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有永弘人訳『ロランの歌』岩波書店(3)

あらすじ…シャルルはロランを含む十二臣将と精鋭2万を殿軍に残してフランスへの帰路に着く。その殿軍に、マルシル率いるスペイン軍40万が攻め寄せてきた!

 この時、ロランはどうすればよかったのか? 3つほど挙げてみます。

(1)有利な地に布陣する。
(2)情報収集を欠かさない。
(3)本体との連絡を緊密に取っておく。

 それでは、ロランが実際に取った行動と照らし合わせながら論じてみたいと思います。
 まず(1)ですが、少数の軍で大軍を防ぐことのできる地に布陣しておくことです。これについては、シャルルが「かしこの峠、狭き隘路」(P50)と指摘した場所に殿軍を残し、その指揮を執るロランは「狭間と高地を確保せよ」(P54)という指示を出していることから、合格点だと思われます。
 次に(2)ですが、具体的には斥候や密偵を放っておいてスペイン軍の動向を監視するということです。40万という数字は盛りすぎ(誇張しすぎ)だとしても、大軍であれば諜報の網にすぐにひっかかるはずです。しかし、事前に察知できなかったということは、そういう作業を怠っていたわけですな。
 最後に(3)について。実は、マルシルが裏切って攻めてきたら角笛を吹き鳴らして本隊に危急を知らせ、それを聞いた本隊が救援に駆けつけるという手筈になっていました。
 しかし、ロランは救援を求めれば自分の名声が失われると考え(P69)、救援を呼ばずに自分たちだけで戦うことを決意します。どうやらロランは、他人に助けを求めるにはプライドが高すぎたようです。
 ロランのこの行為は軍令違反であり、結果的にそれが自分の被害を拡大させたのだから、その責任は問われねばなりますまい。

【参考文献】
有永弘人訳『ロランの歌』岩波書店

『ロランの歌』目次

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