アドルフ・ヒトラー『わが闘争(下)』角川書店(11)
「第十一章 宣伝と組織」では、前半はいかに宣伝すべきかということと党の組織について述べ、後半はドイツ労働者党が極貧状態からスタートして徐々に大きくなっていったことを語っています。
さて、この章でヒトラーは、「偉大な理論家が偉大な組織者であるのは、ごくまれな場合だけである」(P263)、「偉大な理論家が、偉大な指導者であることはもっとまれである」(P263)と述べた上で、「むしろ扇動者のほうが指導者にむいているだろう」(P263)と述べています。
ふむ、扇動者ですか。これはヒトラー自身のことを言ってるんでしょうなあ。要するに扇動者である自分は、どこぞの理論家より遥かに指導者に向いているぞ、と。
ちなみに、ヒトラーが指導者に向いているという評価を、私は肯定します。ヒトラーの言動や政策の理非曲直は措ておいて、金もコネも学歴も爵位も有力な後ろ盾も無い一庶民が、自らの才覚でここまでのし上がったわけですからね。指導者に向いていなかったら、ドイツ労働者党の一党員として埋没していたことでしょう。
【参考文献】
アドルフ・ヒトラー『わが闘争(下)』角川書店
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