黒いオルフェ(1956年、仏伯伊)
監督:マルセル・カミュ
出演:ブレノ・メロ、マルペッサ・ドーン、アデマール・ダ・シルヴァ
原題:Orfeu Negro
備考:カンヌ国際映画祭グランプリ、アカデミー外国語映画賞
あらすじ…カーニバルを控えて浮かれるリオデジャネイロに、ユリディスが従姉を頼ってやってくる。ユリディスは死の仮面を着けた謎の男につきまとわれていたのだ。とそこへ町の人気者オルフェが現われ、オルフェは婚約者がいるにもかかわらず二人は恋に落ちる。しかし死の仮面の男は着実に忍び寄っていた…。
前半はサンバのリズムが延々と続くので注意。ブラジル人ならばこの程度の長さは平気なのかもしれませんが、慣れていない私には精神的疲労が大きかったです。
しかしそれを乗り切ると、神話と呪術の世界が展開されます。
例えばエレベーターがある建物でわざわざ階段を使って下りて行くのは冥界下りを象徴しているし、あの犬(セルベル)は冥界の番犬ケルベロス(※1)、最後の怒り狂うミラはマイナデス(※2)だったり…。
ここではオルフェウス神話を詳述しませんが、知っていれば特に後半はより一層楽しめることでしょう。
ちなみにこの映画にはフランス語版とポルトガル語版がありますが、私が観たのはポルトガル語版でした。なぜポルトガル語版かというと、レンタルビデオでそれしかなかったから。まあいいんですよ、ブラジルが舞台なんだからポルトガル語で。
※1.ケルベロスは死者は冥界へ通すが生者は通さない。オルフェが通ることができたのは案内者がいたからで、セルベルはあの子供を通していない。
※2.オルフェウスはマイナデス(狂乱せる女たち)に殺された。そういえばミラの周りにいる女友達もマイナデスに見える。
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