ピーター・トレメイン「メビウスの館」
あらすじ…アメリカの鉱山会社から鉱脈調査に派遣されてきたカート・ウォルフが、アイルランドの廃坑を調べようとするが、坑道で転落し、意識を失ってしまう。そして目が覚めるとそこはどこかの屋敷で、傍には医師オブライエンがいた。
この後、オブライエンが、自分の身に起こった不思議な出来事をウォルフに語るという話中話が展開され、それが終わると…おっと、これ以上はネタバレ防止のために伏せておかなければ。ともあれ、この作品はメビウスの環のような構造――裏側を巡ってまた元の地点に戻る――になっており、邦題のメビウスはここから来ているんじゃないかと思います。
ちなみに原題は"Tavesher"で、タヴィシャとはオブライエン曰く「幽霊のことです」(P212)とのこと。実際、オブライエンの話の中でタヴィシャは重要な役割を果たします。詳細はこれまたネタバレ防止のために伏せておきますが、映画「シックス・センス」に似ているところがあります。
【参考文献】
ピーター・トレメイン『アイルランド幻想』光文社
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