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セルジュ・ミッシェル&ミッシェル・ブーレ『アフリカを食い荒らす中国』河出書房新社

 邦題には「食い荒らす」とありますが、実際に本書を読んでみると、内容は必ずしもそればかりではありません。たしかに「第3章 コンゴの森の中で」(P71-95)のように食い荒らすという表現にふさわしい箇所も見受けられますが、道路・鉄道・通信網などのインフラ建設をしたり、安価な中国製品を持ち込んだりと、アフリカ諸国に「貢献」している現場をリポートしており、寧ろそちらの比重が大きい。
 ちなみに本書の原題は"LA CHINAFRIQUE"(ラ・シナフリック)で、中国とアフリカの合成語であり、フランサフリカをもじったものと思われます。

 さて、本書によると中国はアフリカ諸国にインフラを建設して、その代わりに石油や木材、鉄などの資源を得ているのですが、この関係はいつまで続くのでしょうか? ちょっと想像してみました。

(1)資源が枯渇すれば中国は撤退する。
 いくら中国といえども金は無尽蔵にあるわけではなく、資源獲得のために有効に使わなければならない。ついでに言えば、アフリカの資源だって無尽蔵じゃありません。だとすれば、中国は資源のなくなった国に資金を投入し続けるわけがない。資源の切れ目が縁の切れ目といったところか。

(2)今度はアフリカが資源を欲する?
 中国は経済成長をしたことにより大量の資源を欲するようになりました。では、中国がアフリカのインフラを建設したことによってアフリカが経済成長を始めれば、アフリカも中国と同様に資源を欲するようになります。その時はどうなる?

(3)他国との競争激化。
 詳しくは本書に譲りますが、「アフリカでの競争は、(中略)ブラジル、インド、韓国の参入によっていっそう厳しさを増しているという」(P331)。競争が激化すれば、それだけアフリカ参入の旨みが減りますな。

【参考文献】
セルジュ・ミッシェル&ミッシェル・ブーレ『アフリカを食い荒らす中国』河出書房新社

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