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近松門左衛門『碁盤太平記』

 近松門左衛門が描いた『忠臣蔵』。
 なお、この記事を読む際には、以下の2点についてご承知おき下さい。

(1)『忠臣蔵』のストーリーを一通り知っていること
 今まで数え切れないほど演劇・ドラマ・映画等になっており、日本人なら大まかなストーリーくらい頭の中に入っているはずだという前提でレビューを書くことにします。

(2)時代・人物名が異なる
 江戸時代に製作・上演された『忠臣蔵』は、室町時代を舞台とし、大石内蔵助が大星由良之介になるなどの改変が施されています。詳細は本書脚注及び「6 塩冶浪人実名対照一覧」(P499-500)を参照されたし。

あらすじ…大星由良之介とその息子・力弥は、京に滞在して仇討ちの機会を窺っていた。由良之介が外出している時に鎌倉の同志たちから次々に手紙が届く。そんなさ中、奉公人の岡平が高師直と内通していると見抜いた力弥は岡平を刀で斬り付け、とどめを刺そうとする。とそこへ由良之介が帰ってくる。

 ネタバレ防止のために岡平の正体は伏せますが、彼が瀕死の状態で口も利けないので碁盤と碁石を使って高師直館の間取りを大星父子に教えます。本作のタイトルはここから来ているわけです。
 ただ、その時の様子(P261)を読んでみると、由良之介がスラスラと質問していることから、彼の頭の中には既に大まかな見取図は描かれていたようです。おそらく、鎌倉に潜伏中の同志がある程度の調べを付けていたのでしょう。ひょっとしたら、物語の冒頭に届いた手紙の中にもその種の情報が入っていたのかもしれません。

【参考文献】
松崎仁・原道夫・井口洋・大崎正叔『近松浄瑠璃集 上 新日本古典文学大系91』岩波書店

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