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ムーラン・ルージュ(2001年、米墺)

監督:バズ・ラーマン
出演:ユアン・マクレガー、ニコール・キッドマン、ジョン・レグイザモ、ジム・ブロードベント、リチャード・ロクスバーグ
原題:Moulin Rouge!
備考:ミュージカル

あらすじ…作家志望の貧乏な青年と、キャバレー「ムーラン・ルージュ」の高級娼婦が恋に落ちる。

 冒頭の導入部分で明かされているのでネタバレにならないと思いますが、この恋は悲劇に終わります。まあ、あの二人がハッピーエンドになるのは想像できないですからねえ。

 さて、この映画ではビートルズなど現代の楽曲をうまく取り入れているのですが、私が注目したのはマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」を歌うシーンです。歌い手も男、ダンサーも男だけ、しかも「処女の花嫁」を演じているのはヒゲ面のオッサンという倒錯ぶり。
 そこに女性が全くいないということは、「ライク・ア・ヴァージン」が歌う世界は男性だけの願望なんじゃないかとさえ考えてしまいます。

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タイタンの逆襲(2012年、アメリカ)

監督:ジョナサン・リーベスマン
出演:サム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ、エドガー・ラミレス
原題:Wrath of the Titans
備考:アクション

あらすじ…ハデスとクロノスが手を組んだ!

 「タイタンの戦い」の続篇。前作で敗れたハデスが、今度はタルタロスに囚われているクロノスを解放してオリュンポスの神々を滅ぼそうとします。
 ちなみに、ゼウス、ポセイドン、アレスは登場するのですが、アテナやアポロンなどが出てこないな~と思っていたら、未公開シーン集にちょっとだけ出てきました。それによると、いつの間にかハデスに捕らわれてエネルギーを吸い取られていた…ということになっています。
 前作では彼らはそれなりに存在感を示すことがあったのに、今作では出番すらカットされてしまうとは悲しいものですな。

 最後に、敵役のクロノスについてですが、単なる巨大怪獣になっています。復活したら襲いかかるだけでセリフなどはありません。かつては神々の王だったんだからもうちょっとキャラクターを描写しても…いや、このアクション映画ではその方面の期待は持てませんな。

タイタンの逆襲

華麗なるギャツビー(1974年、アメリカ)

監督:ジャック・クレイトン
出演:ロバート・レッドフォード、ミア・ファロー、ブルース・ダーン、サム・ウォーターストン
原題:The Great Gatsby
原作:フィッツジェラルド『華麗なるギャツビー』
備考:恋愛劇

あらすじ…ニューヨークのロングアイランドに住む謎の大富豪ジェイ・ギャツビー。彼は自宅で豪奢なパーティーを開いていた。そのパーティーに、昔の恋人デイジーが来ると信じて…。

 原作の小説を読み終えた直後にこの映画を観たので、原作には出てこないシーンについて少々述べることにします。
 原作にはないシーンは幾つかあるのですが、その内の一つにギャツビーが軍服を着てデイジーとダンスをするというものがあります。これは明らかに「あの頃に戻りたい」という両者の願望の表われです。尚、照明を蝋燭一つにするのは、それによってギャツビー邸の豪華な調度の数々を見えなくするのと同時に、「二人きり」の世界に没入する効果をもたらしています。
 ところが、その後の、パミーちゃん(トムとデイジーの娘)が登場した時のギャツビーの戸惑いっぷり(こちらは原作にもある)を見ると、「もうあの頃には戻れない」という厳然たる事実をよりいっそうギャツビーに痛感せしめているようです。

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華麗なるギャツビー

アベンジャーズ(2010年、アメリカ)

監督:ジョス・ウィードン
出演:ロバート・ダウニーJr.、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース、ジェレミー・レナー、スカーレット・ヨハンソン、サミュエル・L・ジャクソン、トム・ヒドルストン
原題:Marvel's The Avengers
備考:アクション

あらすじ…国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.(シールド)の地下基地にあった四次元キューブをロキが強奪する。シールドの長官ニック・フューリーは「アベンジャーズ」を結成しようとするが、メンバーたちは一癖も二癖もある「ヒーロー」ばかりで…。

 キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ソー、ハルク等々のアメコミヒーローが集まります。
 そして、対する敵はというと、いたずらの神様ロキ。豪華なヒーローのメンツに較べると、敵キャラが名前負けしている感じがしないでもない。特に、クライマックスの戦闘でロキがハルクにフルボッコにされるところを見てしまうと…。
 ともあれ、この作品ではアメコミヒーローたちの共演(饗宴?)が楽しめるというお祭り映画ですので、細かいことはあまり気にしない方がいいかもしれませんな。

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死霊のはらわた(1981年、アメリカ)

監督:サム・ライミ
出演:ブルース・キャンベル、エレン・サンドワイズ、ベッツィ・ベイカー、ハル・デルリッチ、サラ・ヨーク
原題:The Evil Dead
備考:グロ注意

あらすじ…若い男女5人が山奥の山荘へ泊まることに。しかし山荘の地下で見つけたテープレコーダーを再生したところ、邪悪な霊を呼び出してしまい…。

 登場する人物は5人だけ、舞台は山荘のみ。低予算で作っているなあ…と思っていたら、視聴したレンタルDVDに収録されていた監督とプロデューサー(ロバート・G・タパート)の解説でそれを裏付ける話が山のように出てきました。ロバート・ロドリゲス監督の「エル・マリアッチ」もそうでしたが、少ない予算で色々やりくりしていることがわかります。
 ちなみに備考の欄でグロ注意と書きましたが、後半はグロテスク&スプラッター描写が休みなく続きます。血がドバドバ出るのみならず、口から白い液体(解説によるとミルクを使用)を吐き出したり肉が裂けたり体がドロドロに溶けたり…。私は、観終える頃にはいささか食傷気味になってしまいました。よくもまあここまでやったもんだ。

カンダールの悪霊

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死霊のはらわた

画・富永商太、文・川和二十六『有名武将や合戦の常識をひっくり返す 戦国時代100の大ウソ』鉄人社

 戦国時代の歴史の通説・常識を訂正して「リアルなセンゴクに迫ろう」(P3)としたもの。
 どんなネタが書いてあるのかというと、例えば「合戦でウンコを漏らした権現様」(P86)や「豊臣秀頼は秀吉の子ではなかった」(P124)などは既にご存知の方も多いことでしょう。しかし、「織田信長に切腹を命じられたという徳川信康 真相は徳川家の内紛だった!?」(P92)や「信長が発明した本当に画期的な戦術 それは“給食”です」(P186)などは(少なくとも私にとっては)意外でした。
 研究が進めば通説が覆る。歴史の面白さはそんなところにあったりします。

【参考文献】
画・富永商太、文・川和二十六『有名武将や合戦の常識をひっくり返す 戦国時代100の大ウソ』鉄人社

グループSKIT編著『「天使」と「悪魔」の謎を楽しむ本』PHP

 ユダヤ・キリスト・イスラム教の天使・悪魔の他にも、仏教・ゾロアスター教などに関連した天使・悪魔(に該当するもの)も取り上げています。

 ところで、本書収録のコラム「フィクションのなかの天使と悪魔 映画編」(P88-89)について少々。ここでは天使もしくは悪魔が登場する映画の数々を取り上げており、このブログで映画批評をやっている私は注目して読んだのですが、そこで取り上げられていたのは「素晴らしき哉、人生!」「天国から来たチャンピオン」「オーメン」「ローズマリーの赤ちゃん」など。う~ん、このブログで取り上げてきた映画とは見事にかぶりませんでした。
 いえね、これでも天使や悪魔が登場する映画は観てるんですよ。というわけで、そういう映画の記事を以下に紹介します。

【天使が登場する映画】
レギオン(大天使ミカエルが人類のために戦う)

【悪魔が登場する映画】
銀河(マリリン・モンロー似の娼婦が実はサタンの誘惑)
ザ・キャット(黒魔術で召喚した悪魔が猫に憑依)
ザ・ライト エクソシストの真実(悪魔祓い)
スティーブン・キング 悪魔の嵐(新約聖書に登場する悪魔レギオンを題材にしている)

 他にもあったかもしれませんが、とりあえず思い出せるものだけ挙げておきました。

【参考文献】
グループSKIT編著『「天使」と「悪魔」の謎を楽しむ本』PHP

[監修]山口敏太郎『本当にいる日本の「未知生物」案内~47都道府県地図付きガイド~』笠倉出版社

 日本全国に散在するUMA(未知生物)のガイドブック。
 河童(P32)やイッシー(P240)などはまあいいとして、安達ヶ原の鬼婆(P49)や酒呑童子(P173)となると妖怪と呼ぶ方がふさわしいし、館山のきょん(P86)やヌートリア(P190)となると海外から持ち込んだものが野生化したことがわかっており未知でも何でもない。
 巻末の「あとがき」を読んでみると、「今回、本書では日本の未確認生物(UMA)を幻獣、妖怪まで範囲を広げて考察してみた」(P262)とあり、本書における「未知生物」の定義はかなり広いものとなっています。さすがにこれだけ広く取っておかないと大量に集まらないのかもしれませんな。

【参考文献】
[監修]山口敏太郎『本当にいる日本の「未知生物」案内~47都道府県地図付きガイド~』笠倉出版社

コナン・ドイル『恐怖の谷』新潮社

あらすじ…ある日、ホームズのもとに一通の暗号文が届く。それを解読してみると、バールストンのダグラス氏に危険が迫っているという。とそこへ、マクドナルド警部がやってきて、バールストンのダグラス氏が殺されたと告げる。ホームズ一行はバールストンへ向かう。

 本作にはモリアーティ教授の名が登場します。モリアーティ教授は「最後の事件」でホームズと対決し、ライヘンバッハの滝に落ちるのですが、巻末の解説によると「最後の事件」は1891年、そして本作は1887年と推定しているから、ライヘンバッハの4年前ということになります。
 それならモリアーティ教授もバリバリの現役だったはずですが、本作では陰に隠れて表舞台には上がってきません。つまり、ホームズのとの対決はお預けです。
 まあ、下手に登場させてしまうと「最後の事件」との整合性があまり取れなくなってしまうから、引っ込んでいても仕方ないか。

 それから、遺体の損壊状況についても言及しようかと思いましたが、ネタバレになるのでやめておきます。

【参考文献】
コナン・ドイル『恐怖の谷』新潮社

サルトル「エロストラート」

あらすじ…ポール・ヒルベールという男がパリで通り魔事件を起こそうとする。

 題名のエロストラート(Erostrate)はヘロストラトス(Herostratos)のフランス語読みで、このヘロストラトスは紀元前356年にエフェソスのアルテミス神殿に放火した人物です。彼がなぜそんなことをしたのかというと、アルテミス神殿に放火すれば後世に自分の名前が残ると思ったからだそうです。実際にこうしてヘロストラトスの名前が残っているから、彼の目論みは成功したと言えるでしょう。
 さて、こちらのポール・ヒルベールも後世に名を残そうと画策しています。百二通の手紙を書いて作家たちに送り付けたのだって、「俺の事件を題材にした作品(小説、ルポ、演劇など)を書いてくれ」と言いたいのが透けて見えます。
 とはいえ、通り魔事件ぐらいでは裁判記録や新聞記事には名を刻んでも、歴史には残らないでしょうな。切り裂きジャックやユナボマーくらいのことはしないと。
 最後に、念の為に言っておきますが、良い子のみんなはエロストラートのマネはしないでね!

【参考文献】
サルトル『水いらず』新潮社

フィツジェラルド『華麗なるギャツビー』新潮社

あらすじ…豪奢な邸宅に住み、絢爛たる栄華に生きる謎の男ギャツビーの胸の中には、一途に愛情を捧げ、そして失った恋人デイズィを取り戻そうとする異常な執念が育まれていた……。(裏表紙の紹介文より引用)

 私はこの新潮文庫版を古本で入手したのですが、奥付を見ると昭和49年6月30日初版発行で、この版は平成元年3月10日発行で39刷とあります。ロングセラーの古典作品ということがわかります。
 ちなみにおよそ四半世紀前に発行されたものですので、紙が結構黄ばんでいたりします。又、人物名の表記も現在一般的なものと少々異なっており、この記事では引用文は本書の表記のままとし、他の部分では一般的な方にしました。

(旧)
(新)
フィツジェラルド フィッツジェラルド
デイズィ デイジー
ビュキャナン ブキャナン

『華麗なるギャツビー』表紙


 ちなみに、表紙は映画版「華麗なるギャツビー」(1974年)の1シーンです。右がロバート・レッドフォード(ギャツビー役)、左がミア・ファロー(デイジー役)。尚、この映画についてはレンタルビデオで視聴したので項目を改めて述べたいと思います。

『華麗なるギャツビー』人物相関図


 さて、そろそろ作品自体について述べることにします。この小説は前半と後半が対照的です。
 前半がギャツビーの豪奢なパーティーに代表されるような華やかさに彩られているのに対し、後半はギャツビーの葬儀に代表されるような寂しさ・みじめさがにじんでいます。前半が陽なら後半は陰といったところでしょう。
 それにしても、さすがにフィッツジェラルドはベッドシーンなどの露骨な性描写はしていませんが(1925年出版の作品ということもあるのだろう)、そんなものはなくても愛憎劇では充分にドロドロ感が出ています。

【参考文献】
フィツジェラルド『華麗なるギャツビー』新潮社

【関連記事】
華麗なるギャツビー(1974年版)
華麗なるギャツビー(2013年版)

アガサ・クリスティー『ビッグ4』早川書房

あらすじ…突然ポアロの家に倒れ込んできた英国情報部員は、うわの空で数字の4を書くばかり――国際犯罪組織<ビッグ4>と名探偵の対決はこうして幕を開けた。(裏表紙の紹介文より引用)

 アガサ・クリスティーの作品の中では異色作ともいうべき、冒険活劇小説。ネタバレ防止のために詳細は伏せますが、例えば○○○が「死亡」して葬式まで挙げるくだりは江戸川乱歩の『黒蜥蜴』を彷彿とさせます。
 ちなみに、ビッグ4の幹部4人の正体についてですが、ナンバー1はすぐに明らかになってしまうし、ナンバー2とナンバー3は英国情報部員が話した手がかりをヒントに登場人物一覧をチェックすると大体見当が付いてしまいます。
 となると、最後に残るはナンバー4ですが、こちらは変装の名人であり、汚れ仕事の実行役といったところでしょうか。ナンバー4が誰に化けているのかをさぐりながら読み進めてみるといいかもしれません。

【参考文献】
アガサ・クリスティー『ビッグ4』早川書房

ザ・ライト エクソシストの真実(2011年、アメリカ)

監督:ミカエル・ハフストローム
出演:アンソニー・ホプキンス、コリン・オドノヒュー、アリーシー・プラガ
原題:The Rite
備考:ホラー

あらすじ…神学生マイケル・コヴァックは悪魔祓いの講習を受けるべくバチカンへ。そしてそこでエクソシストのルーカス神父と出会い…。

 タイトルの「ライト」は、light(光)やright(正しい)ではなくて"rite"でした。そこで手許のオックスフォード辞書でこの語を引いてみると、「a religious or other solemn ceremony(拙訳:宗教上もしくはその他の厳粛な儀式)」とありました。
 riteはこの映画では悪魔祓いの儀式を指しているのですが、マイケルがバチカンへ留学する契機となった「死にゆく者への最後の祈り(the last rite)」もriteだし、更に言えば――クライマックスのネタバレになりますが――マイケルが「悪魔の存在を信じる、ゆえに神の存在を信じる」と述べる、いわば「信仰告白(a confession of faith)」もriteだと見ることができるかもしれません。

 さて、ネタバレついでにもう一つ。ルーカス神父に取り憑いた悪魔の名はバール(Baal)というのですが、この悪魔についてちょっと調べてみました。

中世のヨーロッパで悪魔の中でも代表的なものと考えられるようになり、猫とヒキガエルと人間の男の顔を持つ姿で出現するといわれた。(草野巧・著、シブヤユウジ・画『幻想動物事典』新紀元社、P235)

 …ん? 猫と蛙ならたくさん出てきましたな。あれってバール登場の布石なんですかねえ。

ザ・ライト エクソシストの真実

ドラゴンボール エヴォリューション(2009年、アメリカ)

監督:ジェームズ・ウォン
出演:ジャスティン・チャットウィン、エミー・ロッサム、チョウ・ユンファ
原題:Dragonball Evolution
原作:鳥山明『ドラゴンボール』
備考:アクション

あらすじ…ピッコロ大魔王が復活し、ドラゴンボールを集め始める。そしてその過程でピッコロは孫悟空の祖父・悟飯を殺す。悟空は世界を救うため、ブルマと共にドラゴンボール探しの旅に出る。

 この映画は原作との比較でファンからボロクソに言われていた記憶があります。
 そこで今回私は、原作との比較をせず(そういう作業は「熱心なファン」に譲ります)、これを一個の独立した作品として評論してみることにします。

 まず序盤の突っ込みどころについて。高校生の悟空が授業中に教室で女生徒(チチ)を見ていると、あたり一面お花畑に変わります。そりゃあ高校生なんだから恋ぐらいしてもおかしくはないですが、この演出はクサすぎる。

 それから、ピッコロ大魔王の方にも問題があります。
 ドラゴンボールを集める部下が、マイ一人だけというのは寂しすぎる。さすがにこれでは戦力不足だと思ったのか、中盤でピッコロが自分の血液から戦闘員を作っていますが、こいつらは呆気なく返り討ちに遭っています。戦力になってねーじゃん。
 大魔王を名乗るなら、もうちょっと部下を揃えておきたいところですな。
 又、ピッコロのキャラクターの薄さについても言及しておきます。ピッコロは、せいぜい封印されていた時の苦しさをちょっと語るくらいで、ピッコロがどういうキャラクターなのかを示すエピソードが全くといってよいほど無い。これは別にセリフがなくても、何気ない仕種や咄嗟の行動・表情などを描写することで、「あ、こいつはこういうキャラなんだな」とわかるものですが、そういったものは…。

 …え? 良かった点ですか?
 えーと、あ、そうそう、レンタルDVDに同時収録されていた「『Burn Notice(原題)』第1話 ダイジェスト版」が面白かったです。

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レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード(2003年、アメリカ)

監督:ロバート・ロドリゲス
出演:アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック、ジョニー・デップ、ミッキー・ローク
原題:Once Upon A Time In Mexico
備考:アクション

あらすじ…CIAのサンズ捜査官が伝説のマリアッチにマルケス将軍と麻薬王バリーリョの暗殺を依頼する。この二人はクーデターを起こそうとしており、しかもマリアッチとマルケス将軍との間には浅からぬ因縁があった。

 前作(デスペラード)、前々作(エル・マリアッチ)の舞台が田舎町だったのに対して、今作では主要な舞台が都会であり、その分、洗練されている印象を与えます。
 又、クライマックスを死者の日に設定することで、祝祭的ムードをかもし出しているようです。実に華やかです。
 これは個人の好みにもよりますが、田舎の地味で泥臭い雰囲気の方がエル・マリアッチには似合っているのかもしれませんな。

 それはさておき、今作ではダニー・トレホが前作に較べて弱体化しています。理由は簡単、ジョニー・デップに食われたから。こうして見るとジョニデの存在感が結構大きいということがわかります。

レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード

猿の惑星:創世記(2011年、アメリカ)

監督:ルパート・ワイアット
出演:ジェームズ・フランコ、アンディ・サーキス、フリーダ・ピントー、ジョン・リスゴー、ブライアン・コックス、トム・フェルトン
原題:Rise of the Planet of the Apes
備考:SF

あらすじ…高度な知能を獲得した類人猿シーザーが、仲間の類人猿を率いて人類に反旗を翻す!

 CGは見事でした。そう、CGは…。

猿の惑星:創世記

エル・マリアッチ(1992年、米墨)

監督:ロバート・ロドリゲス
出演:カルロス・ガラルドー、コンスエロ・ゴメス、ジェイム・デ・ホヨス、レイノル・マーティネス、ピーター・マルカルド
原題:El Mariachi
備考:アクション

あらすじ…メキシコの田舎町アクーナにギターケースを持ったマリアッチがやってくる。だが彼は、ギャングのボス・モーリシオを殺そうとする別のギャングのボス・アズールに間違えられ…。

 制作費7000ドルとは思えない出来映えです。もちろん、銃器が貧乏臭かったり、チョイ役のセリフが棒読みだったりと、低予算だとわかる作りですが、それを補って余りあるアクションとストーリー展開になっています。

 それにしてもこのマリアッチ、強すぎますな。
 「デスペラード」のマリアッチならば、復讐のために入念な準備と訓練を重ねてきてそれで強いんだという説明が成り立ちますが、こっちの彼は何の準備もしていない状態で襲われて(最初は武器さえ持っていなかった!)、結局ギャングたちを返り討ちに遭わせるわけですから。どこで鍛えてたんだ?

エル・マリアッチ

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年、イギリス)

監督:エドガー・ライト
出演:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト
原題:Shaun of the Dead
備考:ゾンビ・コメディ

あらすじ…なぜか街がゾンビだらけになった!

 この映画の元ネタは「ドーン・オブ・ザ・デッド」というのは有名ですが、あいにく私はそっちを観ていないので両者の比較はできません。そもそも私はゾンビ映画自体あまり観ないし、よくよく考えてみればゾンビ映画は映画の中でマイナーな存在だからなあ…。

 さて、話を「ショーン・オブ・ザ・デッド」に戻します。
 ゾンビ映画だということでホラーだと思うかもしれませんが、基本はコメディです。そんなに怖くありません。

 それから、なぜゾンビが発生したのかについてですが、テレビのニュースで少し触れるだけで、最後まで真相は不明のままです。説明は不要ってワケですか。

ショーン・オブ・ザ・デッド

デスペラード(1995年、アメリカ)

監督:ロバート・ロドリゲス
出演:アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック、ホアキン・アルメイダ
原題:Desperado
備考:アクション

あらすじ…ギャングのボス・ブチョに恋人を殺され、自らも手を撃たれてマリアッチへの道を閉ざされた男が、復讐しようとギターケース片手にやってくる。

 テレビ東京が平日午後に放送しているようなB級テイストですが、バカアクションが観る者をグイグイと引き込んでくれます。
 あまり深く考えることをせず、ドンパチを堪能したい場合はおすすめです。

 それはさておき、やけに目立つオッサンがいるなと思ったら、ダニー・トレホでした。ナイフの切っ先で公衆電話のボタンを押している人です。もちろん彼はチョイ役ではなく、実は…おっと、さすがにこの先は伏せておくことにしましょう。

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デスペラード

ハナとおじさん(2003年、日本)

監督:芹澤康久
出演:hanae*、ピエール瀧、優恵
備考:ショートフィルム

あらすじ…母子家庭の少女ハナの前に、変なおじさんが現われる。

 あらすじの段で「変なおじさん」と書きましたが(演じているのはピエール瀧)、実際に当初は不審者として警戒されています。もしもこのおじさんが私だったら確実に警察に通報されていたことでしょうが、そうならなかったのは彼の人徳(?)とでもいうべきでしょうか。ともあれ、このキャラには脱力します。

Short Films

Adagietto. sehr langsam(2003年、日本)

監督:安藤政信
出演:麻生久美子
備考:ショートフィルム

あらすじ…亡き妻の姿を収めたビデオテープを観る。

 セリフは一切なく、ただひたすらマーラーの音楽が流れる中で麻生久美子を映し出しています。
 それにしてもビデオテープとは時代を感じさせますな。テープが劣化する前にDVDに焼いておかないと。

Short Films

仲良き事は良きことかな(2003年、日本)

監督:中野裕之
出演:大竹まこと、きたろう、斎木しげる
備考:ショートフィルム

 リストラされた男3人の友情物語。
 ただ、芸能人のオーラが強すぎるのか、(きたろう以外は)どうにも落ちぶれた感じが出ていませんな。とはいえ、コントっぽくなっているからそれはそれで悪くはありません。

Short Films

県道スター(2003年、日本)

監督:ピエール瀧
出演:ゲッツ板谷、安藤政信、大竹奈緒子
備考:ショートフィルム

あらすじ…千葉の田舎ヤンキー・弁天さんは、今日もUFOを追いかける。そんなある日、弁天さんはとある女性を好きになるが、後輩のゴローに彼女を奪われてしまう。

 バイクのエンジン音などを効果的に使ってメロディに仕立てているところは、さすがはミュージシャン監督です。
 又、作品中に漂う、ゆる~い感じも監督ならではと言ってもいいかもしれません。

 とにかくこの作品は、肩の力を抜いて視聴し、例えば最後の爆発オチでも「あー、引火するの遅いなー」などとボンヤリ思いながら鑑賞するといいでしょう。

Short Films

ドナルド・D・パルマー『サルトル』筑摩書房

 サルトルの入門書。イラストや図などを多用しわかりやすくしようと工夫しているものの、それでも難解ですのでご注意を。
 ちなみに私の場合、フロイトを少々読んでいたことがあるので、フロイトに言及した箇所ではそれだけ理解の手助けにならなくもなかったです。しかしデカルトやキルケゴールとなると…。

 ところで、サルトルといえば実存主義ですが、本書ではこのように喝破しています。

もし実存主義を一言で
まとめるとしたら、こうなるだろう。
「弁解無用!」
(P107)

 例えば私でもあなたでもいいが、本書を読んでサルトルの思想がわからなかったとします。だとしても弁解無用! 弁解してもしょうがないらしいので(わからないのは、それ以前にわかるという選択をしてこなかったからだ)、とりあえずここで筆を擱くことにします。

【参考文献】
ドナルド・D・パルマー『サルトル』筑摩書房

宗碩『佐野のわたり』

あらすじ…連歌師の宗碩が京から桑名へ旅行する。

 書名の由来ですが、冒頭の解説文によると「三輪では佐野の渡りの伝承地で雨に濡れながら古歌を偲ぶ」(P464)のが由来とのこと。尚、その古歌とは万葉集巻第三の二六五番歌です。

 苦毛 零来雨可 神之崎 狭野乃渡尓 家裳不有國
(くるしくも ふりくるあめか みわのさき さののわたりに いへもあらなくに)

 古代の詩歌を追体験した(と感じる)というのはそうそうあることではないから、なかなか貴重な経験だと言えるでしょう。

【参考文献】
福田秀一・岩佐美代子・川添昭二・大曾根章介・久保田淳・鶴崎裕雄校注『中世日記紀行集 新日本古典文学大系51』岩波書店

宗長『宗祇終焉記』

あらすじ…連歌師の宗長は越後府中から、師の宗祇や同門の宗碩などを伴って駿河へ帰ろうとするが、高齢の宗祇が旅の途中で死んでしまう。宗祇の遺体を運んで定輪寺に葬り、駿府で今川氏親らと共に連歌会を催す。

 なぜここで今川氏親が出てくるかというと、彼は宗長の庇護者、今で言うところのパトロン(それもかなり有力な)だからです。
 尚、追悼の連歌会では、宗祇が書き遺していた発句を使って、次に氏親、その次に宗長が続けて詠んでいます(P457-458)。なるほど、連歌師の弔いはこういうやり方があるのか。

【参考文献】
福田秀一・岩佐美代子・川添昭二・大曾根章介・久保田淳・鶴崎裕雄校注『中世日記紀行集 新日本古典文学大系51』岩波書店

二条良基『小島のくちずさみ』

 南北朝時代の、それも北朝側の貴族が書いた紀行文。内容を簡単にまとめると以下の通り。

楠木正儀が攻めてきたぞー!
   ↓
足利義詮「やべぇ、天皇連れて美濃の小島(おじま)に逃げるわ」
   ↓
二条良基「やべぇ、俺病気だから遅れるわ」
   ↓
二条良基「病気であんまり名所とか見て回れないけど、せっかくの旅だから歌でも詠むか」
   ↓
二条良基、何とか小島に到着。
   ↓
足利尊氏が軍勢を引き連れて鎌倉から駆けつける。
二条良基「ヒュー、かっこいい」
   ↓
足利軍が都を奪回したので天皇と一緒に都へ帰還。

 作者の二条良基(当時、関白)は、病気を押して旅をしている間にも和歌を詠んでいます。このあたりはさすが貴族といったところでしょうか。
 ただ、貴族であるがゆえに軍事に疎いという欠点もうかがえます。そもそもどういう経緯で天皇が小島へ逃れることになったのか述べられていないし、その上、最後の方ではいつの間にか都を奪い返したことになっています。つまり、『小島のくちずさみ』を読んでいるだけでは、戦況はサッパリわからないのです。
 彼とて戦況には関心はあったはず。というのは、北朝側が勝たなければ自分たちは都に帰れないからです。
 まあ、あえて作者を弁護するならば、彼が後世に書き残したかったのは戦争ではなくて別のこと(もののあはれ、有職故事など)だったのでしょう。

【参考文献】
福田秀一・岩佐美代子・川添昭二・大曾根章介・久保田淳・鶴崎裕雄校注『中世日記紀行集 新日本古典文学大系51』岩波書店

源通親『高倉院升遐記(たかくらいんしょうかき)』

あらすじ…高倉院が死んだ。悲しいので歌を詠みまくる。

 悲しいという感情を歌に詠む、それはそれで結構なのですが、この人の場合、喪が明けても(尚、本作品の中で公式に服喪期間が終了したのはP50の「御服脱ぐべきよし宣旨くだる」の時点です)ウジウジと悲しい悲しいと詠み続けています。
 読んでいると気が滅入りますな。

【参考文献】
福田秀一・岩佐美代子・川添昭二・大曾根章介・久保田淳・鶴崎裕雄校注『中世日記紀行集 新日本古典文学大系51』岩波書店

源通親『高倉院厳島御幸記』

あらすじ…治承4年、高倉院が宮島の厳島神社に行幸する。

 往路の文量に対して帰路の文量が少なくなっています。めぼしい観光は往路で済ませてきたということもあるのでしょうが、「いま一日も宮こへ疾くと、上下心の中には思ひける」(P23)という心理も働いていたのかもしれません。

 ところで、この作品の最後は、

 かくて「御痩せもただならず」など聞ゑて、医(くすし)なども申すゝめて、御灸治などぞ聞えし。(P23)

 と締めくくっています。主語が省略されていますが、治療を受けているのは高倉院です。慣れない船旅で疲れたのかな…でも、高倉院は翌年病没していることを思い合わせると、高倉院にとって宮島旅行は死亡フラグだったのかもしれない…などと考えてしまいます。

【参考文献】
福田秀一・岩佐美代子・川添昭二・大曾根章介・久保田淳・鶴崎裕雄校注『中世日記紀行集 新日本古典文学大系51』岩波書店

フィッツジェラルド「リッツ・ホテルほどもある超特大のダイヤモンド」

あらすじ…ジョンは夏休みを友人のパーシー・ワシントンの実家で過ごすことにする。そしてそこで、パーシーの妹キスミンと恋に落ちるが…。

 パーシー曰く、父親は「リッツ・ホテルほどもある超特大のダイヤモンド」を所持しているとのこと(P12)。ということは途方もない金持ちの話かなと思っていたら、中盤以降はダークファンタジーの様相を呈してきました。
 いくら「秘密」を守るためとはいえ、親友さえも殺してそれを当たり前のことと受け入れている一家…狂ってますなあ。

【参考文献】
佐伯泰樹編訳『フィッツジェラルド短編集』岩波書店

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