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日本裏歴史研究会『人に話したくなる裏日本史』竹書房(5)初鰹

 「初物争奪戦!!」(P158-159)では、河竹黙阿弥作の歌舞伎『梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)』(通称:髪結新三)を引き合いに出して、初鰹の値段を紹介しています。

 湯屋帰りの浴衣姿で、仕事が上首尾にいって気をよくした新三が鰹売りの売り歩く初鰹を買うのだが、魚屋に支払った代金は、3分2朱を2朱値切って3分だという。(中略)
 江戸時代の1両を現代の6~10万円相当とすると、4分で1両。3分は7万円にもなるだろうか。
(P158)

 7万円! そういえば大田南畝『仮名世説』では相撲取りが魚屋の言い値で鰹を買う羽目になっていましたが、その時はもっと高値だったんでしょうかねえ(※1)
 いずれにせよ、現代では初物信仰(※2)は失われており(今でもどこかに残っているかもしれませんが、もし残っていたとしても少数のはず)、庶民が初鰹に7万円も出すことなんてまずないでしょう。

※1.こちらは初鰹とは書いておらず、初鰹であったか否かは不明。
※2.初物は生命力に満ちあふれているとされ、これを食べると寿命が75日延びると信じられていた。

【参考文献】
日本裏歴史研究会『人に話したくなる裏日本史』竹書房

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