:サム・ライミ
出演:ブルース・キャンベル、サラ・ベリー、ダン・ヒックス、キャシー・ウェズリー、セオドア・ライミ
原題:Evil Dead II : Dead by Dawn
備考:ホラー
あらすじ…アッシュとリンダは古びた山荘へやってきてキャッキャウフフするが、アッシュがそこにあったテープレコーダーを再生させて死霊を呼び出してしまう。
死霊がリンダに取り憑いてリンダはゾンビ化し、アッシュに襲いかかるも、アッシュは咄嗟にシャベルでリンダを首チョンパ。そしてアッシュはリンダを埋葬します。
ここまでの展開を最初の数分間でやってのけているのだから驚きです。こんな急なペースで話を進めて最後までもつのかと思いましたが、もちました。途中でグダグダになったりせずに、スプラッター描写がこれでもかこれでもかと続きます。
しかも、衝撃のラストが待ち受けています。この展開にはアッシュでなくとも「ノー!」と叫びたくなりますな。
監督:勅使河原宏
出演:宮沢りえ、仲代達也、永澤俊矢、三國連太郎、松本幸四郎
原作:冨士正晴
備考:時代劇
あらすじ…前田利家の娘で豊臣秀吉の養女となっていた豪姫は、古田織部の下人・ウスを連れて千利休の首を強奪する。
レンタルビデオのDVDに収録されている予告篇や特報を視聴してみると、昔の絵の中に豪姫とおぼしき女性が描かれています。これを観て私は、フェデリコ・フェリーニ監督の映画「サテリコン」を思い出しました。そういえばどちらも芸術性の高い作品ですな。
それから、この映画には古田織部の他にも蒲生氏郷や細川忠興、高山右近といった面々が登場します。なぜ彼らが出てくるのかなと思って少々調べてみたら、彼らは利休七哲でした。なるほど、茶道の人脈か。
最後に、宮沢りえのベッドシーンについて。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、正直言ってショボイです。
でも、当時18歳のアイドルではあれが限界だったのかなと思います。というわけで、宮沢りえのエロはあまり期待しないように。
【関連記事】
・利休
表紙のイラストがまるで一昔前の同人誌みたいだな~と思って読んでみると、以下の文章を発見。
このフリーペーパーは小田急電鉄(株)協力のもと、産学連携企画の一環として文化学園大学メディア編集デザインコースに在籍する学生が制作したものです。(P23)
発行は鉄道会社ですが、中身を作っているのは学生さんたち、というわけですか。
本書によると金正恩は金正日の三男ではなく、「金日成に似た少年B」であるらしいという。ほんとかよ。
まあ、この説には決定的な証拠があるわけではないし、確かめようもないから(どうせ確かめようと思ったとしても、素人は偽情報をつかまされるのがオチ)、私はこれを真実であるとは断定しません。
ちなみに、タイトルの「金正恩が消える日」はいつか? ということについて、本書ではこのように述べられています。
たしかに、金正恩氏個人にはまだ統率力はないだろう。それでも、金正恩体制がすぐにも倒れるとは、思えない。北朝鮮の体制に慣れ過ぎているためかもしれないが、かなり強固な支配体制である。もちろん、体制を支える軍人たちが反抗し、クーデターを起こす可能性は常に残されてはいるが、簡単ではない。強大な二つの秘密警察が競争し、クーデターや反乱に目を光らせ摘発しているからだ。(P93-94)
その日が来るのはまだずっと先ですか。
【関連記事】
重村智計『金正日の正体』講談社
重村智計『外交敗北――日朝首脳会談と日米同盟の真実』講談社
重村智計・長谷川慶太郎『北朝鮮自壊』東洋経済新報社
重村智計『北朝鮮はなぜ潰れないのか』
【参考文献】
重村智計『金正恩が消える日』朝日新聞出版
田中慎弥(小説家)のインタビュー記事が掲載されています(P21-23)。彼は映画『共喰い』(9月7日に全国ロードショー)の原作者であり、その映画の宣伝に駆り出された格好です。
「今までよりも読みやすい、読者を意識したものを書かなきゃいけないかなと。あとは海外でちょっとでも読まれればなあと…」(P23)
この言葉を裏返すと、
(1)今までの作品は読みにくく、読者を意識して書かれたものではない。
(2)海外ではちっとも読まれていない。
という問題点が存在することになります。少なくとも、作者はそれを認識しています。
私はこの人の作品をいくつか読んだことがありますし、このブログにて「蛹」などのレビュー記事を書きましたが、そういえばたしかに読みにくかったですな。実際、読みにくさのあまり途中で読むのをやめてしまったものもあるほどです。
あらすじ…親友のハリーが死に、ハリーのヨットを相続したジュディスと親密になる。
悲劇(ハリーの死)→喜劇(ジュディスと○○)→悲劇(××の死)と、悲劇と喜劇が目まぐるしく展開されます。わずか3ヶ月でこれでは、主人公の精神的負担は大きいことでしょう。
それにしても、と思うのですが、これがミステリ小説ならば、ハリーの死の真相は…、そして××が死んだのも実は…となるのでしょうが、本作ではハリーがなぜ死んだのかは書かれていません。警察が動いている(P300)ことから、殺人事件もしくは殺人が疑われる状況だということがわかるくらいです。
追記:○○や××など伏せ字にしてあるのはネタバレ防止のためです。
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