メトロポリス(1927年、ドイツ)
監督:フリッツ・ラング
出演:ブリギッテ・ヘルム、アルフレッド・アベル、グスタフ・フレーリッヒ
原題:Metropolis
備考:淀川長治総監修『世界クラシック名画100撰集』(3)
あらすじ…近未来の巨大都市メトロポリス。支配階級は上階層で繁栄を謳歌し、労働者は地下深くに住んで過酷な労働に従事していた。メトロポリスの支配者フレーダーセンは科学者ロトワングに、労働者のカリスマ的指導者マリアとそっくりのアンドロイドを造らせ…。
1927年の作品(製作は1926年で公開は1927年)ということで、当然のことながらモノクロでしかも無声なのですが、未来都市のSFっぷりがよくできています。メトロポリスの巨大ビルの間を縫うようにプロペラ機が飛び、その下のハイウェーを車が走る…。
1927年のドイツといえばワイマール憲法下であり、ナチスが台頭する直前です。その時代にこれですからね。
それから、エキストラがとても多いということも特筆しておかねばなりますまい。例えば労働者の集会でマリアがバベルの塔の話をするのですが、その話の中だけでも大量のスキンヘッド集団が登場します。
低予算映画だと、作品の中で群衆や軍勢だと説明されても、映像を観ると「たったそれだけ!?」というものがありますが、この映画にはそんなところはありません。豪勢だなあ。
ちなみに、この映画はフラッシュ動画「Mariotropolis」の素材元なのですが、素材となったアンドロイドが踊るシーンは中盤に登場します。Mariotropolisに使われたのはほんの一部であり、映画ではそれ以外にも体を震わせて踊っていたりします。
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