津原泰水「反曲隧道(かえりみすいどう)」
あらすじ…猿渡&伯爵のコンビが、ひょんなことから心霊スポットのトンネルを車で通ることになる。
猿渡と伯爵が出会った経緯が書かれており、一連のシリーズものの序章といった趣があります。しかしながら、後半はトンネルでの怪異が描写されていて、これはこれで短いながらも一つの話として完結していると見ることもできます。
ちなみに後半の怪異譚ですが、「トンネルの怪談」(※1)と「バカ安の車」(※2)という2種類の話が組み合わされているようです。
※1.トンネルはこちらの世界とあちらの世界をつなぐもの。そこから、あの世へ通じるものと考えられ、異界の住人と接触しやすい場所、ということになっているんでしょうなあ。
※2.バカみたいに安い中古車があったので買ってみたら、実はその車には忌まわしい因縁があって…というもの。猿渡のシトロエンはまさにそれ。
【参考文献】
津原泰水『蘆屋家の崩壊』集英社
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