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宗碩『佐野のわたり』

あらすじ…連歌師の宗碩が京から桑名へ旅行する。

 書名の由来ですが、冒頭の解説文によると「三輪では佐野の渡りの伝承地で雨に濡れながら古歌を偲ぶ」(P464)のが由来とのこと。尚、その古歌とは万葉集巻第三の二六五番歌です。

 苦毛 零来雨可 神之崎 狭野乃渡尓 家裳不有國
(くるしくも ふりくるあめか みわのさき さののわたりに いへもあらなくに)

 古代の詩歌を追体験した(と感じる)というのはそうそうあることではないから、なかなか貴重な経験だと言えるでしょう。

【参考文献】
福田秀一・岩佐美代子・川添昭二・大曾根章介・久保田淳・鶴崎裕雄校注『中世日記紀行集 新日本古典文学大系51』岩波書店

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