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ホルヘ・ルイス・ボルヘス「アステリオーンの家」

 この作品の冒頭の引用文はアポロドーロスの『ギリシア神話』ですが、そういえば自宅の書棚にもあったな…と思って調べてみたら、このアステリオーンとはミノタウロスのことでした。
 以下、比較のために両者を引用してみます。

 そして王妃は男の子を出産したが、その子はアステリオーンという名前であった。(P87)

 そこで彼女はアステリオス、一名ミーノータウロスを生んだ。(高津春繁訳『アポロドーロス ギリシア神話』岩波書店、P121)

 そういえばミノタウロスは「ミノスの息子」という意味で、人々があの半人半牛の怪物をそう呼んでいる、いわばあだ名であって、個人名は別にあってしかるべきでしたな。
 それはさておき、こうして両者を眺めてみると、作者(ボルヘス)はミノタウロスの名を少なくとも冒頭部分では隠しておきたかったようです。

 ちなみに本作品に登場する「アステリオーンの家」は、迷宮ではなさそうです。アステリオーンは普通に外出していますからね。まあ、よしんばそこが迷宮であったとしても、そこに長年住み慣れた者にとっては迷わないんでしょう。

【参考文献】
ホルヘ・ルイス・ボルヘス『エル・アレフ』平凡社

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